刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律平成十七年法律第五十号
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警察庁長官は、国家公安委員会の定めるところにより、被留置者の処遇の斉一を図り、この法律の適正な施行を期するため、その指名する職員に留置施設を巡察させるものとする。
警察本部に、留置施設視察委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。
2委員会は、その置かれた警察本部に係る都道府県警察の管轄区域内にある留置施設(道警察本部にあってはその所在地を包括する方面の区域内にある留置施設、方面本部にあっては当該方面の区域内にある留置施設)を視察し、その運営に関し、留置業務管理者に対して意見を述べるものとする。
委員会の委員(以下この条及び次条第二項において「委員」という。)は、人格識見が高く、かつ、留置施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、公安委員会が任命する。
2委員は、非常勤とする。
3委員又は委員であった者は、職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
4前三項に定めるもののほか、委員の定数及び任期その他委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、条例で定める。この場合において、委員の定数及び任期については、国家公安委員会の定める基準を参酌するものとする。
留置業務管理者は、留置施設の運営の状況(第百九十条第一項又は第二百八条第一項の規定による措置に関する事項を含む。)について、公安委員会の定めるところにより、定期的に、又は必要に応じて、委員会に対し、情報を提供するものとする。
2委員会は、留置施設の運営の状況を把握するため、委員による留置施設の視察をすることができる。この場合において、委員会は、必要があると認めるときは、留置業務管理者に対し、委員による被留置者との面接の実施について協力を求めることができる。
3留置業務管理者は、前項の視察及び被留置者との面接について、必要な協力をしなければならない。
4第二百二十二条の規定にかかわらず、被留置者が委員会に対して提出する書面は、検査をしてはならない。
警察本部長は、毎年、委員会が留置業務管理者に対して述べた意見及びこれを受けて留置業務管理者が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする。
第六条、第十一条及び第十二条の規定は、留置施設について準用する。この場合において、第六条及び第十二条中「刑事施設の長」とあるのは、「留置業務管理者」と読み替えるものとする。
管区海上保安本部、管区海上保安本部の事務所又は海上保安庁の船舶に、海上保安留置施設を設置する。
2海上保安留置施設は、次に掲げる者を留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。ただし、海上保安庁の船舶に置かれる海上保安留置施設には、やむを得ない事由により、管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所に置かれる海上保安留置施設に速やかに留置することができない場合に限り、留置することができる。
海上保安留置施設に係る留置業務を管理する者(以下「海上保安留置業務管理者」という。)は、管区海上保安本部に置かれる海上保安留置施設にあっては管区海上保安本部長が指名する海上保安官とし、管区海上保安本部の事務所に置かれる海上保安留置施設にあっては当該事務所の長とし、海上保安庁の船舶に置かれる海上保安留置施設にあっては当該船舶の船長とする。
2海上保安留置施設に係る留置業務に従事する海上保安官及び海上保安官補(以下「海上保安留置担当官」という。)には、海上保安被留置者の人権に関する理解を深めさせ、並びに海上保安被留置者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。
3海上保安留置担当官は、その海上保安留置施設に留置されている海上保安被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。
海上保安被留置者は、性別に従い、互いに分離するものとする。
海上保安庁長官は、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各海上保安留置施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。
第六条、第十一条及び第十二条の規定は、海上保安留置施設について準用する。この場合において、第六条及び第十二条中「刑事施設の長」とあるのは、「海上保安留置業務管理者」と読み替えるものとする。
受刑者の処遇は、その者の年齢、資質及び環境に応じ、その自覚に訴え、改善更生の意欲の喚起及び社会生活に適応する能力の育成を図ることを旨として行うものとする。
未決拘禁者の処遇に当たっては、未決の者としての地位を考慮し、その逃走及び罪証の隠滅の防止並びにその防御権の尊重に特に留意しなければならない。
死刑確定者の処遇に当たっては、その者が心情の安定を得られるようにすることに留意するものとする。
2死刑確定者に対しては、必要に応じ、民間の篤志家の協力を求め、その心情の安定に資すると認められる助言、講話その他の措置を執るものとする。
刑事施設の長は、被収容者に対し、その刑事施設における収容の開始に際し、被収容者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。その刑事施設に収容されている被収容者がその地位を異にするに至ったときも、同様とする。
2前項の規定による告知は、法務省令で定めるところにより、書面で行う。
刑務官は、被収容者について、その刑事施設における収容の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。その後必要が生じたときも、同様とする。
2女子の被収容者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の刑務官がこれを行わなければならない。ただし、女子の刑務官がその検査を行うことができない場合には、男子の刑務官が刑事施設の長の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。
未決拘禁者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合における処遇を除く。次条第一項及び第三十七条第一項において同じ。)は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。
2未決拘禁者(死刑確定者としての地位を有するものを除く。)の居室は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、単独室とし、それ以外の場合にあっても、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。
3未決拘禁者は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、居室外においても相互に接触させてはならない。
死刑確定者の処遇は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。
2死刑確定者の居室は、単独室とする。
3死刑確定者は、居室外においても、第三十二条第一項に定める処遇の原則に照らして有益と認められる場合を除き、相互に接触させてはならない。
各種被収容者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)の処遇は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。
2各種被収容者の居室は、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。
刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、次に掲げる時間帯を定め、これを被収容者に告知するものとする。
刑事施設の長は、被収容者に対し、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがない限り、余暇時間帯等(受刑者にあっては余暇に充てられるべき時間帯をいい、その他の被収容者にあっては食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯以外の時間帯をいう。次項において同じ。)において自己契約作業(その者が刑事施設の外部の者との請負契約により行う物品の製作その他の作業をいう。以下同じ。)を行うことを許すものとする。
2刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者に対し、自己契約作業、知的、教育的及び娯楽的活動、運動競技その他の余暇時間帯等における活動について、援助を与えるものとする。
被収容者には、次に掲げる物品(書籍等を除く。以下この節において同じ。)であって、刑事施設における日常生活に必要なもの(第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は支給する。
2被収容者には、前項に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、必要に応じ、室内装飾品その他の刑事施設における日常生活に用いる物品(第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は嗜し好品(酒類を除く。以下同じ。)を支給することができる。
刑事施設の長は、受刑者が、次に掲げる物品(次条第一項各号に掲げる物品を除く。次項において同じ。)について、自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合において、その者の処遇上適当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、これを許すことができる。
2刑事施設の長は、受刑者以外の被収容者が、前項各号に掲げる物品及び寝具について自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合には、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合並びに第十二節の規定により禁止される場合を除き、法務省令で定めるところにより、これを許すものとする。
被収容者には、次に掲げる物品については、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、自弁のものを使用させるものとする。
2前項各号に掲げる物品について、被収容者が自弁のものを使用することができない場合であって、必要と認めるときは、その者にこれを貸与し、又は支給するものとする。
第四十条又は前条第二項の規定により貸与し、又は支給する物品は、被収容者の健康を保持するに足り、かつ、国民生活の実情等を勘案し、被収容者としての地位に照らして、適正と認められるものでなければならない。
刑事施設の職員は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。
刑事施設の長は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、被収容者に対し、その物品について、親族(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。
2前項の規定により物品の処分を求めた場合において、被収容者が相当の期間内にその処分をしないときは、刑事施設の長は、これを売却してその代金を領置する。ただし、売却することができないものは、廃棄することができる。
刑事施設の長は、第四十四条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品を持参し、又は送付した者(以下「差入人」という。)に対し、その引取りを求めるものとする。
2第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第四号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、刑事施設の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。
3前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、国庫に帰属する。
4第二項に規定する物品であって、第一項第六号に該当するものについては、刑事施設の長は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。ただし、売却できないものは、廃棄することができる。
5第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第五号又は第六号に該当するもの(同項第一号から第四号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、刑事施設の長は、被収容者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。
6前条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。
7第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、被収容者がその交付を受けることを拒んだ場合には、刑事施設の長は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。
次に掲げる物品のうち、この法律の規定により被収容者が使用し、又は摂取することができるものは、被収容者に引き渡す。
2次に掲げる金品は、刑事施設の長が領置する。
刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、保管私物(被収容者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び被収容者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。
2刑事施設の長は、被収容者の保管私物(法務省令で定めるものを除く。)の総量(以下この節において「保管総量」という。)が保管限度量(被収容者としての地位の別ごとに被収容者一人当たりについて保管することができる物品の量として刑事施設の長が定める量をいう。以下この節において同じ。)を超えるとき、又は被収容者について領置している物品(法務省令で定めるものを除く。)の総量(以下この節において「領置総量」という。)が領置限度量(被収容者としての地位の別ごとに被収容者一人当たりについて領置することができる物品の量として刑事施設の長が定める量をいう。以下この節において同じ。)を超えるときは、当該被収容者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。
3第四十五条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。
4刑事施設の長は、被収容者が保管私物について領置することを求めた場合において、相当と認めるときは、これを領置することができる。ただし、領置総量が領置限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。
5刑事施設の長は、前項の規定により領置している物品について、被収容者がその引渡しを求めた場合には、これを引き渡すものとする。ただし、保管総量が保管限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。
刑事施設の長は、被収容者が、自弁物品等を購入し、又は刑事施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用については、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
刑事施設の長は、被収容者が、保管私物又は領置されている金品(第百三十三条(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(当該刑事施設に収容されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。
刑事施設の長は、この節に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、差入人による被収容者に対する金品の交付及び被収容者による自弁物品等の購入について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。
刑事施設の長は、被収容者の釈放の際、領置している金品をその者に引き渡すものとする。
釈放された被収容者の遺留物(刑事施設に遺留した金品をいう。以下この章において同じ。)は、その釈放の日から起算して六月を経過する日までに、その者からその引渡しを求める申出がなく、又はその引渡しに要する費用の提供がないときは、国庫に帰属する。
2前項の期間内でも、刑事施設の長は、腐敗し、又は滅失するおそれが生じた遺留物は、廃棄することができる。
被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに、その者から引渡しを求める申出がなく、又は引渡しに要する費用の提供がないときは、その遺留物は、国庫に帰属する。
2前条第二項の規定は、前項の遺留物について準用する。
死亡した被収容者の遺留物は、法務省令で定めるところにより、その遺族等(法務省令で定める遺族その他の者をいう。以下この章において同じ。)に対し、その申請に基づき、引き渡すものとする。
2死亡した被収容者の遺留物がある場合において、その遺族等の所在が明らかでないため第百七十六条の規定による通知をすることができないときは、刑事施設の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。
3第一項の遺留物は、第百七十六条の規定による通知をし、又は前項の規定により公告をした日から起算して六月を経過する日までに第一項の申請がないときは、国庫に帰属する。
4第五十三条第二項の規定は、第一項の遺留物について準用する。
刑事施設においては、被収容者の心身の状況を把握することに努め、被収容者の健康及び刑事施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。
被収容者には、日曜日その他法務省令で定める日を除き、できる限り戸外で、その健康を保持するため適切な運動を行う機会を与えなければならない。ただし、公判期日への出頭その他の事情により刑事施設の執務時間内にその機会を与えることができないときは、この限りでない。
被収容者は、身体、着衣及び所持品並びに居室その他日常使用する場所を清潔にしなければならない。
被収容者には、法務省令で定めるところにより、刑事施設における保健衛生上適切な入浴を行わせる。
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