特許法昭和三十四年法律第百二十一号
この前に55条あります。条文一覧へ
特許を受けようとする者は、次に掲げる場合を除き、その特許出願に係る発明について、その者が特許又は実用新案登録を受ける権利を有する特許出願又は実用新案登録出願であつて先にされたもの(以下「先の出願」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(先の出願が外国語書面出願である場合にあつては、外国語書面)に記載された発明に基づいて優先権を主張することができる。ただし、先の出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その特許出願の際に、その承諾を得ている場合に限る。
2前項の規定による優先権の主張を伴う特許出願に係る発明のうち、当該優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(当該先の出願が外国語書面出願である場合にあつては、外国語書面)に記載された発明(当該先の出願が同項若しくは実用新案法第八条第一項の規定による優先権の主張又は第四十三条第一項、第四十三条の二第一項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)若しくは第四十三条の三第一項若しくは第二項(これらの規定を同法第十一条第一項において準用する場合を含む。)の規定による優先権の主張を伴う出願である場合には、当該先の出願についての優先権の主張の基礎とされた出願に係る出願の際の書類(明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面に相当するものに限る。)に記載された発明を除く。)についての第二十九条、第二十九条の二本文、第三十条第一項及び第二項、第三十九条第一項から第四項まで、第六十九条第二項第二号、第七十二条、第七十九条、第八十一条、第八十二条第一項、第百四条(第六十五条第六項(第百八十四条の十第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)並びに第百二十六条第七項(第十七条の二第六項、第百二十条の五第九項及び第百三十四条の二第九項において準用する場合を含む。)、同法第七条第三項及び第十七条、意匠法第二十六条、第三十一条第二項及び第三十二条第二項並びに商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第二十九条並びに第三十三条の二第一項及び第三十三条の三第一項(これらの規定を同法第六十八条第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、当該特許出願は、当該先の出願の時にされたものとみなす。
3第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(外国語書面出願にあつては、外国語書面)に記載された発明のうち、当該優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(当該先の出願が外国語書面出願である場合にあつては、外国語書面)に記載された発明(当該先の出願が同項若しくは実用新案法第八条第一項の規定による優先権の主張又は第四十三条第一項、第四十三条の二第一項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)若しくは第四十三条の三第一項若しくは第二項(これらの規定を同法第十一条第一項において準用する場合を含む。)の規定による優先権の主張を伴う出願である場合には、当該先の出願についての優先権の主張の基礎とされた出願に係る出願の際の書類(明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面に相当するものに限る。)に記載された発明を除く。)については、当該特許出願について特許掲載公報の発行又は出願公開がされた時に当該先の出願について出願公開又は実用新案掲載公報の発行がされたものとみなして、第二十九条の二本文又は同法第三条の二本文の規定を適用する。
4第一項の規定による優先権を主張しようとする者は、その旨及び先の出願の表示を記載した書面を経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出しなければならない。
前条第一項の規定による優先権の主張の基礎とされた先の出願は、その出願の日から経済産業省令で定める期間を経過した時に取り下げたものとみなす。ただし、当該先の出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されている場合、当該先の出願について査定若しくは審決が確定している場合、当該先の出願について実用新案法第十四条第二項に規定する設定の登録がされている場合又は当該先の出願に基づく全ての優先権の主張が取り下げられている場合には、この限りでない。
2前条第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願の出願人は、先の出願の日から経済産業省令で定める期間を経過した後は、その主張を取り下げることができない。
3前条第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願が先の出願の日から経済産業省令で定める期間内に取り下げられたときは、同時に当該優先権の主張が取り下げられたものとみなす。
パリ条約第四条D(1)の規定により特許出願について優先権を主張しようとする者は、その旨並びに最初に出願をし若しくは同条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願をし又は同条A(2)の規定により最初に出願をしたものと認められたパリ条約の同盟国の国名及び出願の年月日を記載した書面を経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出しなければならない。
2前項の規定による優先権の主張をした者は、最初に出願をし、若しくはパリ条約第四条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願をし、若しくは同条A(2)の規定により最初に出願をしたものと認められたパリ条約の同盟国の認証がある出願の年月日を記載した書面、その出願の際の書類で明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲及び図面に相当するものの謄本若しくはこれらと同様の内容を有する公報若しくは証明書であつてその同盟国の政府が発行したもの(電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他人の知覚によつては認識することができない方法をいう。第五項及び第四十四条第四項において同じ。)により提供されたものを含む。)又はこれらの写し(以下この条において「優先権証明書類等」という。)を次の各号に掲げる日のうち最先の日から一年四月以内に特許庁長官に提出しなければならない。
3第一項の規定による優先権の主張をした者は、最初の出願若しくはパリ条約第四条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願又は同条A(2)の規定により最初の出願と認められた出願の番号を記載した書面を優先権証明書類等とともに特許庁長官に提出しなければならない。ただし、優先権証明書類等の提出前にその番号を知ることができないときは、当該書面に代えてその理由を記載した書面を提出し、かつ、その番号を知つたときは、遅滞なく、その番号を記載した書面を提出しなければならない。
4第一項の規定による優先権の主張をした者が第二項に規定する期間内に優先権証明書類等を提出しないときは、当該優先権の主張は、その効力を失う。
5優先権証明書類等に記載されている事項を電磁的方法によりパリ条約の同盟国の政府又は工業所有権に関する国際機関との間で交換することができる場合として経済産業省令で定める場合において、第一項の規定による優先権の主張をした者が、第二項に規定する期間内に、出願の番号その他の当該事項を交換するために必要な事項として経済産業省令で定める事項を記載した書面を特許庁長官に提出したときは、前二項の規定の適用については、優先権証明書類等を提出したものとみなす。
6特許庁長官は、第二項に規定する期間内に優先権証明書類等又は前項に規定する書面の提出がなかつたときは、第一項の規定による優先権の主張をした者に対し、その旨を通知しなければならない。
7前項の規定による通知を受けた者は、経済産業省令で定める期間内に限り、優先権証明書類等又は第五項に規定する書面を特許庁長官に提出することができる。
8第六項の規定による通知を受けた者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内に優先権証明書類等又は第五項に規定する書面を提出することができないときは、前項の規定にかかわらず、経済産業省令で定める期間内に、その優先権証明書類等又は書面を特許庁長官に提出することができる。
9第七項又は前項の規定により優先権証明書類等又は第五項に規定する書面の提出があつたときは、第四項の規定は、適用しない。
パリ条約第四条D(1)の規定により特許出願について優先権を主張しようとしたにもかかわらず、同条C(1)に規定する優先期間(以下この項において「優先期間」という。)内に優先権の主張を伴う特許出願をすることができなかつた者は、経済産業省令で定める期間内に経済産業省令で定めるところによりその特許出願をしたときは、優先期間の経過後であつても、同条の規定の例により、その特許出願について優先権を主張することができる。ただし、故意に、優先期間内にその特許出願をしなかつたと認められる場合は、この限りでない。
2前条の規定は、前項の規定により優先権を主張する場合に準用する。
次の表の上欄に掲げる者が同表の下欄に掲げる国においてした出願に基づく優先権は、パリ条約第四条の規定の例により、特許出願について、これを主張することができる。
2パリ条約の同盟国又は世界貿易機関の加盟国のいずれにも該当しない国(日本国民に対し、日本国と同一の条件により優先権の主張を認めることとしているものであつて、特許庁長官が指定するものに限る。以下この項において「特定国」という。)の国民がその特定国においてした出願に基づく優先権及び日本国民又はパリ条約の同盟国の国民若しくは世界貿易機関の加盟国の国民が特定国においてした出願に基づく優先権は、パリ条約第四条の規定の例により、特許出願について、これを主張することができる。
3前二条の規定は、前二項の規定により優先権を主張する場合に準用する。
特許出願人は、次に掲げる場合に限り、二以上の発明を包含する特許出願の一部を一又は二以上の新たな特許出願とすることができる。
2前項の場合は、新たな特許出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなす。ただし、新たな特許出願が第二十九条の二に規定する他の特許出願又は実用新案法第三条の二に規定する特許出願に該当する場合におけるこれらの規定の適用及び第三十条第三項の規定の適用については、この限りでない。
3第一項に規定する新たな特許出願をする場合における第四十三条第二項(第四十三条の二第二項(前条第三項において準用する場合を含む。)及び前条第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、第四十三条第二項中「最先の日から一年四月以内」とあるのは、「最先の日から一年四月又は新たな特許出願の日から三月のいずれか遅い日まで」とする。
4第一項に規定する新たな特許出願をする場合には、もとの特許出願について提出された書面又は書類(第四十三条第二項(第四十三条の二第二項(前条第三項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)及び前条第三項において準用する場合を含む。)の規定により提出された場合には、電磁的方法により提供されたものを含む。)であつて、新たな特許出願について第三十条第三項、第四十一条第四項又は第四十三条第一項及び第二項(これらの規定を第四十三条の二第二項及び前条第三項において準用する場合を含む。)の規定により提出しなければならないものは、当該新たな特許出願と同時に特許庁長官に提出されたものとみなす。
5第一項第二号に規定する三十日の期間は、第四条又は第百八条第三項の規定により同条第一項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。
6第一項第三号に規定する三月の期間は、第四条の規定により第百二十一条第一項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。
7第一項に規定する新たな特許出願をする者がその責めに帰することができない理由により同項第二号又は第三号に規定する期間内にその新たな特許出願をすることができないときは、これらの規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でこれらの規定に規定する期間の経過後六月以内にその新たな特許出願をすることができる。
削除
実用新案登録出願人は、その実用新案登録出願を特許出願に変更することができる。ただし、その実用新案登録出願の日から三年を経過した後は、この限りでない。
2意匠登録出願人は、その意匠登録出願を特許出願に変更することができる。ただし、その意匠登録出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から三月を経過した後又はその意匠登録出願の日から三年を経過した後(その意匠登録出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から三月以内の期間を除く。)は、この限りでない。
3前項ただし書に規定する三月の期間は、意匠法第六十八条第一項において準用するこの法律第四条の規定により意匠法第四十六条第一項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。
4第一項又は第二項の規定による出願の変更があつたときは、もとの出願は、取り下げたものとみなす。
5第一項の規定による出願の変更をする者がその責めに帰することができない理由により同項ただし書に規定する期間内にその出願の変更をすることができないとき、又は第二項の規定による出願の変更をする者がその責めに帰することができない理由により同項ただし書に規定する三年の期間内にその出願の変更をすることができないときは、これらの規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でこれらの規定に規定する期間の経過後六月以内にその出願の変更をすることができる。
6第四十四条第二項から第四項までの規定は、第一項又は第二項の規定による出願の変更の場合に準用する。
実用新案権者は、次に掲げる場合を除き、経済産業省令で定めるところにより、自己の実用新案登録に基づいて特許出願をすることができる。この場合においては、その実用新案権を放棄しなければならない。
2前項の規定による特許出願は、その願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が当該特許出願の基礎とされた実用新案登録の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内にあるものに限り、その実用新案登録に係る実用新案登録出願の時にしたものとみなす。ただし、その特許出願が第二十九条の二に規定する他の特許出願又は実用新案法第三条の二に規定する特許出願に該当する場合におけるこれらの規定の適用並びに第三十条第三項、第三十六条の二第二項ただし書及び第四十八条の三第二項の規定の適用については、この限りでない。
3第一項の規定による特許出願をする者がその責めに帰することができない理由により同項第一号又は第三号に規定する期間を経過するまでにその特許出願をすることができないときは、これらの規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でこれらの規定に規定する期間の経過後六月以内にその特許出願をすることができる。
4実用新案権者は、専用実施権者、質権者又は実用新案法第十一条第三項において準用するこの法律第三十五条第一項、実用新案法第十八条第三項において準用するこの法律第七十七条第四項若しくは実用新案法第十九条第一項の規定による通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、第一項の規定による特許出願をすることができる。
5第四十四条第三項及び第四項の規定は、第一項の規定による特許出願をする場合に準用する。
第百三十九条(第六号及び第七号を除く。)の規定は、審査官について準用する。
特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまつて行なう。
特許出願があつたときは、何人も、その日から三年以内に、特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができる。
2第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願又は第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願については、前項の期間の経過後であつても、その特許出願の分割、出願の変更又は実用新案登録に基づく特許出願の日から三十日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。
3出願審査の請求は、取り下げることができない。
4第一項の規定により出願審査の請求をすることができる期間内に出願審査の請求がなかつたときは、この特許出願は、取り下げたものとみなす。
5前項の規定により取り下げられたものとみなされた特許出願の出願人は、経済産業省令で定める期間内に限り、経済産業省令で定めるところにより、出願審査の請求をすることができる。ただし、故意に、第一項に規定する期間内にその特許出願について出願審査の請求をしなかつたと認められる場合は、この限りでない。
6前項の規定によりされた出願審査の請求は、第一項に規定する期間が満了する時に特許庁長官にされたものとみなす。
7前三項の規定は、第二項に規定する期間内に出願審査の請求がなかつた場合に準用する。
8第五項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定により特許出願について出願審査の請求をした場合において、その特許出願について特許権の設定の登録があつたときは、その特許出願が第四項(前項において準用する場合を含む。)の規定により取り下げられたものとみなされた旨が掲載された特許公報の発行後その特許出願について第五項の規定による出願審査の請求があつた旨が掲載された特許公報の発行前に善意に日本国内において当該発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許権について通常実施権を有する。
出願審査の請求をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した請求書を特許庁長官に提出しなければならない。
特許庁長官は、出願公開前に出願審査の請求があつたときは出願公開の際又はその後遅滞なく、出願公開後に出願審査の請求があつたときはその後遅滞なく、その旨を特許公報に掲載しなければならない。
2特許庁長官は、特許出願人でない者から出願審査の請求があつたときは、その旨を特許出願人に通知しなければならない。
特許庁長官は、出願公開後に特許出願人でない者が業として特許出願に係る発明を実施していると認める場合において必要があるときは、審査官にその特許出願を他の特許出願に優先して審査させることができる。
審査官は、特許出願が第三十六条第四項第二号に規定する要件を満たしていないと認めるときは、特許出願人に対し、その旨を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えることができる。
審査官は、特許出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その特許出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)において、第五十三条第一項の規定による却下の決定をするときは、この限りでない。
審査官は、前条の規定により特許出願について拒絶の理由を通知しようとする場合において、当該拒絶の理由が、他の特許出願(当該特許出願と当該他の特許出願の少なくともいずれか一方に第四十四条第二項の規定が適用されたことにより当該特許出願と同時にされたこととなつているものに限る。)についての前条(第百五十九条第二項(第百七十四条第二項において準用する場合を含む。)及び第百六十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による通知(当該特許出願についての出願審査の請求前に当該特許出願の出願人がその内容を知り得る状態になかつたものを除く。)に係る拒絶の理由と同一であるときは、その旨を併せて通知しなければならない。
審査官は、特許出願について拒絶の理由を発見しないときは、特許をすべき旨の査定をしなければならない。
第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて第五十条の二の規定による通知をした場合に限る。)において、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面についてした補正が第十七条の二第三項から第六項までの規定に違反しているものと特許をすべき旨の査定の謄本の送達前に認められたときは、審査官は、決定をもつてその補正を却下しなければならない。
2前項の規定による却下の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付さなければならない。
3第一項の規定による却下の決定に対しては、不服を申し立てることができない。ただし、拒絶査定不服審判を請求した場合における審判においては、この限りでない。
審査において必要があると認めるときは、特許異議の申立てについての決定若しくは審決が確定し、又は訴訟手続が完結するまでその手続を中止することができる。
2訴えの提起又は仮差押命令若しくは仮処分命令の申立てがあつた場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、査定が確定するまでその訴訟手続を中止することができる。
特許庁長官は、特許出願の日から一年六月を経過したときは、特許掲載公報の発行をしたものを除き、その特許出願について出願公開をしなければならない。次条第一項に規定する出願公開の請求があつたときも、同様とする。
2出願公開は、次に掲げる事項を特許公報に掲載することにより行う。ただし、第四号から第六号までに掲げる事項については、当該事項を特許公報に掲載することが公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると特許庁長官が認めるときは、この限りでない。
3特許庁長官は、願書に添付した要約書の記載が第三十六条第七項の規定に適合しないときその他必要があると認めるときは、前項第五号の要約書に記載した事項に代えて、自ら作成した事項を特許公報に掲載することができる。
特許出願人は、次に掲げる場合を除き、特許庁長官に、その特許出願について出願公開の請求をすることができる。
2出願公開の請求は、取り下げることができない。
出願公開の請求をしようとする特許出願人は、次に掲げる事項を記載した請求書を特許庁長官に提出しなければならない。
特許出願人は、出願公開があつた後に特許出願に係る発明の内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対し、その発明が特許発明である場合にその実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の補償金の支払を請求することができる。当該警告をしない場合においても、出願公開がされた特許出願に係る発明であることを知つて特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対しては、同様とする。
2前項の規定による請求権は、特許権の設定の登録があつた後でなければ、行使することができない。
3特許出願人は、その仮専用実施権者又は仮通常実施権者が、その設定行為で定めた範囲内において当該特許出願に係る発明を実施した場合については、第一項に規定する補償金の支払を請求することができない。
4第一項の規定による請求権の行使は、特許権の行使を妨げない。
5出願公開後に特許出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき、特許出願について拒絶をすべき旨の査定若しくは審決が確定したとき、第百十二条第六項の規定により特許権が初めから存在しなかつたものとみなされたとき(更に第百十二条の二第二項の規定により特許権が初めから存在していたものとみなされたときを除く。)、第百十四条第二項の取消決定が確定したとき、又は第百二十五条ただし書の場合を除き特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、第一項の請求権は、初めから生じなかつたものとみなす。
6第百一条、第百四条から第百四条の三まで、第百五条から第百五条の二の十二まで、第百五条の四から第百五条の七まで及び第百六十八条第三項から第六項まで並びに民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百十九条及び第七百二十四条(不法行為)の規定は、第一項の規定による請求権を行使する場合に準用する。この場合において、当該請求権を有する者が特許権の設定の登録前に当該特許出願に係る発明の実施の事実及びその実施をした者を知つたときは、同条第一号中「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時」とあるのは、「特許権の設定の登録の日」と読み替えるものとする。
特許権は、設定の登録により発生する。
2第百七条第一項の規定による第一年から第三年までの各年分の特許料の納付又はその納付の免除若しくは猶予があつたときは、特許権の設定の登録をする。
3前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。ただし、第五号に掲げる事項については、その特許出願について出願公開がされているときは、この限りでない。
4第六十四条第三項の規定は、前項の規定により同項第五号の要約書に記載した事項を特許公報に掲載する場合に準用する。
特許権の存続期間は、特許出願の日から二十年をもつて終了する。
2前項に規定する存続期間は、特許権の設定の登録が特許出願の日から起算して五年を経過した日又は出願審査の請求があつた日から起算して三年を経過した日のいずれか遅い日(以下「基準日」という。)以後にされたときは、延長登録の出願により延長することができる。
3前項の規定により延長することができる期間は、基準日から特許権の設定の登録の日までの期間に相当する期間から、次の各号に掲げる期間を合算した期間(これらの期間のうち重複する期間がある場合には、当該重複する期間を合算した期間を除いた期間)に相当する期間を控除した期間(以下「延長可能期間」という。)を超えない範囲内の期間とする。
4第一項に規定する存続期間(第二項の規定により延長されたときは、その延長の期間を加えたもの。第六十七条の五第三項ただし書、第六十八条の二及び第百七条第一項において同じ。)は、その特許発明の実施について安全性の確保等を目的とする法律の規定による許可その他の処分であつて当該処分の目的、手続等からみて当該処分を的確に行うには相当の期間を要するものとして政令で定めるものを受けることが必要であるために、その特許発明の実施をすることができない期間があつたときは、五年を限度として、延長登録の出願により延長することができる。
前条第二項の延長登録の出願をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない。
2前項の願書には、経済産業省令で定めるところにより、同項第三号に掲げる期間の算定の根拠を記載した書面を添付しなければならない。
3前条第二項の延長登録の出願は、特許権の設定の登録の日から三月(出願をする者がその責めに帰することができない理由により当該期間内に出願をすることができないときは、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)を経過する日までの期間(当該期間が九月を超えるときは、九月))以内にしなければならない。ただし、同条第一項に規定する存続期間の満了後は、することができない。
4特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者と共同でなければ、前条第二項の延長登録の出願をすることができない。
5前条第二項の延長登録の出願があつたときは、同条第一項に規定する存続期間は、延長されたものとみなす。ただし、その出願について拒絶をすべき旨の査定が確定し、又は次条第三項の延長登録があつたときは、この限りでない。
6前条第二項の延長登録の出願があつたときは、第一項各号に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。
審査官は、第六十七条第二項の延長登録の出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
2審査官は、第六十七条第二項の延長登録の出願について拒絶の理由を発見しないときは、延長登録をすべき旨の査定をしなければならない。
3前項の査定があつたときは、延長登録をする。
4前項の延長登録があつたときは、次に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。
第四十七条第一項、第五十条、第五十二条及び第百三十九条(第七号を除く。)の規定は、第六十七条第二項の延長登録の出願の審査について準用する。この場合において、第百三十九条第六号中「不服を申し立てられた」とあるのは、「第六十七条第二項の延長登録の出願があつた特許権に係る特許出願の」と読み替えるものとする。
第六十七条第四項の延長登録の出願をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない。
2前項の願書には、経済産業省令で定めるところにより、延長の理由を記載した資料を添付しなければならない。
3第六十七条第四項の延長登録の出願は、同項の政令で定める処分を受けた日から政令で定める期間内にしなければならない。ただし、同条第一項に規定する存続期間の満了後は、することができない。
4第六十七条の二第四項から第六項までの規定は、第六十七条第四項の延長登録の出願について準用する。この場合において、第六十七条の二第五項ただし書中「次条第三項」とあるのは「第六十七条の七第三項」と、同条第六項中「第一項各号」とあるのは「第六十七条の五第一項各号」と読み替えるものとする。
第六十七条第四項の延長登録の出願をしようとする者は、同条第一項に規定する存続期間の満了前六月の前日までに同条第四項の政令で定める処分を受けることができないと見込まれるときは、次に掲げる事項を記載した書面をその日までに特許庁長官に提出しなければならない。
2前項の規定により提出すべき書面を提出しないときは、第六十七条第一項に規定する存続期間の満了前六月以後に同条第四項の延長登録の出願をすることができない。
3第一項に規定する書面が提出されたときは、同項各号に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。
4第一項の規定により同項に規定する書面を提出する者がその責めに帰することができない理由により同項に規定する日までにその書面を提出することができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、一月)以内で同項に規定する日の後二月以内にその書面を特許庁長官に提出することができる。
審査官は、第六十七条第四項の延長登録の出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
2審査官は、第六十七条第四項の延長登録の出願について拒絶の理由を発見しないときは、延長登録をすべき旨の査定をしなければならない。
3前項の査定があつたときは、延長登録をする。
4前項の延長登録があつたときは、次に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。
第六十七条の四前段の規定は、第六十七条第四項の延長登録の出願の審査について準用する。この場合において、第六十七条の四前段中「第七号」とあるのは、「第六号及び第七号」と読み替えるものとする。
特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。ただし、その特許権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない。
第六十七条第四項の規定により同条第一項に規定する存続期間が延長された場合(第六十七条の五第四項において準用する第六十七条の二第五項本文の規定により延長されたものとみなされた場合を含む。)の当該特許権の効力は、その延長登録の理由となつた第六十七条第四項の政令で定める処分の対象となつた物(その処分においてその物の使用される特定の用途が定められている場合にあつては、当該用途に使用されるその物)についての当該特許発明の実施以外の行為には、及ばない。
特許権の効力は、試験又は研究のためにする特許発明の実施には、及ばない。
2特許権の効力は、次に掲げる物には、及ばない。
3二以上の医薬(人の病気の診断、治療、処置又は予防のため使用する物をいう。以下この項において同じ。)を混合することにより製造されるべき医薬の発明又は二以上の医薬を混合して医薬を製造する方法の発明に係る特許権の効力は、医師又は歯科医師の処方せんにより調剤する行為及び医師又は歯科医師の処方せんにより調剤する医薬には、及ばない。
この後に368条あります。条文一覧へ
ログインすると解説の投稿や改正案の編集ができます