破産法平成十六年法律第七十五号
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双務契約について破産者及びその相手方が破産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。
2前項の場合には、相手方は、破産管財人に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか、又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。この場合において、破産管財人がその期間内に確答をしないときは、契約の解除をしたものとみなす。
3前項の規定は、相手方又は破産管財人が民法第六百三十一条前段の規定により解約の申入れをすることができる場合又は同法第六百四十二条第一項前段の規定により契約の解除をすることができる場合について準用する。
前条第一項又は第二項の規定により契約の解除があった場合には、相手方は、損害の賠償について破産債権者としてその権利を行使することができる。
2前項に規定する場合において、相手方は、破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存するときは、その返還を請求することができ、現存しないときは、その価額について財団債権者としてその権利を行使することができる。
破産者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、破産手続開始の申立て前の給付に係る破産債権について弁済がないことを理由としては、破産手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。
2前項の双務契約の相手方が破産手続開始の申立て後破産手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、財団債権とする。
3前二項の規定は、労働契約には、適用しない。
第五十三条第一項及び第二項の規定は、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を設定する契約について破産者の相手方が当該権利につき登記、登録その他の第三者に対抗することができる要件を備えている場合には、適用しない。
2前項に規定する場合には、相手方の有する請求権は、財団債権とする。
委任者について破産手続が開始された場合において、受任者は、民法第六百五十五条の規定による破産手続開始の通知を受けず、かつ、破産手続開始の事実を知らないで委任事務を処理したときは、これによって生じた債権について、破産債権者としてその権利を行使することができる。
取引所の相場その他の市場の相場がある商品の取引に係る契約であって、その取引の性質上特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができないものについて、その時期が破産手続開始後に到来すべきときは、当該契約は、解除されたものとみなす。
2前項の場合において、損害賠償の額は、履行地又はその地の相場の標準となるべき地における同種の取引であって同一の時期に履行すべきものの相場と当該契約における商品の価格との差額によって定める。
3第五十四条第一項の規定は、前項の規定による損害の賠償について準用する。
4第一項又は第二項に定める事項について当該取引所又は市場における別段の定めがあるときは、その定めに従う。
5第一項の取引を継続して行うためにその当事者間で締結された基本契約において、その基本契約に基づいて行われるすべての同項の取引に係る契約につき生ずる第二項に規定する損害賠償の債権又は債務を差引計算して決済する旨の定めをしたときは、請求することができる損害賠償の額の算定については、その定めに従う。
交互計算は、当事者の一方について破産手続が開始されたときは、終了する。この場合においては、各当事者は、計算を閉鎖して、残額の支払を請求することができる。
2前項の規定による請求権は、破産者が有するときは破産財団に属し、相手方が有するときは破産債権とする。
為替手形の振出人又は裏書人について破産手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支払人又は予備支払人は、これによって生じた債権につき、破産債権者としてその権利を行使することができる。
2前項の規定は、小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価証券について準用する。
3第五十一条の規定は、前二項の規定の適用について準用する。
民法第七百五十八条第二項及び第三項並びに第七百五十九条の規定は配偶者の財産を管理する者につき破産手続が開始された場合について、同法第八百三十五条の規定は親権を行う者につき破産手続が開始された場合について準用する。
破産手続の開始は、破産者に属しない財産を破産財団から取り戻す権利(第六十四条及び第七十八条第二項第十三号において「取戻権」という。)に影響を及ぼさない。
売主が売買の目的である物品を買主に発送した場合において、買主がまだ代金の全額を弁済せず、かつ、到達地でその物品を受け取らない間に買主について破産手続開始の決定があったときは、売主は、その物品を取り戻すことができる。ただし、破産管財人が代金の全額を支払ってその物品の引渡しを請求することを妨げない。
2前項の規定は、第五十三条第一項及び第二項の規定の適用を妨げない。
3第一項の規定は、物品の買入れの委託を受けた問屋がその物品を委託者に発送した場合について準用する。この場合において、同項中「代金」とあるのは、「報酬及び費用」と読み替えるものとする。
破産者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)が破産手続開始前に取戻権の目的である財産を譲り渡した場合には、当該財産について取戻権を有する者は、反対給付の請求権の移転を請求することができる。破産管財人が取戻権の目的である財産を譲り渡した場合も、同様とする。
2前項の場合において、破産管財人が反対給付を受けたときは、同項の取戻権を有する者は、破産管財人が反対給付として受けた財産の給付を請求することができる。
別除権は、破産手続によらないで、行使することができる。
2担保権(特別の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この項において同じ。)の目的である財産が破産管財人による任意売却その他の事由により破産財団に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目的である財産について別除権を有する。
破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する商法又は会社法の規定による留置権は、破産財団に対しては特別の先取特権とみなす。
2前項の特別の先取特権は、民法その他の法律の規定による他の特別の先取特権に後れる。
3第一項に規定するものを除き、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する留置権は、破産財団に対してはその効力を失う。
破産債権者は、破産手続開始の時において破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。
2破産債権者の有する債権が破産手続開始の時において期限付若しくは解除条件付であるとき、又は第百三条第二項第一号に掲げるものであるときでも、破産債権者が前項の規定により相殺をすることを妨げない。破産債権者の負担する債務が期限付若しくは条件付であるとき、又は将来の請求権に関するものであるときも、同様とする。
破産債権者が前条の規定により相殺をする場合の破産債権の額は、第百三条第二項各号に掲げる債権の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額とする。
2前項の規定にかかわらず、破産債権者の有する債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、その破産債権者は、その債権の債権額から第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる部分の額を控除した額の限度においてのみ、相殺をすることができる。
解除条件付債権を有する者が相殺をするときは、その相殺によって消滅する債務の額について、破産財団のために、担保を供し、又は寄託をしなければならない。
停止条件付債権又は将来の請求権を有する者は、破産者に対する債務を弁済する場合には、後に相殺をするため、その債権額の限度において弁済額の寄託を請求することができる。敷金の返還請求権を有する者が破産者に対する賃料債務を弁済する場合も、同様とする。
破産債権者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。
2前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。
破産者に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。
2前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する破産債権の取得が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。
破産管財人は、裁判所が監督する。
2裁判所は、破産管財人が破産財団に属する財産の管理及び処分を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産管財人を解任することができる。この場合においては、その破産管財人を審尋しなければならない。
破産管財人が数人あるときは、共同してその職務を行う。ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。
2破産管財人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。
破産管財人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の破産管財人代理を選任することができる。
2前項の破産管財人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。
破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利は、裁判所が選任した破産管財人に専属する。
2破産管財人が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。
3前項の規定にかかわらず、同項第七号から第十四号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。
4裁判所は、第二項第三号の規定により営業又は事業の譲渡につき同項の許可をする場合には、労働組合等の意見を聴かなければならない。
5第二項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
6破産管財人は、第二項各号に掲げる行為をしようとするときは、遅滞を生ずるおそれのある場合又は第三項各号に掲げる場合を除き、破産者の意見を聴かなければならない。
破産管財人は、就職の後直ちに破産財団に属する財産の管理に着手しなければならない。
破産財団に関する訴えについては、破産管財人を原告又は被告とする。
裁判所は、破産管財人の職務の遂行のため必要があると認めるときは、信書の送達の事業を行う者に対し、破産者にあてた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(次条及び第百十八条第五項において「郵便物等」という。)を破産管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。
2裁判所は、破産者の申立てにより又は職権で、破産管財人の意見を聴いて、前項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。
3破産手続が終了したときは、裁判所は、第一項に規定する嘱託を取り消さなければならない。
4第一項又は第二項の規定による決定及び同項の申立てを却下する裁判に対しては、破産者又は破産管財人は、即時抗告をすることができる。
5第一項の規定による決定に対する前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
破産管財人は、破産者にあてた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。
2破産者は、破産管財人に対し、破産管財人が受け取った前項の郵便物等の閲覧又は当該郵便物等で破産財団に関しないものの交付を求めることができる。
破産管財人は、第四十条第一項各号に掲げる者及び同条第二項に規定する者に対して同条の規定による説明を求め、又は破産財団に関する帳簿、書類その他の物件を検査することができる。
2破産管財人は、その職務を行うため必要があるときは、破産者の子会社等(次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。)に対して、その業務及び財産の状況につき説明を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査することができる。
3破産者(株式会社以外のものに限る。以下この項において同じ。)の子会社等又は破産者及びその子会社等が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、前項の規定の適用については、当該他の株式会社を当該破産者の子会社等とみなす。
破産管財人は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、裁判所の許可を得て、警察上の援助を求めることができる。
破産管財人は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。
2破産管財人が前項の注意を怠ったときは、その破産管財人は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する義務を負う。
破産管財人は、破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権を有する者に対し、破産手続に参加するのに必要な情報を提供するよう努めなければならない。
破産管財人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。
2前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
3前二項の規定は、破産管財人代理について準用する。
破産管財人の任務が終了した場合には、破産管財人は、遅滞なく、計算の報告書を裁判所に提出しなければならない。
2前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、同項の計算の報告書は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人が提出しなければならない。
3第一項又は前項の場合には、第一項の破産管財人又は前項の後任の破産管財人は、破産管財人の任務終了による債権者集会への計算の報告を目的として第百三十五条第一項本文の申立てをしなければならない。
4破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第二項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の申立てにより招集される債権者集会の期日において、第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。
5前項の債権者集会の期日と第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出日との間には、三日以上の期間を置かなければならない。
6第四項の債権者集会の期日において同項の異議がなかった場合には、第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。
前条第一項又は第二項の場合には、同条第一項の破産管財人又は同条第二項の後任の破産管財人は、同条第三項の申立てに代えて、書面による計算の報告をする旨の申立てを裁判所にすることができる。
2裁判所は、前項の規定による申立てがあり、かつ、前条第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出があったときは、その提出があった旨及びその計算に異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告しなければならない。この場合においては、その期間は、一月を下ることができない。
3破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第一項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の期間内に前条第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。
4第二項の期間内に前項の異議がなかった場合には、前条第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。
破産管財人の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、破産管財人又はその承継人は、後任の破産管財人又は破産者が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。
2破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定が確定した場合には、破産管財人は、財団債権を弁済しなければならない。ただし、その存否又は額について争いのある財団債権については、その債権を有する者のために供託しなければならない。
裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産の管理及び処分が失当であるとき、その他債務者の財産の確保のために特に必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる。
2裁判所は、前項の規定による処分(以下「保全管理命令」という。)をする場合には、当該保全管理命令において、一人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。
3前二項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。
4裁判所は、保全管理命令を変更し、又は取り消すことができる。
5保全管理命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
6前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
裁判所は、保全管理命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。保全管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。
2保全管理命令、前条第四項の規定による決定及び同条第五項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
3第十条第四項の規定は、第一項の場合については、適用しない。
保全管理命令が発せられたときは、債務者の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)の管理及び処分をする権利は、保全管理人に専属する。ただし、保全管理人が債務者の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。
2前項ただし書の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
3第七十八条第二項から第六項までの規定は、保全管理人について準用する。
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