刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律平成十七年法律第五十号
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この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
刑事施設は、次に掲げる者を収容し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。
被収容者は、次に掲げる別に従い、それぞれ互いに分離するものとする。
2前項の規定にかかわらず、受刑者に第九十三条に規定する作業として他の被収容者に接して食事の配給その他の作業を行わせるため必要があるときは、同項第二号及び第三号に掲げる別による分離をしないことができる。
3第一項の規定にかかわらず、適当と認めるときは、居室(被収容者が主として休息及び就寝のために使用する場所として刑事施設の長が指定する室をいう。次編第二章において同じ。)外に限り、同項第三号に掲げる別による分離をしないことができる。
法務大臣は、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各刑事施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。
刑事施設の長は、その刑事施設の適正な運営に資するため必要な意見を関係する公務所及び公私の団体の職員並びに学識経験のある者から聴くことに努めなければならない。
刑事施設に、刑事施設視察委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。
2委員会は、その置かれた刑事施設を視察し、その運営に関し、刑事施設の長に対して意見を述べるものとする。
委員会は、委員十人以内で組織する。
2委員は、人格識見が高く、かつ、刑事施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、法務大臣が任命する。
3委員の任期は、一年とする。ただし、再任を妨げない。
4委員は、非常勤とする。
5前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、法務省令で定める。
刑事施設の長は、刑事施設の運営の状況について、法務省令で定めるところにより、定期的に、又は必要に応じて、委員会に対し、情報を提供するものとする。
2委員会は、刑事施設の運営の状況を把握するため、委員による刑事施設の視察をすることができる。この場合において、委員会は、必要があると認めるときは、刑事施設の長に対し、委員による被収容者との面接の実施について協力を求めることができる。
3刑事施設の長は、前項の視察及び被収容者との面接について、必要な協力をしなければならない。
4第百二十七条(第百四十四条において準用する場合を含む。)、第百三十五条(第百三十八条及び第百四十二条において準用する場合を含む。)及び第百四十条の規定にかかわらず、被収容者が委員会に対して提出する書面は、検査をしてはならない。
法務大臣は、毎年、委員会が刑事施設の長に対して述べた意見及びこれを受けて刑事施設の長が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする。
裁判官及び検察官は、刑事施設を巡視することができる。
刑事施設の長は、その刑事施設の参観を申し出る者がある場合において相当と認めるときは、これを許すことができる。
刑務官は、法務省令で定めるところにより、法務大臣が刑事施設の職員のうちから指定する。
2刑務官の階級は、法務省令でこれを定める。
3刑務官には、被収容者の人権に関する理解を深めさせ、並びに被収容者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。
都道府県警察に、留置施設を設置する。
2留置施設は、次に掲げる者を留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。
第三条各号に掲げる者は、次に掲げる者を除き、刑事施設に収容することに代えて、留置施設に留置することができる。
2法務大臣は、国家公安委員会に対し、前項の規定による留置に関する留置施設の運営の状況について説明を求め、又は同項の規定により留置された者の処遇について意見を述べることができる。
留置施設に係る留置業務を管理する者(以下「留置業務管理者」という。)は、警視庁、道府県警察本部又は方面本部(第二十条において「警察本部」という。)に置かれる留置施設にあっては警視以上の階級にある警察官のうちから警視総監、道府県警察本部長又は方面本部長(以下「警察本部長」という。)が指名する者とし、警察署に置かれる留置施設にあっては警察署長とする。
2留置施設に係る留置業務に従事する警察官(以下「留置担当官」という。)には、被留置者の人権に関する理解を深めさせ、並びに被留置者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。
3留置担当官は、その留置施設に留置されている被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。
被留置者は、次に掲げる別に従い、それぞれ互いに分離するものとする。
2前項の規定にかかわらず、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要がある場合において、被留置者の処遇上支障を生ずるおそれがないと認めるときは、同項第二号に掲げる別による分離をしないことができる。
警察本部長は、都道府県公安委員会(道警察本部の所在地を包括する方面以外の方面にあっては、方面公安委員会。以下「公安委員会」という。)の定めるところにより、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各留置施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。
警察庁長官は、国家公安委員会の定めるところにより、被留置者の処遇の斉一を図り、この法律の適正な施行を期するため、その指名する職員に留置施設を巡察させるものとする。
警察本部に、留置施設視察委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。
2委員会は、その置かれた警察本部に係る都道府県警察の管轄区域内にある留置施設(道警察本部にあってはその所在地を包括する方面の区域内にある留置施設、方面本部にあっては当該方面の区域内にある留置施設)を視察し、その運営に関し、留置業務管理者に対して意見を述べるものとする。
委員会の委員(以下この条及び次条第二項において「委員」という。)は、人格識見が高く、かつ、留置施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、公安委員会が任命する。
2委員は、非常勤とする。
3委員又は委員であった者は、職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
4前三項に定めるもののほか、委員の定数及び任期その他委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、条例で定める。この場合において、委員の定数及び任期については、国家公安委員会の定める基準を参酌するものとする。
留置業務管理者は、留置施設の運営の状況(第百九十条第一項又は第二百八条第一項の規定による措置に関する事項を含む。)について、公安委員会の定めるところにより、定期的に、又は必要に応じて、委員会に対し、情報を提供するものとする。
2委員会は、留置施設の運営の状況を把握するため、委員による留置施設の視察をすることができる。この場合において、委員会は、必要があると認めるときは、留置業務管理者に対し、委員による被留置者との面接の実施について協力を求めることができる。
3留置業務管理者は、前項の視察及び被留置者との面接について、必要な協力をしなければならない。
4第二百二十二条の規定にかかわらず、被留置者が委員会に対して提出する書面は、検査をしてはならない。
警察本部長は、毎年、委員会が留置業務管理者に対して述べた意見及びこれを受けて留置業務管理者が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする。
第六条、第十一条及び第十二条の規定は、留置施設について準用する。この場合において、第六条及び第十二条中「刑事施設の長」とあるのは、「留置業務管理者」と読み替えるものとする。
管区海上保安本部、管区海上保安本部の事務所又は海上保安庁の船舶に、海上保安留置施設を設置する。
2海上保安留置施設は、次に掲げる者を留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。ただし、海上保安庁の船舶に置かれる海上保安留置施設には、やむを得ない事由により、管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所に置かれる海上保安留置施設に速やかに留置することができない場合に限り、留置することができる。
海上保安留置施設に係る留置業務を管理する者(以下「海上保安留置業務管理者」という。)は、管区海上保安本部に置かれる海上保安留置施設にあっては管区海上保安本部長が指名する海上保安官とし、管区海上保安本部の事務所に置かれる海上保安留置施設にあっては当該事務所の長とし、海上保安庁の船舶に置かれる海上保安留置施設にあっては当該船舶の船長とする。
2海上保安留置施設に係る留置業務に従事する海上保安官及び海上保安官補(以下「海上保安留置担当官」という。)には、海上保安被留置者の人権に関する理解を深めさせ、並びに海上保安被留置者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。
3海上保安留置担当官は、その海上保安留置施設に留置されている海上保安被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。
海上保安被留置者は、性別に従い、互いに分離するものとする。
海上保安庁長官は、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各海上保安留置施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。
第六条、第十一条及び第十二条の規定は、海上保安留置施設について準用する。この場合において、第六条及び第十二条中「刑事施設の長」とあるのは、「海上保安留置業務管理者」と読み替えるものとする。
受刑者の処遇は、その者の年齢、資質及び環境に応じ、その自覚に訴え、改善更生の意欲の喚起及び社会生活に適応する能力の育成を図ることを旨として行うものとする。
未決拘禁者の処遇に当たっては、未決の者としての地位を考慮し、その逃走及び罪証の隠滅の防止並びにその防御権の尊重に特に留意しなければならない。
死刑確定者の処遇に当たっては、その者が心情の安定を得られるようにすることに留意するものとする。
2死刑確定者に対しては、必要に応じ、民間の篤志家の協力を求め、その心情の安定に資すると認められる助言、講話その他の措置を執るものとする。
刑事施設の長は、被収容者に対し、その刑事施設における収容の開始に際し、被収容者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。その刑事施設に収容されている被収容者がその地位を異にするに至ったときも、同様とする。
2前項の規定による告知は、法務省令で定めるところにより、書面で行う。
刑務官は、被収容者について、その刑事施設における収容の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。その後必要が生じたときも、同様とする。
2女子の被収容者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の刑務官がこれを行わなければならない。ただし、女子の刑務官がその検査を行うことができない場合には、男子の刑務官が刑事施設の長の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。
未決拘禁者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合における処遇を除く。次条第一項及び第三十七条第一項において同じ。)は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。
2未決拘禁者(死刑確定者としての地位を有するものを除く。)の居室は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、単独室とし、それ以外の場合にあっても、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。
3未決拘禁者は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、居室外においても相互に接触させてはならない。
死刑確定者の処遇は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。
2死刑確定者の居室は、単独室とする。
3死刑確定者は、居室外においても、第三十二条第一項に定める処遇の原則に照らして有益と認められる場合を除き、相互に接触させてはならない。
各種被収容者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)の処遇は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。
2各種被収容者の居室は、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。
刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、次に掲げる時間帯を定め、これを被収容者に告知するものとする。
刑事施設の長は、被収容者に対し、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがない限り、余暇時間帯等(受刑者にあっては余暇に充てられるべき時間帯をいい、その他の被収容者にあっては食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯以外の時間帯をいう。次項において同じ。)において自己契約作業(その者が刑事施設の外部の者との請負契約により行う物品の製作その他の作業をいう。以下同じ。)を行うことを許すものとする。
2刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者に対し、自己契約作業、知的、教育的及び娯楽的活動、運動競技その他の余暇時間帯等における活動について、援助を与えるものとする。
被収容者には、次に掲げる物品(書籍等を除く。以下この節において同じ。)であって、刑事施設における日常生活に必要なもの(第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は支給する。
2被収容者には、前項に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、必要に応じ、室内装飾品その他の刑事施設における日常生活に用いる物品(第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は嗜し好品(酒類を除く。以下同じ。)を支給することができる。
刑事施設の長は、受刑者が、次に掲げる物品(次条第一項各号に掲げる物品を除く。次項において同じ。)について、自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合において、その者の処遇上適当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、これを許すことができる。
2刑事施設の長は、受刑者以外の被収容者が、前項各号に掲げる物品及び寝具について自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合には、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合並びに第十二節の規定により禁止される場合を除き、法務省令で定めるところにより、これを許すものとする。
被収容者には、次に掲げる物品については、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、自弁のものを使用させるものとする。
2前項各号に掲げる物品について、被収容者が自弁のものを使用することができない場合であって、必要と認めるときは、その者にこれを貸与し、又は支給するものとする。
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