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破産法第百九十二条 | LexCard
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破産法平成十六年法律第七十五号

第百九十二条

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第六章 破産財団の管理

第百七十二条(保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い)

前条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分が命じられた場合において、破産手続開始の決定があったときは、破産管財人は、当該保全処分に係る手続を続行することができる。

2破産管財人が破産手続開始の決定後一月以内に前項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しないときは、当該保全処分は、その効力を失う。

3破産管財人は、第一項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しようとする場合において、前条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)に規定する担保の全部又は一部が破産財団に属する財産でないときは、その担保の全部又は一部を破産財団に属する財産による担保に変換しなければならない。

4民事保全法(平成元年法律第九十一号)第十八条並びに第二章第四節(第三十七条第五項から第七項までを除く。)及び第五節の規定は、第一項の規定により破産管財人が続行する手続に係る保全処分について準用する。

第百七十三条(否認権の行使)

否認権は、訴え、否認の請求又は抗弁によって、破産管財人が行使する。

2前項の訴え及び否認の請求事件は、破産裁判所が管轄する。

第百七十四条(否認の請求)

否認の請求をするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。

2否認の請求を認容し、又はこれを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。

3裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方又は転得者を審尋しなければならない。

4否認の請求を認容する決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

5否認の請求の手続は、破産手続が終了したときは、終了する。

第百七十五条(否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え)

否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。

2前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。

3第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、同項の決定を認可し、変更し、又は取り消す。

4第一項の決定を認可する判決が確定したときは、その決定は、確定判決と同一の効力を有する。同項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときも、同様とする。

5第一項の決定を認可し、又は変更する判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。

6第一項の訴えに係る訴訟手続は、破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、終了する。

第百七十六条(否認権行使の期間)

否認権は、破産手続開始の日から二年を経過したときは、行使することができない。否認しようとする行為の日から十年を経過したときも、同様とする。

第百七十七条(役員の財産に対する保全処分)

裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、当該法人の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者(以下この節において「役員」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該役員の財産に対する保全処分をすることができる。

2裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。

3裁判所は、前二項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。

4第一項若しくは第二項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

5前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

6第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

7第二項から前項までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。

第百七十八条(役員の責任の査定の申立て等)

裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、決定で、役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この節において「役員責任査定決定」という。)をすることができる。

2前項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。

3裁判所は、職権で役員責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。

4第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。

5役員責任査定決定の手続(役員責任査定決定があった後のものを除く。)は、破産手続が終了したときは、終了する。

第百七十九条(役員責任査定決定等)

役員責任査定決定及び前条第一項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。

2裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、役員を審尋しなければならない。

3役員責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

第百八十条(役員責任査定決定に対する異議の訴え)

役員責任査定決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。

2前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。

3第一項の訴えは、これを提起する者が、役員であるときは破産管財人を、破産管財人であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。

4第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。

5役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。

6役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。

第百八十一条(役員責任査定決定の効力)

前条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。

第百八十二条(社員の出資責任)

会社法第六百六十三条の規定は、法人である債務者につき破産手続開始の決定があった場合について準用する。この場合において、同条中「当該清算持分会社」とあるのは、「破産管財人」と読み替えるものとする。

第百八十三条(匿名組合員の出資責任)

匿名組合契約が営業者が破産手続開始の決定を受けたことによって終了したときは、破産管財人は、匿名組合員に、その負担すべき損失の額を限度として、出資をさせることができる。

第七章 破産財団の換価

第百八十四条(換価の方法)

第七十八条第二項第一号及び第二号に掲げる財産の換価は、これらの規定により任意売却をする場合を除き、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定によってする。

2破産管財人は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、別除権の目的である財産の換価をすることができる。この場合においては、別除権者は、その換価を拒むことができない。

3前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。

4第二項の場合において、別除権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、破産管財人は、代金を別に寄託しなければならない。この場合においては、別除権は、寄託された代金につき存する。

第百八十五条(別除権者が処分をすべき期間の指定)

別除権者が法律に定められた方法によらないで別除権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、破産管財人の申立てにより、別除権者がその処分をすべき期間を定めることができる。

2別除権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。

3第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

4第一項の申立てについての裁判及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

第百八十六条(担保権消滅の許可の申立て)

破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。)が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者の一般の利益に適合するときは、破産管財人は、裁判所に対し、当該財産を任意に売却し、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額に相当する金銭が裁判所に納付されることにより当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。ただし、当該担保権を有する者の利益を不当に害することとなると認められるときは、この限りでない。

一破産管財人が、売却によってその相手方から取得することができる金銭(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等(当該消費税額及びこれを課税標準として課されるべき地方消費税額をいう。以下この節において同じ。)に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「売得金」という。)の一部を破産財団に組み入れようとする場合売得金の額から破産財団に組み入れようとする金銭(以下この節において「組入金」という。)の額を控除した額
二前号に掲げる場合以外の場合売得金の額

2前項第一号に掲げる場合には、同項の申立てをしようとする破産管財人は、組入金の額について、あらかじめ、当該担保権を有する者と協議しなければならない。

3第一項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「申立書」という。)でしなければならない。

一担保権の目的である財産の表示
二売得金の額(前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額)
三第一号の財産の売却の相手方の氏名又は名称
四消滅すべき担保権の表示
五前号の担保権によって担保される債権の額
六第一項第一号に掲げる場合には、組入金の額(第一号の財産が複数あるときは、組入金の額及びその各財産ごとの内訳の額)
七前項の規定による協議の内容及びその経過

4申立書には、前項第一号の財産の売却に係る売買契約の内容(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものを含む。)を記載した書面を添付しなければならない。

5第一項の申立てがあった場合には、申立書及び前項の書面を、当該申立書に記載された第三項第四号の担保権を有する者(以下この節において「被申立担保権者」という。)に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

第百八十七条(担保権の実行の申立て)

被申立担保権者は、前条第一項の申立てにつき異議があるときは、同条第五項の規定によりすべての被申立担保権者に申立書及び同条第四項の書面の送達がされた日から一月以内に、担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を裁判所に提出することができる。

2裁判所は、被申立担保権者につきやむを得ない事由がある場合に限り、当該被申立担保権者の申立てにより、前項の期間を伸長することができる。

3破産管財人と被申立担保権者との間に売得金及び組入金の額(前条第一項第二号に掲げる場合にあっては、売得金の額)について合意がある場合には、当該被申立担保権者は、担保権の実行の申立てをすることができない。

4被申立担保権者は、第一項の期間(第二項の規定により伸長されたときは、その伸長された期間。以下この節において同じ。)が経過した後は、第百九十条第六項の規定により第百八十九条第一項の許可の決定が取り消され、又は同項の不許可の決定が確定した場合を除き、担保権の実行の申立てをすることができない。

5第一項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面が提出された後に、当該担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合には、当該書面は提出されなかったものとみなす。民事執行法第百八十八条において準用する同法第六十三条又は同法第百九十二条において準用する同法第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定により同項の担保権の実行の手続が取り消された場合も、同様とする。

6第百八十九条第一項の不許可の決定が確定した後に、第一項の担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合において、破産管財人が前条第一項の申立てをしたときは、当該担保権の実行の申立てをした被申立担保権者は、第一項の規定にかかわらず、同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出することができない。

第百八十八条(買受けの申出)

被申立担保権者は、第百八十六条第一項の申立てにつき異議があるときは、前条第一項の期間内に、破産管財人に対し、当該被申立担保権者又は他の者が第百八十六条第三項第一号の財産を買い受ける旨の申出(以下この節において「買受けの申出」という。)をすることができる。

2買受けの申出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。

一第百八十六条第三項第一号の財産を買い受けようとする者(以下この節において「買受希望者」という。)の氏名又は名称
二破産管財人が第百八十六条第三項第一号の財産の売却によって買受希望者から取得することができる金銭の額(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において買受希望者の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「買受けの申出の額」という。)
三第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額

3買受けの申出の額は、申立書に記載された第百八十六条第三項第二号の売得金の額にその二十分の一に相当する額を加えた額以上でなければならない。

4第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、第二項第三号の買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額は、当該各財産につき、同条第三項第二号の売得金の額の各財産ごとの内訳の額を下回ってはならない。

5買受希望者は、買受けの申出に際し、最高裁判所規則で定める額及び方法による保証を破産管財人に提供しなければならない。

6前条第三項の規定は、買受けの申出について準用する。

7買受けの申出をした者(その者以外の者が買受希望者である場合にあっては、当該買受希望者)は、前条第一項の期間内は、当該買受けの申出を撤回することができる。

8破産管財人は、買受けの申出があったときは、前条第一項の期間が経過した後、裁判所に対し、第百八十六条第三項第一号の財産を買受希望者に売却する旨の届出をしなければならない。この場合において、買受けの申出が複数あったときは、最高の買受けの申出の額に係る買受希望者(最高の買受けの申出の額に係る買受けの申出が複数あった場合にあっては、そのうち最も先にされたものに係る買受希望者)に売却する旨の届出をしなければならない。

9前項の場合においては、破産管財人は、前条第一項の期間内にされた買受けの申出に係る第二項の書面を裁判所に提出しなければならない。

10買受けの申出があったときは、破産管財人は、第百八十六条第一項の申立てを取り下げるには、買受希望者(次条第一項の許可の決定が確定した後にあっては、同条第二項に規定する買受人)の同意を得なければならない。

第百八十九条(担保権消滅の許可の決定等)

裁判所は、被申立担保権者が第百八十七条第一項の期間内に同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出したことにより不許可の決定をする場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を当該許可に係る売却の相手方とする第百八十六条第一項の許可の決定をしなければならない。

一前条第八項に規定する届出がされなかった場合第百八十六条第三項第三号の売却の相手方
二前条第八項に規定する届出がされた場合同項に規定する買受希望者

2前項第二号に掲げる場合において、同項の許可の決定が確定したときは、破産管財人と当該許可に係る同号に定める買受希望者(以下この節において「買受人」という。)との間で、第百八十六条第四項の書面に記載された内容と同一の内容(売却の相手方を除く。)の売買契約が締結されたものとみなす。この場合においては、買受けの申出の額を売買契約の売得金の額とみなす。

3第百八十六条第一項の申立てについての裁判があった場合には、その裁判が確定するまでの間、買受希望者(第一項第二号に定める買受希望者を除く。)は、当該買受希望者に係る買受けの申出を撤回することができる。

4第百八十六条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

5第百八十六条第一項の申立てについての裁判又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

第百九十条(金銭の納付等)

前条第一項の許可の決定が確定したときは、当該許可に係る売却の相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額に相当する金銭を裁判所の定める期限までに裁判所に納付しなければならない。

一前条第一項第一号に掲げる場合第百八十六条第一項各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額
二前条第一項第二号に掲げる場合同条第二項後段に規定する売得金の額から第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額を控除した額

2前項第二号の規定による金銭の納付があったときは、第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額に相当する金銭は、売得金に充てる。

3前項の場合には、破産管財人は、同項の保証の額に相当する金銭を直ちに裁判所に納付しなければならない。

4被申立担保権者の有する担保権は、第一項第一号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付があった時に、同項第二号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付及び前項の規定による金銭の納付があった時に、それぞれ消滅する。

5前項に規定する金銭の納付があったときは、裁判所書記官は、消滅した担保権に係る登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。

6第一項の規定による金銭の納付がなかったときは、裁判所は、前条第一項の許可の決定を取り消さなければならない。

7前項の場合には、買受人は、第二項の保証の返還を請求することができない。

第百九十一条(配当等の実施)

裁判所は、前条第四項に規定する金銭の納付があった場合には、次項に規定する場合を除き、当該金銭の被申立担保権者に対する配当に係る配当表に基づいて、その配当を実施しなければならない。

2被申立担保権者が一人である場合又は被申立担保権者が二人以上であって前条第四項に規定する金銭で各被申立担保権者の有する担保権によって担保される債権を弁済することができる場合には、裁判所は、当該金銭の交付計算書を作成して、被申立担保権者に弁済金を交付し、剰余金を破産管財人に交付する。

3民事執行法第八十五条から第八十六条まで及び第八十八条から第九十二条までの規定は第一項の配当の手続について、同法第八十八条、第九十一条及び第九十二条の規定は前項の規定による弁済金の交付の手続について準用する。

第百九十二条

破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき商法又は会社法の規定による留置権がある場合において、当該財産が第三十六条の規定により継続されている事業に必要なものであるとき、その他当該財産の回復が破産財団の価値の維持又は増加に資するときは、破産管財人は、留置権者に対して、当該留置権の消滅を請求することができる。

2前項の規定による請求をするには、同項の財産の価額に相当する金銭を、同項の留置権者に弁済しなければならない。

3第一項の規定による請求及び前項に規定する弁済をするには、裁判所の許可を得なければならない。

4前項の許可があった場合における第二項に規定する弁済の額が第一項の財産の価額を満たすときは、当該弁済の時又は同項の規定による請求の時のいずれか遅い時に、同項の留置権は消滅する。

5前項の規定により第一項の留置権が消滅したことを原因とする同項の財産の返還を求める訴訟においては、第二項に規定する弁済の額が当該財産の価額を満たさない場合においても、原告の申立てがあり、当該訴訟の受訴裁判所が相当と認めるときは、当該受訴裁判所は、相当の期間内に不足額を弁済することを条件として、第一項の留置権者に対して、当該財産を返還することを命ずることができる。

第八章 配当

第百九十三条(配当の方法等)

破産債権者は、この章の定めるところに従い、破産財団から、配当を受けることができる。

2破産債権者は、破産管財人がその職務を行う場所において配当を受けなければならない。ただし、破産管財人と破産債権者との合意により別段の定めをすることを妨げない。

3破産管財人は、配当をしたときは、その配当をした金額を破産債権者表に記載しなければならない。

第百九十四条(配当の順位等)

配当の順位は、破産債権間においては次に掲げる順位に、第一号の優先的破産債権間においては第九十八条第二項に規定する優先順位による。

一優先的破産債権
二前号、次号及び第四号に掲げるもの以外の破産債権
三劣後的破産債権
四約定劣後破産債権

2同一順位において配当をすべき破産債権については、それぞれその債権の額の割合に応じて、配当をする。

第百九十五条(最後配当)

破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了後においては、第二百十七条第一項に規定する場合を除き、遅滞なく、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この章及び次章において「最後配当」という。)をしなければならない。

2破産管財人は、最後配当をするには、裁判所書記官の許可を得なければならない。

3裁判所は、破産管財人の意見を聴いて、あらかじめ、最後配当をすべき時期を定めることができる。

第百九十六条(配当表)

破産管財人は、前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。

一最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名又は名称及び住所
二最後配当の手続に参加することができる債権の額
三最後配当をすることができる金額

2前項第二号に掲げる事項は、優先的破産債権、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権をそれぞれ他の破産債権と区分し、優先的破産債権については第九十八条第二項に規定する優先順位に従い、これを記載しなければならない。

3破産管財人は、別除権に係る根抵当権によって担保される破産債権については、当該破産債権を有する破産債権者が、破産管財人に対し、当該根抵当権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しない場合においても、これを配当表に記載しなければならない。この場合においては、前条第二項の規定による許可があった日における当該破産債権のうち極度額を超える部分の額を最後配当の手続に参加することができる債権の額とする。

4前項の規定は、第百八条第二項に規定する抵当権(根抵当権であるものに限る。)を有する者について準用する。

第百九十七条(配当の公告等)

破産管財人は、前条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる債権の総額及び最後配当をすることができる金額を公告し、又は届出をした破産債権者に通知しなければならない。

2前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。

3第一項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。

第百九十八条(破産債権の除斥等)

異議等のある破産債権(第百二十九条第一項に規定するものを除く。)について最後配当の手続に参加するには、当該異議等のある破産債権を有する破産債権者が、前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項の規定による届出があった日から起算して二週間以内に、破産管財人に対し、当該異議等のある破産債権の確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項の規定による受継があった訴訟手続が係属していることを証明しなければならない。

2停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権について最後配当の手続に参加するには、前項に規定する期間(以下この節及び第五節において「最後配当に関する除斥期間」という。)内にこれを行使することができるに至っていなければならない。

3別除権者は、最後配当の手続に参加するには、次項の場合を除き、最後配当に関する除斥期間内に、破産管財人に対し、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権の全部若しくは一部が破産手続開始後に担保されないこととなったことを証明し、又は当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しなければならない。

4第百九十六条第三項前段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された根抵当権によって担保される破産債権については、最後配当に関する除斥期間内に当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額の証明がされた場合を除き、同条第三項後段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された最後配当の手続に参加することができる債権の額を当該弁済を受けることができない債権の額とみなす。

5第三項の規定は、準別除権者について準用する。

第百九十九条(配当表の更正)

次に掲げる場合には、破産管財人は、直ちに、配当表を更正しなければならない。

一破産債権者表を更正すべき事由が最後配当に関する除斥期間内に生じたとき。
二前条第一項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。
三前条第三項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。

2前項第三号の規定は、準別除権者について準用する。

第二百条(配当表に対する異議)

届出をした破産債権者で配当表の記載に不服があるものは、最後配当に関する除斥期間が経過した後一週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。

2裁判所は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めるときは、破産管財人に対し、配当表の更正を命じなければならない。

3第一項の規定による異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。この場合においては、配当表の更正を命ずる決定に対する即時抗告の期間は、第十一条第一項の規定により利害関係人がその裁判書の閲覧を請求することができることとなった日から起算する。

4第一項の規定による異議の申立てを却下する裁判及び前項前段の即時抗告についての裁判(配当表の更正を命ずる決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

第二百一条(配当額の定め及び通知)

破産管財人は、前条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てに係る手続が終了した後)、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。

2破産管財人は、第七十条の規定により寄託した金額で第百九十八条第二項の規定に適合しなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかった破産債権者のために寄託したものの配当を、最後配当の一部として他の破産債権者に対してしなければならない。

3解除条件付債権である破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、第六十九条の規定により供した担保はその効力を失い、同条の規定により寄託した金額は当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。

4第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者又は第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の配当を受けるまでは、最後配当を受けることができない。

5第一項の規定により破産債権者に対する配当額を定めた場合において、第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者について、その定めた配当額が同号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たないときは、破産管財人は、当該破産債権者以外の他の破産債権者に対して当該配当額の最後配当をしなければならない。この場合においては、当該配当額について、当該他の破産債権者に対する配当額を定めなければならない。

6次項の規定による配当額の通知を発する前に、新たに最後配当に充てることができる財産があるに至ったときは、破産管財人は、遅滞なく、配当表を更正しなければならない。

7破産管財人は、第一項から前項までの規定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者(第五項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。

第二百二条(配当額の供託)

破産管財人は、次に掲げる配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。

一異議等のある破産債権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続、第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続又は同条第一項の規定による異議の主張に係る訴訟手続が係属しているものに対する配当額
二租税等の請求権又は罰金等の請求権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。)その他の不服の申立ての手続が終了していないものに対する配当額
三破産債権者が受け取らない配当額
第二百三条(破産管財人に知れていない財団債権者の取扱い)

第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。

第二百四条(簡易配当)

裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、次に掲げるときは、破産管財人の申立てにより、最後配当に代えてこの節の規定による配当(以下この章及び次章において「簡易配当」という。)をすることを許可することができる。

一配当をすることができる金額が千万円に満たないと認められるとき。
二裁判所が、第三十二条第一項の規定により同項第五号に掲げる事項を公告し、かつ、その旨を知れている破産債権者に対し同条第三項第一号の規定により通知した場合において、届出をした破産債権者が同条第一項第五号に規定する時までに異議を述べなかったとき。
三前二号に掲げるもののほか、相当と認められるとき。

2破産管財人は、前項の規定による許可があった場合には、次条において読み替えて準用する第百九十六条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、届出をした破産債権者に対する配当見込額を定めて、簡易配当の手続に参加することができる債権の総額、簡易配当をすることができる金額及び当該配当見込額を届出をした破産債権者に通知しなければならない。

3前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。

4第二項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。

第二百五条(準用)

簡易配当については、前節(第百九十五条、第百九十七条、第二百条第三項及び第四項並びに第二百一条第七項を除く。)の規定を準用する。この場合において、第百九十六条第一項及び第三項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百四条第一項の規定による許可」と、第百九十八条第一項中「前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項」とあるのは「第二百四条第四項」と、「二週間以内に」とあるのは「一週間以内に」と、第二百一条第一項中「当該異議の申立てに係る手続が終了した後」とあるのは「当該異議の申立てについての決定があった後」と、同条第六項中「次項の規定による配当額の通知を発する前に」とあるのは「前条第一項に規定する期間内に」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百条第一項に規定する期間を経過した時に」と読み替えるものとする。

第二百六条(簡易配当の許可の取消し)

破産管財人は、第二百四条第一項第三号の規定による許可があった場合において、同条第二項の規定による通知をするときは、同時に、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し同条第四項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べるべき旨をも通知しなければならない。この場合において、届出をした破産債権者が同項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べたときは、裁判所書記官は、当該許可を取り消さなければならない。

第二百七条(適用除外)

第二百四条第一項の規定による簡易配当の許可は、第二百九条第一項に規定する中間配当をした場合は、することができない。

第二百八条

裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、破産管財人の申立てがあったときは、最後配当に代えてこの条の規定による配当(以下この章及び次章において「同意配当」という。)をすることを許可することができる。この場合において、破産管財人の申立ては、届出をした破産債権者の全員が、破産管財人が定めた配当表、配当額並びに配当の時期及び方法について同意している場合に限り、することができる。

2前項の規定による許可があった場合には、破産管財人は、同項後段の配当表、配当額並びに配当の時期及び方法に従い、同項後段の届出をした破産債権者に対して同意配当をすることができる。

3同意配当については、第百九十六条第一項及び第二項並びに第二百三条の規定を準用する。この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく」とあるのは「あらかじめ」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百八条第一項の規定による許可があった時に」と読み替えるものとする。

第二百九条(中間配当)

破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了前において、配当をするのに適当な破産財団に属する金銭があると認めるときは、最後配当に先立って、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この節において「中間配当」という。)をすることができる。

2破産管財人は、中間配当をするには、裁判所の許可を得なければならない。

3中間配当については、第百九十六条第一項及び第二項、第百九十七条、第百九十八条第一項、第百九十九条第一項第一号及び第二号、第二百条、第二百一条第四項並びに第二百三条の規定を準用する。この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百九条第二項の規定による許可」と、第百九十九条第一項各号及び第二百条第一項中「最後配当に関する除斥期間」とあるのは「第二百十条第一項に規定する中間配当に関する除斥期間」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額」とあるのは「第二百十一条の規定による配当率」と読み替えるものとする。

第二百十条(別除権者の除斥等)

別除権者は、中間配当の手続に参加するには、前条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する期間(以下この節において「中間配当に関する除斥期間」という。)に、破産管財人に対し、当該別除権の目的である財産の処分に着手したことを証明し、かつ、当該処分によって弁済を受けることができない債権の額を疎明しなければならない。

2前項の規定は、準別除権者について準用する。

3破産管財人は、第一項(前項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき中間配当に関する除斥期間内に証明及び疎明があったときは、直ちに、配当表を更正しなければならない。

第二百十一条(配当率の定め及び通知)

破産管財人は、第二百九条第三項において準用する第二百条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てについての決定があった後)、遅滞なく、配当率を定めて、その配当率を中間配当の手続に参加することができる破産債権者に通知しなければならない。

第二百十二条(解除条件付債権の取扱い)

解除条件付債権である破産債権については、相当の担保を供しなければ、中間配当を受けることができない。

2前項の破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、同項の規定により供した担保は、その効力を失う。

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