民事執行法昭和五十四年法律第四号
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強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合(その開始決定前に強制競売又は競売の開始決定がある場合を除く。)においては、裁判所書記官は、物件明細書の作成までの手続に要する期間を考慮して、配当要求の終期を定めなければならない。
2裁判所書記官は、配当要求の終期を定めたときは、開始決定がされた旨及び配当要求の終期を公告し、かつ、次に掲げるものに対し、債権(利息その他の附帯の債権を含む。)の存否並びにその原因及び額を配当要求の終期までに執行裁判所に届け出るべき旨を催告しなければならない。
3裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、配当要求の終期を延期することができる。
4裁判所書記官は、前項の規定により配当要求の終期を延期したときは、延期後の終期を公告しなければならない。
5第一項又は第三項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
6第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
前条第二項の規定による催告を受けた同項第一号又は第二号に掲げる者は、配当要求の終期までに、その催告に係る事項について届出をしなければならない。
2前項の届出をした者は、その届出に係る債権の元本の額に変更があつたときは、その旨の届出をしなければならない。
3前二項の規定により届出をすべき者は、故意又は過失により、その届出をしなかつたとき、又は不実の届出をしたときは、これによつて生じた損害を賠償する責めに任ずる。
第二十五条の規定により強制執行を実施することができる債務名義の正本(以下「執行力のある債務名義の正本」という。)を有する債権者、強制競売の開始決定に係る差押えの登記後に登記された仮差押債権者及び第百八十一条第一項各号に掲げる文書により一般の先取特権を有することを証明した債権者は、配当要求をすることができる。
2配当要求を却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
配当要求の終期から、三月以内に売却許可決定がされないとき、又は三月以内にされた売却許可決定が取り消され、若しくは効力を失つたときは、配当要求の終期は、その終期から三月を経過した日に変更されたものとみなす。ただし、配当要求の終期から三月以内にされた売却許可決定が効力を失つた場合において、第六十七条の規定による次順位買受けの申出について売却許可決定がされたとき(その決定が取り消され、又は効力を失つたときを除く。)は、この限りでない。
不動産の滅失その他売却による不動産の移転を妨げる事情が明らかとなつたときは、執行裁判所は、強制競売の手続を取り消さなければならない。
強制競売の申立てが取り下げられたとき、又は強制競売の手続を取り消す決定が効力を生じたときは、裁判所書記官は、その開始決定に係る差押えの登記の抹まつ消を嘱託しなければならない。
2前項の規定による嘱託に要する登録免許税その他の費用は、その取下げ又は取消決定に係る差押債権者の負担とする。
執行裁判所は、債務者又は不動産の占有者が価格減少行為(不動産の価格を減少させ、又は減少させるおそれがある行為をいう。以下この項において同じ。)をするときは、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)の申立てにより、買受人が代金を納付するまでの間、次に掲げる保全処分又は公示保全処分(執行官に、当該保全処分の内容を、不動産の所在する場所に公示書その他の標識を掲示する方法により公示させることを内容とする保全処分をいう。以下同じ。)を命ずることができる。ただし、当該価格減少行為による不動産の価格の減少又はそのおそれの程度が軽微であるときは、この限りでない。
2前項第二号又は第三号に掲げる保全処分は、次に掲げる場合のいずれかに該当するときでなければ、命ずることができない。
3執行裁判所は、債務者以外の占有者に対し第一項の規定による決定をする場合において、必要があると認めるときは、その者を審尋しなければならない。
4執行裁判所が第一項の規定による決定をするときは、申立人に担保を立てさせることができる。ただし、同項第二号に掲げる保全処分については、申立人に担保を立てさせなければ、同項の規定による決定をしてはならない。
5事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、第一項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。
6第一項又は前項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
7第五項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。
8第一項第二号又は第三号に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずる決定は、申立人に告知された日から二週間を経過したときは、執行してはならない。
9前項に規定する決定は、相手方に送達される前であつても、執行することができる。
10第一項の申立て又は同項(第一号を除く。)の規定による決定の執行に要した費用(不動産の保管のために要した費用を含む。)は、その不動産に対する強制競売の手続においては、共益費用とする。
前条第一項第二号又は第三号に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずる決定については、当該決定の執行前に相手方を特定することを困難とする特別の事情があるときは、執行裁判所は、相手方を特定しないで、これを発することができる。
2前項の規定による決定の執行は、不動産の占有を解く際にその占有者を特定することができない場合は、することができない。
3第一項の規定による決定の執行がされたときは、当該執行によつて不動産の占有を解かれた者が、当該決定の相手方となる。
4第一項の規定による決定は、前条第八項の期間内にその執行がされなかつたときは、相手方に対して送達することを要しない。この場合において、第十五条第二項において準用する民事訴訟法第七十九条第一項の規定による担保の取消しの決定で前条第四項の規定により立てさせた担保に係るものは、執行裁判所が相当と認める方法で申立人に告知することによつて、その効力を生ずる。
建物に対し強制競売の開始決定がされた場合において、その建物の所有を目的とする地上権又は賃借権について債務者が地代又は借賃を支払わないときは、執行裁判所は、申立てにより、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)がその不払の地代又は借賃を債務者に代わつて弁済することを許可することができる。
2第五十五条第十項の規定は、前項の申立てに要した費用及び同項の許可を得て支払つた地代又は借賃について準用する。
執行裁判所は、執行官に対し、不動産の形状、占有関係その他の現況について調査を命じなければならない。
2執行官は、前項の調査をするに際し、不動産に立ち入り、又は債務者若しくはその不動産を占有する第三者に対し、質問をし、若しくは文書の提示を求めることができる。
3執行官は、前項の規定により不動産に立ち入る場合において、必要があるときは、閉鎖した戸を開くため必要な処分をすることができる。
4執行官は、第一項の調査のため必要がある場合には、市町村(特別区の存する区域にあつては、都)に対し、不動産(不動産が土地である場合にはその上にある建物を、不動産が建物である場合にはその敷地を含む。)に対して課される固定資産税に関して保有する図面その他の資料の写しの交付を請求することができる。
5執行官は、前項に規定する場合には、電気、ガス又は水道水の供給その他これらに類する継続的給付を行う公益事業を営む法人に対し、必要な事項の報告を求めることができる。
執行裁判所は、評価人を選任し、不動産の評価を命じなければならない。
2評価人は、近傍同種の不動産の取引価格、不動産から生ずべき収益、不動産の原価その他の不動産の価格形成上の事情を適切に勘案して、遅滞なく、評価をしなければならない。この場合において、評価人は、強制競売の手続において不動産の売却を実施するための評価であることを考慮しなければならない。
3評価人は、第六条第二項の規定により執行官に対し援助を求めるには、執行裁判所の許可を受けなければならない。
4第十八条第二項並びに前条第二項、第四項及び第五項の規定は、評価人が評価をする場合について準用する。
不動産の上に存する先取特権、使用及び収益をしない旨の定めのある質権並びに抵当権は、売却により消滅する。
2前項の規定により消滅する権利を有する者、差押債権者又は仮差押債権者に対抗することができない不動産に係る権利の取得は、売却によりその効力を失う。
3不動産に係る差押え、仮差押えの執行及び第一項の規定により消滅する権利を有する者、差押債権者又は仮差押債権者に対抗することができない仮処分の執行は、売却によりその効力を失う。
4不動産の上に存する留置権並びに使用及び収益をしない旨の定めのない質権で第二項の規定の適用がないものについては、買受人は、これらによつて担保される債権を弁済する責めに任ずる。
5利害関係を有する者が次条第一項に規定する売却基準価額が定められる時までに第一項、第二項又は前項の規定と異なる合意をした旨の届出をしたときは、売却による不動産の上の権利の変動は、その合意に従う。
執行裁判所は、評価人の評価に基づいて、不動産の売却の額の基準となるべき価額(以下「売却基準価額」という。)を定めなければならない。
2執行裁判所は、必要があると認めるときは、売却基準価額を変更することができる。
3買受けの申出の額は、売却基準価額からその十分の二に相当する額を控除した価額(以下「買受可能価額」という。)以上でなければならない。
執行裁判所は、相互の利用上不動産を他の不動産(差押債権者又は債務者を異にするものを含む。)と一括して同一の買受人に買い受けさせることが相当であると認めるときは、これらの不動産を一括して売却することを定めることができる。ただし、一個の申立てにより強制競売の開始決定がされた数個の不動産のうち、あるものの買受可能価額で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる見込みがある場合には、債務者の同意があるときに限る。
裁判所書記官は、次に掲げる事項を記載した物件明細書を作成しなければならない。
2裁判所書記官は、前項の物件明細書の写しを執行裁判所に備え置いて一般の閲覧に供し、又は不特定多数の者が当該物件明細書の内容の提供を受けることができるものとして最高裁判所規則で定める措置を講じなければならない。
3前二項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
4第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を差押債権者(最初の強制競売の開始決定に係る差押債権者をいう。ただし、第四十七条第六項の規定により手続を続行する旨の裁判があつたときは、その裁判を受けた差押債権者をいう。以下この条において同じ。)に通知しなければならない。
2差押債権者が、前項の規定による通知を受けた日から一週間以内に、優先債権がない場合にあつては手続費用の見込額を超える額、優先債権がある場合にあつては手続費用及び優先債権の見込額の合計額以上の額(以下この項において「申出額」という。)を定めて、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める申出及び保証の提供をしないときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てに係る強制競売の手続を取り消さなければならない。ただし、差押債権者が、その期間内に、前項各号のいずれにも該当しないことを証明したとき、又は同項第二号に該当する場合であつて不動産の買受可能価額が手続費用の見込額を超える場合において、不動産の売却について優先債権を有する者(買受可能価額で自己の優先債権の全部の弁済を受けることができる見込みがある者を除く。)の同意を得たことを証明したときは、この限りでない。
3前項第二号の申出及び保証の提供があつた場合において、買受可能価額以上の額の買受けの申出がないときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てに係る強制競売の手続を取り消さなければならない。
4第二項の保証の提供は、執行裁判所に対し、最高裁判所規則で定める方法により行わなければならない。
不動産の売却は、裁判所書記官の定める売却の方法により行う。
2不動産の売却の方法は、入札又は競り売りのほか、最高裁判所規則で定める。
3裁判所書記官は、入札又は競り売りの方法により売却をするときは、売却の日時及び場所を定め、執行官に売却を実施させなければならない。
4前項の場合においては、第二十条において準用する民事訴訟法第九十三条第一項の規定にかかわらず、売却決定期日は、裁判所書記官が、売却を実施させる旨の処分と同時に指定する。
5第三項の場合においては、裁判所書記官は、売却すべき不動産の表示、売却基準価額並びに売却の日時及び場所を公告しなければならない。
6第一項、第三項又は第四項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
7第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
執行裁判所は、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)の申立てがあるときは、執行官に対し、内覧(不動産の買受けを希望する者をこれに立ち入らせて見学させることをいう。以下この条において同じ。)の実施を命じなければならない。ただし、当該不動産の占有者の占有の権原が差押債権者、仮差押債権者及び第五十九条第一項の規定により消滅する権利を有する者に対抗することができる場合で当該占有者が同意しないときは、この限りでない。
2前項の申立ては、最高裁判所規則で定めるところにより、売却を実施させる旨の裁判所書記官の処分の時までにしなければならない。
3第一項の命令を受けた執行官は、売却の実施の時までに、最高裁判所規則で定めるところにより内覧への参加の申出をした者(不動産を買い受ける資格又は能力を有しない者その他最高裁判所規則で定める事由がある者を除く。第五項及び第六項において「内覧参加者」という。)のために、内覧を実施しなければならない。
4執行裁判所は、内覧の円滑な実施が困難であることが明らかであるときは、第一項の命令を取り消すことができる。
5執行官は、内覧の実施に際し、自ら不動産に立ち入り、かつ、内覧参加者を不動産に立ち入らせることができる。
6執行官は、内覧参加者であつて内覧の円滑な実施を妨げる行為をするものに対し、不動産に立ち入ることを制限し、又は不動産から退去させることができる。
執行官は、次に掲げる者に対し、売却の場所に入ることを制限し、若しくはその場所から退場させ、又は買受けの申出をさせないことができる。
不動産の買受けの申出は、次の各号のいずれにも該当しない旨を買受けの申出をしようとする者(その者に法定代理人がある場合にあつては当該法定代理人、その者が法人である場合にあつてはその代表者)が最高裁判所規則で定めるところにより陳述しなければ、することができない。
不動産の買受けの申出をしようとする者は、最高裁判所規則で定めるところにより、執行裁判所が定める額及び方法による保証を提供しなければならない。
最高価買受申出人に次いで高額の買受けの申出をした者は、その買受けの申出の額が、買受可能価額以上で、かつ、最高価買受申出人の申出の額から買受けの申出の保証の額を控除した額以上である場合に限り、売却の実施の終了までに、執行官に対し、最高価買受申出人に係る売却許可決定が第八十条第一項の規定により効力を失うときは、自己の買受けの申出について売却を許可すべき旨の申出(以下「次順位買受けの申出」という。)をすることができる。
債務者は、買受けの申出をすることができない。
執行裁判所は、裁判所書記官が入札又は競り売りの方法により売却を実施させても買受けの申出がなかつた場合において、債務者又は不動産の占有者が不動産の売却を困難にする行為をし、又はその行為をするおそれがあるときは、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。次項において同じ。)の申立てにより、買受人が代金を納付するまでの間、担保を立てさせて、次に掲げる事項を内容とする保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)を命ずることができる。
2差押債権者は、前項の申立てをするには、買受可能価額以上の額(以下この項において「申出額」という。)を定めて、次の入札又は競り売りの方法による売却の実施において申出額に達する買受けの申出がないときは自ら申出額で不動産を買い受ける旨の申出をし、かつ、申出額に相当する保証の提供をしなければならない。
3事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。
4第五十五条第二項の規定は第一項に規定する保全処分について、同条第三項の規定は第一項の規定による決定について、同条第六項の規定は第一項の申立てについての裁判、前項の規定による裁判又は同項の申立てを却下する裁判について、同条第七項の規定は前項の規定による決定について、同条第八項及び第九項並びに第五十五条の二の規定は第一項に規定する保全処分を命ずる決定について、第五十五条第十項の規定は第一項の申立て又は同項の規定による決定の執行に要した費用について、第六十三条第四項の規定は第二項の保証の提供について準用する。
執行裁判所は、裁判所書記官が入札又は競り売りの方法による売却を三回実施させても買受けの申出がなかつた場合において、不動産の形状、用途、法令による利用の規制その他の事情を考慮して、更に売却を実施させても売却の見込みがないと認めるときは、強制競売の手続を停止することができる。この場合においては、差押債権者に対し、その旨を通知しなければならない。
2差押債権者が、前項の規定による通知を受けた日から三月以内に、執行裁判所に対し、買受けの申出をしようとする者があることを理由として、売却を実施させるべき旨を申し出たときは、裁判所書記官は、第六十四条の定めるところにより売却を実施させなければならない。
3差押債権者が前項の期間内に同項の規定による売却実施の申出をしないときは、執行裁判所は、強制競売の手続を取り消すことができる。同項の規定により裁判所書記官が売却を実施させた場合において買受けの申出がなかつたときも、同様とする。
執行裁判所は、最高価買受申出人(その者が法人である場合にあつては、その役員。以下この項において同じ。)が暴力団員等に該当するか否かについて、必要な調査を執行裁判所の所在地を管轄する都道府県警察に嘱託しなければならない。ただし、最高価買受申出人が暴力団員等に該当しないと認めるべき事情があるものとして最高裁判所規則で定める場合は、この限りでない。
2執行裁判所は、自己の計算において最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者があると認める場合には、当該買受けの申出をさせた者(その者が法人である場合にあつては、その役員。以下この項において同じ。)が暴力団員等に該当するか否かについて、必要な調査を執行裁判所の所在地を管轄する都道府県警察に嘱託しなければならない。ただし、買受けの申出をさせた者が暴力団員等に該当しないと認めるべき事情があるものとして最高裁判所規則で定める場合は、この限りでない。
執行裁判所は、売却決定期日を開き、売却の許可又は不許可を言い渡さなければならない。
不動産の売却の許可又は不許可に関し利害関係を有する者は、次条各号に掲げる事由で自己の権利に影響のあるものについて、売却決定期日において意見を陳述することができる。
執行裁判所は、次に掲げる事由があると認めるときは、売却不許可決定をしなければならない。
売却の実施の終了から売却決定期日の終了までの間に第三十九条第一項第七号に掲げる文書の提出があつた場合には、執行裁判所は、他の事由により売却不許可決定をするときを除き、売却決定期日を開くことができない。この場合においては、最高価買受申出人又は次順位買受申出人は、執行裁判所に対し、買受けの申出を取り消すことができる。
2売却決定期日の終了後に前項に規定する文書の提出があつた場合には、その期日にされた売却許可決定が取り消され、若しくは効力を失つたとき、又はその期日にされた売却不許可決定が確定したときに限り、第三十九条の規定を適用する。
3売却の実施の終了後に第三十九条第一項第八号に掲げる文書の提出があつた場合には、その売却に係る売却許可決定が取り消され、若しくは効力を失つたとき、又はその売却に係る売却不許可決定が確定したときに限り、同条の規定を適用する。
数個の不動産を売却した場合において、あるものの買受けの申出の額で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる見込みがあるときは、執行裁判所は、他の不動産についての売却許可決定を留保しなければならない。
2前項の場合において、その買受けの申出の額で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる見込みがある不動産が数個あるときは、執行裁判所は、売却の許可をすべき不動産について、あらかじめ、債務者の意見を聴かなければならない。
3第一項の規定により売却許可決定が留保された不動産の最高価買受申出人又は次順位買受申出人は、執行裁判所に対し、買受けの申出を取り消すことができる。
4売却許可決定のあつた不動産について代金が納付されたときは、執行裁判所は、前項の不動産に係る強制競売の手続を取り消さなければならない。
売却の許可又は不許可の決定に対しては、その決定により自己の権利が害されることを主張するときに限り、執行抗告をすることができる。
2売却許可決定に対する執行抗告は、第七十一条各号に掲げる事由があること又は売却許可決定の手続に重大な誤りがあることを理由としなければならない。
3民事訴訟法第三百三十八条第一項各号に掲げる事由は、前二項の規定にかかわらず、売却の許可又は不許可の決定に対する執行抗告の理由とすることができる。
4抗告裁判所は、必要があると認めるときは、抗告人の相手方を定めることができる。
5売却の許可又は不許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。
最高価買受申出人又は買受人は、買受けの申出をした後天災その他自己の責めに帰することができない事由により不動産が損傷した場合には、執行裁判所に対し、売却許可決定前にあつては売却の不許可の申出をし、売却許可決定後にあつては代金を納付する時までにその決定の取消しの申立てをすることができる。ただし、不動産の損傷が軽微であるときは、この限りでない。
2前項の規定による売却許可決定の取消しの申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。
3前項に規定する申立てにより売却許可決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。
買受けの申出があつた後に強制競売の申立てを取り下げるには、最高価買受申出人又は買受人及び次順位買受申出人の同意を得なければならない。ただし、他に差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)がある場合において、取下げにより第六十二条第一項第二号に掲げる事項について変更が生じないときは、この限りでない。
2前項の規定は、買受けの申出があつた後に第三十九条第一項第四号から第五号までに掲げる文書を提出する場合について準用する。
執行裁判所は、債務者又は不動産の占有者が、価格減少行為等(不動産の価格を減少させ、又は不動産の引渡しを困難にする行為をいう。以下この項において同じ。)をし、又は価格減少行為等をするおそれがあるときは、最高価買受申出人又は買受人の申立てにより、引渡命令の執行までの間、その買受けの申出の額(金銭により第六十六条の保証を提供した場合にあつては、当該保証の額を控除した額)に相当する金銭を納付させ、又は代金を納付させて、次に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずることができる。
2第五十五条第二項(第一号に係る部分に限る。)の規定は前項第二号又は第三号に掲げる保全処分について、同条第二項(第二号に係る部分に限る。)の規定は前項に掲げる保全処分について、同条第三項、第四項本文及び第五項の規定は前項の規定による決定について、同条第六項の規定は前項の申立て又はこの項において準用する同条第五項の申立てについての裁判について、同条第七項の規定はこの項において準用する同条第五項の規定による決定について、同条第八項及び第九項並びに第五十五条の二の規定は前項第二号又は第三号に掲げる保全処分を命ずる決定について準用する。
売却許可決定が確定したときは、買受人は、裁判所書記官の定める期限までに代金を執行裁判所に納付しなければならない。
2買受人が買受けの申出の保証として提供した金銭及び前条第一項の規定により納付した金銭は、代金に充てる。
3買受人が第六十三条第二項第一号又は第六十八条の二第二項の保証を金銭の納付以外の方法で提供しているときは、執行裁判所は、最高裁判所規則で定めるところによりこれを換価し、その換価代金から換価に要した費用を控除したものを代金に充てる。この場合において、換価に要した費用は、買受人の負担とする。
4買受人は、売却代金から配当又は弁済を受けるべき債権者であるときは、売却許可決定が確定するまでに執行裁判所に申し出て、配当又は弁済を受けるべき額を差し引いて代金を配当期日又は弁済金の交付の日に納付することができる。ただし、配当期日において、買受人の受けるべき配当の額について異議の申出があつたときは、買受人は、当該配当期日から一週間以内に、異議に係る部分に相当する金銭を納付しなければならない。
5裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、第一項の期限を変更することができる。
6第一項又は前項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
7第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
買受人は、代金を納付した時に不動産を取得する。
買受人が代金を納付しないときは、売却許可決定は、その効力を失う。この場合においては、買受人は、第六十六条の規定により提供した保証の返還を請求することができない。
2前項前段の場合において、次順位買受けの申出があるときは、執行裁判所は、その申出について売却の許可又は不許可の決定をしなければならない。
土地及びその上にある建物が債務者の所有に属する場合において、その土地又は建物の差押えがあり、その売却により所有者を異にするに至つたときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合においては、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。
買受人が代金を納付したときは、裁判所書記官は、次に掲げる登記及び登記の抹まつ消を嘱託しなければならない。
2買受人及び買受人から不動産の上に抵当権の設定を受けようとする者が、最高裁判所規則で定めるところにより、代金の納付の時までに申出をしたときは、前項の規定による嘱託は、登記の申請の代理を業とすることができる者で申出人の指定するものに嘱託情報を提供して登記所に提供させる方法によつてしなければならない。この場合において、申出人の指定する者は、遅滞なく、その嘱託情報を登記所に提供しなければならない。
3第一項の規定による嘱託をするには、その嘱託情報と併せて売却許可決定があつたことを証する情報を提供しなければならない。
4第一項の規定による嘱託に要する登録免許税その他の費用は、買受人の負担とする。
執行裁判所は、代金を納付した買受人の申立てにより、債務者又は不動産の占有者に対し、不動産を買受人に引き渡すべき旨を命ずることができる。ただし、事件の記録上買受人に対抗することができる権原により占有していると認められる者に対しては、この限りでない。
2買受人は、代金を納付した日から六月(買受けの時に民法第三百九十五条第一項に規定する抵当建物使用者が占有していた建物の買受人にあつては、九月)を経過したときは、前項の申立てをすることができない。
3執行裁判所は、債務者以外の占有者に対し第一項の規定による決定をする場合には、その者を審尋しなければならない。ただし、事件の記録上その者が買受人に対抗することができる権原により占有しているものでないことが明らかであるとき、又は既にその者を審尋しているときは、この限りでない。
4第一項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
5第一項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。
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