民事訴訟法平成八年法律第百九号
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当事者は、裁判所に対し、法定審理期間訴訟手続による審理及び裁判を求める旨の申出をすることができる。ただし、次に掲げる訴えに関しては、この限りでない。
2当事者の双方が前項の申出をした場合には、裁判所は、事案の性質、訴訟追行による当事者の負担の程度その他の事情に鑑み、法定審理期間訴訟手続により審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を害し、又は適正な審理の実現を妨げると認めるときを除き、訴訟を法定審理期間訴訟手続により審理及び裁判をする旨の決定をしなければならない。当事者の一方が同項の申出をした場合において、相手方がその法定審理期間訴訟手続による審理及び裁判をすることに同意したときも、同様とする。
3第一項の申出及び前項後段の同意は、書面でしなければならない。ただし、口頭弁論又は弁論準備手続の期日においては、口頭ですることを妨げない。
4訴訟が法定審理期間訴訟手続に移行したときは、通常の手続のために既に指定した期日は、法定審理期間訴訟手続のために指定したものとみなす。
前条第二項の決定があったときは、裁判長は、当該決定の日から二週間以内の間において口頭弁論又は弁論準備手続の期日を指定しなければならない。
2裁判長は、前項の期日において、当該期日から六月以内の間において当該事件に係る口頭弁論を終結する期日を指定するとともに、口頭弁論を終結する日から一月以内の間において判決言渡しをする期日を指定しなければならない。
3前条第二項の決定があったときは、当事者は、第一項の期日から五月(裁判所が当事者双方の意見を聴いて、これより短い期間を定めた場合には、その期間)以内に、攻撃又は防御の方法を提出しなければならない。
4裁判所は、前項の期間が満了するまでに、当事者双方との間で、争点及び証拠の整理の結果に基づいて、法定審理期間訴訟手続の判決において判断すべき事項を確認するものとする。
5法定審理期間訴訟手続における証拠調べは、第一項の期日から六月(裁判所が当事者双方の意見を聴いて、これより短い期間を定めた場合には、その期間)以内にしなければならない。
6法定審理期間訴訟手続における期日の変更は、第九十三条第三項の規定にかかわらず、やむを得ない事由がある場合でなければ、許すことができない。
次に掲げる場合には、裁判所は、訴訟を通常の手続により審理及び裁判をする旨の決定をしなければならない。
2前項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
3訴訟が通常の手続に移行したときは、法定審理期間訴訟手続のため既に指定した期日は、通常の手続のために指定したものとみなす。
法定審理期間訴訟手続の電子判決書には、事実として、請求の趣旨及び原因並びにその他の攻撃又は防御の方法の要旨を記録するものとし、理由として、第三百八十一条の三第四項の規定により当事者双方との間で確認した事項に係る判断の内容を記録するものとする。
法定審理期間訴訟手続の終局判決に対しては、控訴をすることができない。ただし、訴えを却下した判決に対しては、この限りでない。
法定審理期間訴訟手続の終局判決に対しては、訴えを却下した判決を除き、電子判決書の送達を受けた日から二週間の不変期間内に、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができる。ただし、その期間前に申し立てた異議の効力を妨げない。
2第三百五十八条から第三百六十条まで及び第三百六十四条の規定は、前項の異議について準用する。
適法な異議があったときは、訴訟は、口頭弁論の終結前の程度に復する。この場合においては、通常の手続によりその審理及び裁判をする。
2前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。
3裁判所は、異議後の判決があるまで、法定審理期間訴訟手続の終局判決の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。
4第三百六十二条及び第三百六十三条の規定は、第一項の審理及び裁判について準用する。
金銭その他の代替物又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求については、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促を発することができる。ただし、日本において公示送達によらないでこれを送達することができる場合に限る。
支払督促の申立ては、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対してする。
2次の各号に掲げる請求についての支払督促の申立ては、それぞれ当該各号に定める地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対してもすることができる。
支払督促の申立てには、その性質に反しない限り、訴えに関する規定を準用する。
支払督促の申立てが第三百八十二条若しくは第三百八十三条の規定に違反するとき、又は申立ての趣旨から請求に理由がないことが明らかなときは、その申立てを却下しなければならない。請求の一部につき支払督促を発することができない場合におけるその一部についても、同様とする。
2前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。
3前項の処分に対する異議の申立ては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内にしなければならない。
4前項の異議の申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
裁判所書記官は、支払督促を発するときは、最高裁判所規則で定めるところにより、電子支払督促(次に掲げる事項を記録し、かつ、債務者がその送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときは債権者の申立てにより仮執行の宣言をする旨を併せて記録した電磁的記録をいう。以下この章において同じ。)を作成しなければならない。
2裁判所書記官は、前項の規定により電子支払督促を作成したときは、最高裁判所規則で定めるところにより、これをファイルに記録しなければならない。
電子支払督促(前条第二項の規定によりファイルに記録されたものに限る。以下この章において同じ。)は、債務者に送達しなければならない。
2支払督促の効力は、債務者に送達された時に生ずる。
3債権者が申し出た場所に債務者の住所、居所、営業所若しくは事務所又は就業場所がないため、電子支払督促を送達することができないときは、裁判所書記官は、その旨を債権者に通知しなければならない。この場合において、債権者が通知を受けた日から二月の不変期間内にその申出に係る場所以外の送達をすべき場所の申出をしないときは、支払督促の申立てを取り下げたものとみなす。
第七十四条第一項及び第二項の規定は、支払督促について準用する。
2仮執行の宣言後に適法な督促異議の申立てがあったときは、前項において準用する第七十四条第一項の規定による更正の処分に対する異議の申立ては、することができない。
仮執行の宣言前に適法な督促異議の申立てがあったときは、支払督促は、その督促異議の限度で効力を失う。
債務者が電子支払督促の送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときは、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、電子支払督促に手続の費用額を併せて記録して仮執行の宣言をしなければならない。ただし、その宣言前に督促異議の申立てがあったときは、この限りでない。
2仮執行の宣言は、最高裁判所規則で定めるところにより、電子支払督促に記録し、これを当事者に送達しなければならない。ただし、債権者の同意があるときは、当該債権者に対しては、当該記録をした電子支払督促に記録された事項を出力することにより作成した書面を送付することをもって、送達に代えることができる。
3第三百八十五条第二項及び第三項の規定は、第一項の申立てを却下する処分及びこれに対する異議の申立てについて準用する。
4前項の異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
5第二百六十条及び第三百八十八条第二項の規定は、第一項の仮執行の宣言について準用する。
債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から三十日以内にその申立てをしないときは、支払督促は、その効力を失う。
仮執行の宣言を付した電子支払督促の送達を受けた日から二週間の不変期間を経過したときは、債務者は、その支払督促に対し、督促異議の申立てをすることができない。
簡易裁判所は、督促異議を不適法であると認めるときは、督促異議に係る請求が地方裁判所の管轄に属する場合においても、決定で、その督促異議を却下しなければならない。
2前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、支払督促の申立ての時に、支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。この場合においては、督促手続の費用は、訴訟費用の一部とする。
仮執行の宣言を付した支払督促に対し督促異議の申立てがないとき、又は督促異議の申立てを却下する決定が確定したときは、支払督促は、確定判決と同一の効力を有する。
この章の規定による督促手続を取り扱う裁判所として最高裁判所規則で定める簡易裁判所(次条第一項及び第三百九十九条において「指定簡易裁判所」という。)の裁判所書記官に対しては、第三百八十三条の規定による場合のほか、同条に規定する簡易裁判所が別に最高裁判所規則で定める簡易裁判所である場合にも、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用する方法により支払督促の申立てをすることができる。
指定簡易裁判所の裁判所書記官に対してされた支払督促の申立てに係る督促手続における支払督促に対し適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、当該支払督促の申立ての時に、第三百八十三条に規定する簡易裁判所で支払督促を発した裁判所書記官の所属するもの若しくは前条の別に最高裁判所規則で定める簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。
2前項の場合において、同項に規定する簡易裁判所又は地方裁判所が二以上あるときは、督促異議に係る請求については、これらの裁判所中に第三百八十三条第一項に規定する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所がある場合にはその裁判所に、その裁判所がない場合には同条第二項第一号に定める地を管轄する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。
3前項の規定にかかわらず、債権者が、最高裁判所規則で定めるところにより、第一項に規定する簡易裁判所又は地方裁判所のうち、一の簡易裁判所又は地方裁判所を指定したときは、その裁判所に訴えの提起があったものとみなす。
第百九条の三の規定にかかわらず、送達を受けるべき債権者の同意があるときは、指定簡易裁判所の裁判所書記官に対してされた支払督促の申立てに係る督促手続に関する第百九条の二第一項の規定による送達は、同項の通知が当該債権者に対して発せられた時に、その効力を生ずる。
次に掲げる場合には、裁判所は、申立てにより、決定で、担保を立てさせて、若しくは立てさせないで強制執行の一時の停止を命じ、又はこれとともに、担保を立てて強制執行の開始若しくは続行をすべき旨を命じ、若しくは担保を立てさせて既にした執行処分の取消しを命ずることができる。ただし、強制執行の開始又は続行をすべき旨の命令は、第三号から第六号までに掲げる場合に限り、することができる。
2前項に規定する申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
第三百二十七条第一項の上告の提起、仮執行の宣言を付した判決に対する上告の提起若しくは上告受理の申立て又は仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起があった場合において、訴訟記録が原裁判所に存するときは、その裁判所が、前条第一項に規定する申立てについての裁判をする。
2前項の規定は、仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立てがあった場合について準用する。
この編の規定により担保を立てる場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。
2第七十六条、第七十七条、第七十九条及び第八十条の規定は、前項の担保について準用する。
この法律(以下「新法」という。)は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第二十七条の規定は、公布の日から施行する。
新法の規定(罰則を除く。)は、この附則に特別の定めがある場合を除き、新法の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、前条の規定による改正前の民事訴訟法(以下「旧法」という。)の規定により生じた効力を妨げない。
新法の施行の際現に係属している訴訟の管轄及び移送に関しては、管轄裁判所を定める合意及び送達に関する事項並びに附則第二十一条に定める事項を除き、なお従前の例による。
2新法の施行前にした管轄裁判所を定める合意に関しては、新法第十六条第二項ただし書、第二十条、第百四十五条第一項ただし書(新法において準用する場合を含む。)、第百四十六条第一項ただし書(新法において準用する場合を含む。)及び第二百九十九条ただし書の規定にかかわらず、なお従前の例による。
新法の施行前にした申立てに係る訴訟費用又は和解の費用の負担の額を定める手続に関しては、新法第七十一条から第七十三条までの規定にかかわらず、なお従前の例による。
2新法の施行前に当事者が供託した金銭又は有価証券についての相手方の権利については、新法第七十七条(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
新法第九十四条第二項ただし書の規定は、新法の施行前に旧法第百五十四条第一項に定める方法以外の相当と認める方法による期日の呼出しをした場合には、適用しない。
新法の施行前に裁判所書記官が書類の送達のために郵便を差し出し、又は執行官にその送達の事務を取り扱わせることとした場合には、当該送達については、なお従前の例による。
2新法第百四条第三項の規定は、新法の施行後最初にする送達については、適用しない。
3新法の施行前にした申立てに係る公示送達については、新法第百十条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
4新法第百十三条の規定は、新法の施行前に掲示を始めた公示送達については、適用しない。
新法第百十七条の規定は、新法の施行前に第一審裁判所における口頭弁論が終結した事件については、適用しない。
新法第百四十一条の規定は、新法の施行前に期日の呼出しに必要な費用の予納を命じた場合には、適用しない。
2新法第百四十六条第一項ただし書(新法において準用する場合を含む。)の規定は、管轄裁判所を定める合意に関する事項を除き、新法の施行前に提起された本訴に係る反訴の提起については、適用しない。
新法第百五十二条第二項(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に口頭弁論の併合が命じられた事件については、適用しない。
新法の施行の際現に係属している訴訟における攻撃又は防御の方法の提出時期については、新法第百五十六条(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
新法の施行前に提出された準備書面に記載した事実についての相手方が在廷していない口頭弁論における主張については、新法第百六十一条第三項(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
新法の施行前に付された準備手続に関しては、期日の呼出し及び送達に関する事項を除き、なお従前の例による。
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