アルコール事業法平成十二年法律第三十六号
この法律は、アルコールが広く工業用に使用され、国民生活及び産業活動に不可欠であり、かつ、酒類(酒税法(昭和二十八年法律第六号)第二条第一項に規定する酒類をいう。以下同じ。)と同一の特性を有していることにかんがみ、アルコールの酒類の原料への不正な使用の防止に配慮しつつ、アルコールの製造、輸入及び販売の事業の運営等を適正なものとすることにより、我が国のアルコール事業の健全な発展及びアルコールの安定的かつ円滑な供給の確保を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
この法律において「アルコール」とは、アルコール分(温度十五度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量をいう。第三十五条において同じ。)が九十度以上のアルコールをいう。
2この法律において「酒母」とは、酵母で含糖質物を発酵させることができるもの及び酵母を培養したもので含糖質物を発酵させることができるものであって、アルコールの製造の用に供することができるものをいう。
3この法律において「もろみ」とは、アルコールの原料となる物品に発酵させる手段を講じたもの(アルコールの製造の用に供することができるものに限る。)で蒸留する前のものをいう。
4この法律において「特定アルコール」とは、アルコールが酒類の原料に不正に使用されることを防止するために必要な額として経済産業省令で定めるところにより計算した額(以下「加算額」という。)を含む価格で次条第一項又は第十六条第一項の許可を受けた者が譲渡するアルコールをいう。
アルコールの製造(精製(アルコールの利用価値を高めるため蒸留その他の方法によりアルコールの不純物を除去することをいう。以下同じ。)を含む。第十五条を除き、以下同じ。)を業として行おうとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
2前項の許可を受けようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。
前条第一項の許可を受けた者(以下「製造事業者」という。)でなければ、アルコールを製造してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
次の各号のいずれかに該当する者は、第三条第一項の許可を受けることができない。
経済産業大臣は、第三条第一項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
製造事業者がその事業の全部を譲り渡し、又は製造事業者について相続、合併若しくは分割(その事業の全部を承継させるものに限る。)があったときは、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者。以下同じ。)、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人若しくは分割によりその事業の全部を承継した法人は、その製造事業者の地位を承継する。ただし、当該事業の全部を譲り受けた者又は当該相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人若しくは分割により当該事業の全部を承継した法人が第五条各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
2前項の規定により製造事業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
製造事業者は、第三条第二項第六号に掲げる事項を変更しようとするときは、経済産業大臣の許可を受けなければならない。ただし、経済産業省令で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。
2製造事業者は、第三条第二項第一号から第四号まで若しくは第八号に掲げる事項に変更があったとき又は前項ただし書の経済産業省令で定める軽微な変更をしたときは遅滞なく、同条第二項第五号又は第七号に掲げる事項を変更しようとするときはあらかじめ、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
3第六条の規定は、第一項の許可に準用する。
製造事業者は、経済産業省令で定めるところにより、帳簿を備え、その業務に関し経済産業省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
2製造事業者は、毎年、経済産業省令で定めるところにより、その業務に関し経済産業省令で定める事項を経済産業大臣に報告しなければならない。
3製造事業者は、前項に定めるもののほか、その業務に係るアルコール、酒母又はもろみを亡失し、又は盗み取られたときは、経済産業省令で定めるところにより、直ちに、その旨を経済産業大臣に報告し、その検査を受けなければならない。
経済産業大臣は、製造事業者の業務の運営に関しアルコールの適正な流通を確保するために改善が必要であると認めるときは、当該製造事業者に対し、その改善に必要な措置を命ずることができる。
経済産業大臣は、製造事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消し、又は六月以内の期間を定めてその事業の停止を命ずることができる。
製造事業者の相続人につき第七条第一項ただし書の規定の適用がある場合、第十一条第二項の規定により製造事業者の許可が効力を失った場合又は前条の規定により製造事業者の許可が取り消された場合において、当該製造場又は貯蔵所にその業務に係る半製品又はアルコールが現存するときは、経済産業大臣は、当該相続人、当該効力を失った許可を受けていた者又は当該取り消された許可を受けていた者の申請により、期間を指定し、そのアルコールの製造又は譲渡を継続させることができる。
2前項の場合においては、同項の規定により経済産業大臣が指定した期間は、同項に規定する者を製造事業者とみなして、この法律の規定を適用する。
経済産業大臣は、製造事業者に関する第三条第二項第一号、第二号及び第五号に掲げる事項その他経済産業省令で定める事項を記載した製造事業者名簿を備えなければならない。
2経済産業大臣は、製造事業者名簿を一般の閲覧に供しなければならない。
製造事業者は、アルコールの製造に係る酒母又はもろみを譲渡し、アルコールの製造以外の用途に使用し、又は経済産業大臣の承認を受けないで製造場から移出してはならない。
アルコールの輸入を業として行おうとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
2前項の許可を受けようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。
前条第一項の許可を受けた者(以下「輸入事業者」という。)でなければ、アルコールを輸入してはならない。ただし、試験、研究又は分析のために使用する目的でアルコールを輸入しようとする場合において、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
経済産業大臣は、第十六条第一項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
輸入事業者の相続人につき次条において準用する第七条第一項ただし書の規定の適用がある場合、次条において準用する第十一条第二項の規定により輸入事業者の許可が効力を失った場合又は次条において準用する第十二条の規定により輸入事業者の許可が取り消された場合において、当該貯蔵所にその業務に係るアルコールが現存するときは、経済産業大臣は、当該相続人、当該効力を失った許可を受けていた者又は当該取り消された許可を受けていた者の申請により、期間を指定し、そのアルコールの譲渡を継続させることができる。
2前項の場合においては、同項の規定により経済産業大臣が指定した期間は、同項に規定する者を輸入事業者とみなして、この法律の規定を適用する。
第五条の規定は第十六条第一項の許可に、第七条から第十二条まで及び第十四条の規定は輸入事業者に準用する。この場合において、第七条第一項中「第五条各号」とあるのは「第二十条において準用する第五条各号」と、第八条第一項中「第三条第二項第六号」とあるのは「第十六条第二項第六号」と、同条第二項中「第三条第二項第一号から第四号まで若しくは第八号」とあるのは「第十六条第二項第一号から第四号まで若しくは第八号」と、同条第三項中「第六条」とあるのは「第十八条」と、第九条第三項中「アルコール、酒母又はもろみ」とあるのは「アルコール」と、第十二条第二号中「第五条第一号又は第四号から第六号まで」とあるのは「第二十条において準用する第五条第一号又は第四号から第六号まで」と、同条第四号中「第三条第一項」とあるのは「第十六条第一項」と、同号及び同条第五号中「第八条第一項」とあるのは「第二十条において準用する第八条第一項」と、第十四条中「製造事業者名簿」とあるのは「輸入事業者名簿」と、同条第一項中「第三条第二項第一号、第二号及び第五号」とあるのは「第十六条第二項第一号、第二号及び第五号」と読み替えるものとする。
アルコール(特定アルコールを除く。以下この条及び次条において同じ。)の販売を業として行おうとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。ただし、製造事業者又は輸入事業者が、その製造し、又は輸入したアルコールを販売する場合は、この限りでない。
2前項の許可を受けようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。
前条第一項の許可を受けた者(以下「販売事業者」という。)、製造事業者又は輸入事業者でなければ、アルコールを譲渡してはならない。ただし、許可使用者が経済産業大臣の承認を受けて、アルコールを譲渡する場合は、この限りでない。
2販売事業者は、製造事業者等(製造事業者、販売事業者、許可使用者及び第四条第三号の規定により経済産業大臣の承認を受けた者をいう。以下同じ。)以外の者にアルコールを譲渡してはならない。ただし、輸出する場合は、この限りでない。
3製造事業者は、その製造したアルコールを製造事業者等以外の者に譲渡してはならない。ただし、輸出する場合は、この限りでない。
4輸入事業者は、その輸入したアルコールを製造事業者等以外の者に譲渡してはならない。ただし、輸出する場合は、この限りでない。
経済産業大臣は、第二十一条第一項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
販売事業者の相続人につき次条において準用する第七条第一項ただし書の規定の適用がある場合、次条において準用する第十一条第二項の規定により販売事業者の許可が効力を失った場合又は次条において準用する第十二条の規定により販売事業者の許可が取り消された場合において、当該貯蔵所にその業務に係るアルコールが現存するときは、経済産業大臣は、当該相続人、当該効力を失った許可を受けていた者又は当該取り消された許可を受けていた者の申請により、期間を指定し、そのアルコールの譲渡を継続させることができる。
2前項の場合においては、同項の規定により経済産業大臣が指定した期間は、同項に規定する者を販売事業者とみなして、この法律の規定を適用する。
第五条の規定は第二十一条第一項の許可に、第七条から第十二条まで及び第十四条の規定は販売事業者に準用する。この場合において、第七条第一項中「第五条各号」とあるのは「第二十五条において準用する第五条各号」と、第八条第一項中「第三条第二項第六号」とあるのは「第二十一条第二項第六号」と、同条第二項中「第三条第二項第一号から第四号まで若しくは第八号」とあるのは「第二十一条第二項第一号から第四号まで若しくは第八号」と、同条第三項中「第六条」とあるのは「第二十三条」と、第九条第三項中「アルコール、酒母又はもろみ」とあるのは「アルコール」と、第十二条第二号中「第五条第一号又は第四号から第六号まで」とあるのは「第二十五条において準用する第五条第一号又は第四号から第六号まで」と、同条第四号中「第三条第一項」とあるのは「第二十一条第一項」と、同号及び同条第五号中「第八条第一項」とあるのは「第二十五条において準用する第八条第一項」と、第十四条中「製造事業者名簿」とあるのは「販売事業者名簿」と、同条第一項中「第三条第二項第一号、第二号及び第五号」とあるのは「第二十一条第二項第一号、第二号及び第五号」と読み替えるものとする。
アルコール(特定アルコールを除く。以下この条及び次条において同じ。)を工業用に使用しようとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
2前項の許可を受けようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。
許可使用者でなければ、アルコールを使用してはならない。ただし、第十七条ただし書の規定により経済産業大臣の承認を受けて輸入したアルコールを試験、研究又は分析のために使用するときは、この限りでない。
2許可使用者は、当該許可に係る用途にアルコールを使用し、かつ当該許可に係る使用方法によりアルコールを使用しなければならない。
経済産業大臣は、第二十六条第一項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
許可使用者の相続人につき次条において準用する第七条第一項ただし書の規定の適用がある場合、次条において準用する第十一条第二項の規定により許可使用者の許可が効力を失った場合又は次条において準用する第十二条の規定により許可使用者の許可が取り消された場合において、当該使用施設又は貯蔵設備にアルコールが現存するときは、経済産業大臣は、当該相続人、当該効力を失った許可を受けていた者又は当該取り消された許可を受けていた者の申請により、期間を指定し、そのアルコールの使用を継続させることができる。
2前項の場合においては、同項の規定により経済産業大臣が指定した期間は、同項に規定する者を許可使用者とみなして、この法律の規定を適用する。
第五条の規定は第二十六条第一項の許可に、第七条から第十二条まで及び第十四条の規定は許可使用者に準用する。この場合において、第七条第一項中「第五条各号」とあるのは「第三十条において準用する第五条各号」と、第八条第一項中「第三条第二項第六号」とあるのは「第二十六条第二項第六号」と、同条第二項中「第三条第二項第一号から第四号まで若しくは第八号」とあるのは「第二十六条第二項第一号から第四号まで若しくは第八号」と、同条第三項中「第六条」とあるのは「第二十八条」と、第九条第三項中「アルコール、酒母又はもろみ」とあるのは「アルコール」と、第十一条及び第十二条中「事業」とあるのは「使用」と、同条第二号中「第五条第一号又は第四号から第六号まで」とあるのは「第三十条において準用する第五条第一号又は第四号から第六号まで」と、同条第四号中「第三条第一項」とあるのは「第二十六条第一項」と、同号及び同条第五号中「第八条第一項」とあるのは「第三十条において準用する第八条第一項」と、第十四条中「製造事業者名簿」とあるのは「許可使用者名簿」と、同条第一項中「第三条第二項第一号、第二号及び第五号」とあるのは「第二十六条第二項第一号、第二号及び第五号」と読み替えるものとする。
製造事業者又は輸入事業者は、特定アルコールとしてアルコールを譲渡したときは、当該譲渡した特定アルコールの数量に当該特定アルコールに係る加算額を乗じて得た額を国庫に納付しなければならない。
2前項の規定による納付金の納付の手続については、政令で定める。
経済産業大臣は、前条第一項の規定による納付金の納付の義務の履行を確保するため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、製造事業者又は輸入事業者に対し、金額及び期間を指定し、納付金につき担保の提供を命ずることができる。
2経済産業大臣は、必要があると認めるときは、前項の金額又は期間を変更することができる。
3経済産業大臣は、第一項の規定により担保の提供を命じた場合において、必要があると認めるときは、製造事業者又は輸入事業者が担保を提供するまで、当該製造事業者又は当該輸入事業者が保有するアルコールの処分又は譲渡を禁止することができる。
製造事業者、輸入事業者、販売事業者及び許可使用者は、許可使用者がその使用の過程において薄める場合その他経済産業省令で定める場合のほか、アルコール(特定アルコールを除く。)を薄めてアルコール分を九十度未満にしてはならない。
経済産業大臣は、次の各号に掲げる者に対し、それぞれ当該各号に掲げるアルコールの数量にそのアルコールに係る加算額を乗じて得た額に相当する額の納付金を国庫に納付することを命じなければならない。
2前項の規定による命令を受けた者は、同項に規定する納付金を国庫に納付しなければならない。
3第四十七条第二項の規定により没収されたアルコールには、第一項に規定する納付金を課さない。
経済産業大臣は、第三十一条第一項の規定による納付金又は前条第一項に規定する納付金を納期限までに納付しない者があるときは、督促状によって納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
2経済産業大臣は、前項の規定による督促をしたときは、同項の納付金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納期限の翌日からその納付の日までの日数により計算した延滞金を徴収することができる。
3前項の場合において、納付金の額の一部につき納付があったときは、その納付の日以降の期間に係る延滞金の額の計算の基礎となる納付金の額は、その納付のあった納付金の額を控除した額とする。
4第一項の規定による督促を受けた者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しない場合においては、経済産業大臣は、国税滞納処分の例により、第一項及び第二項に規定する納付金及び延滞金を徴収することができる。この場合における納付金及び延滞金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
5延滞金は、納付金に先立つものとする。
この後に47条あります。条文一覧へ
ログインすると解説の投稿や改正案の編集ができます