水位及び流量調査作業規程準則昭和二十九年総理府令第七十五号
国土調査法(昭和二十六年法律第百八十号)第二条第一項各号の水調査のうち、河川、湖沼、貯水池(たヽめヽ池を含む。)の水位及び流量に関する調査(以下「水位及び流量調査」という。)の作業規程の準則は、この省令の定めるところによる。
水位及び流量調査は、水基本調査作業規程準則(昭和二十八年総理府令第三十五号。以下「水基本調査準則」という。)第一条の規定による水調査の基準の設定のための調査を行つた区域内において行うものとする。
水位及び流量調査においては、水基本調査準則第二十九条の規定により決定した位置に観測所を設置し、水位及び流量の観測を行い、その結果を地図及び簿冊に作成しなければならない。但し、観測所を設置して行う代りにその位置にある既存の観測所に委嘱して行うことができる。
2前項の流量の観測は、原則として流速計測法によるものとし、流速計測法により難い場合には浮子測法又は堰測法によることができるものとする。
調査を行う者及び調査を監督する者は、常に各種の方法によつて検査を行い、当該調査が良好な精度を保つて行われるように留意しなければならない。
調査を行うに当つては、国土交通大臣の指示する様式により作業記録を作成し、当該水位及び流量調査の成果とともに保管しなければならない。
水位観測所には、水基本調査準則第八条第五項に規定する観測所の種別に従つて、同条第三項に規定する位置に水位標(自記水位標を含む。以下第二十条及び第二十一条を除き同じ。)を設置する。この場合において、第一種水位流量観測所及び一日の水位の変化が特に著しい地点その他特に必要と認める地点には、自記水位標を設置しなければならない。
2水位標の構造は、別表第一に定めるところによる。
前条の規定により水位標を設置した場合には、これに近接した位置に水準拠標を設置し、その標高を基礎として、水準儀を用いて水位標の零点高を測定しなければならない。この場合において、水準儀の読み取りの単位は、一ミリメートルとする。
2既存の水位標を使用する場合には、その水位標の零点高に関する資料等を検討し、改算整備しておかなければならない。
水準拠標の標高の測定は、水準路線を選定して、その水準路線に従い、次項から第六項までに規定する水準測量により行うものとする。
2水準路線の選定は、測量法(昭和二十四年法律第百八十八号)第四条の規定による基本測量の成果である水準点又は国土調査法第二条第二項の規定による基準点測量の成果である基準水準点、測標水準点若しくは補助水準点から出発して、水準拠標に到達するようにするものとする。但し、やむをえない場合には、当分の間、河川等について設定された既設の水準点を出発点とすることができる。
3水準測量は、往復観測とする。但し、水準標尺の高さを異にする二回の観測をもつて往復観測にかえることができる。
4前項の場合において、水準路線が閉合しており、且つ、精度の保持に支障がないと認める場合には、前項の規定にかかわらず、片道観測によることができる。
5水準測量は、二個の水準標尺を水準儀の前後におおむね等距離において行うものとする。この場合において、水準儀と水準標尺との距離は、百メートルをこえてはならない。
6水準拠標の標高は、水準測量の結果に従い決定するものとする。この場合において水準測量の結果の数値が左の表の観測値の範囲内にある場合には、当該数値を決定値とすることができる。
7水準拠標には、別表第二の第一号に定める標石を設置するものとする。但し、その位置に岩石その他移動の虞のないものがある場合には、別表第二の第二号に定める記号を刻して、標石にかえることができる。
河川に水位標を設置した場合には、当該水位標の位置において、流身に直角の方向に水位標横断線を設定し、当該横断線の位置を示すために横断線拠標を設置する。
2横断線拠標は、河川の両岸に、既往の最高水位より高い地点に、別表第三の第一号に定める標石を設置してするものとする。この場合において、河岸に岩石その他移動の虞のないものがある場合には、別表第三の第二号に定める記号を刻して、標石にかえることができる。
前条第一項の規定により水位標横断線を設定したときは、横断線に沿つて、左の各号に掲げる方法により横断測量を行い、水位標横断面図を作成するものとする。この場合において、水位標横断面図は、河川の下流に向つて描くものとする。
前条の規定による水位標横断面図は、毎年出水期の前に、定期的に横断測量を行い、同一縮尺によつて補正するものとする。但し、こヽうヽ水等の原因によつて河床に変化をきたしたと認める場合には、その都度、すみやかに横断測量を行い補正するものとする。
2前項の横断測量の方法については、前条各号の規定を準用する。
流量観測所には、水基本調査準則第八条第五項に規定する観測所の種別に従つて、同条第二項に規定する位置に、流身に直角の方向に流量観測所横断線を設定し、当該横断線の位置を示すために、横断線拠標を設置する。
2前項の横断線設定の箇所数及びその間隔は、当該観測の方法に応じて、左の表に掲げるところによる。
3横断線拠標の設置の方法については、第九条第二項の規定を準用する。
流量観測所横断線の横断測量は、前条の規定により設定した横断線に沿つて行い、流量観測所横断面図を作成するものとする。この場合において、横断測量の方法については、第十条各号の規定を準用する。
流速計測法による観測所においては、第二十九条の規定による測定方法により流量観測を行うに必要な水位標、舟、橋りヽよヽうヽ、索綱及びつり箱等を設置するものとする。
浮子測法による観測所においては、横断線上の適当な位置に水位標を、横断線の両端に見通し目標をそれぞれ設置するものとし、見通し目標は、相互に見通すことができるように保持するものとする。
2浮子測法による観測所においては、浮子投下施設を設置するものとする。
3浮子投下施設は、浮子が一定の吃きつ水を保つために必要な時間等を考慮して、上流に位置する横断線の上流三十メートル以上の位置に、左の条件に適合するように設置するものとする。
4浮子投下施設は、橋りヽよヽうヽその他既存の工作物をもつてかえることができる。
5水面勾こう配を測定する場合において第一項の水位標によつては水面勾配を測定するに適当でないときは、第一項の水位標の外に、水面勾配の測定ができる位置に水位標を設置するものとする。
堰測法による観測所においては、矩形堰を設置するものとする。堰については、別表第四に定めるところによる。
水位観測及び流量観測に使用する器材は、常に所定の性能を保持するようにしなければならない。
この準則において、「こヽうヽ水」とは、既往十箇年間における毎日の水位又は流量のうち、原則として当該水位流量観測所における第百位以上に該当する水位又は流量の状態をいう。但し、既往十箇年における毎日の水位又は流量の資料を得ることができない場合には、当該観測所が行つた既往の観測期間の年数に十を乗じて得た数値以上の順位に該当する水位又は流量の状態をいう。
2前項但書に定める既往の観測期間が断続している場合にあつては、当該観測期間を合計して、これを年数に換算し、この年数に十を乗じて得た数値以上の順位に該当する水位又は流量の状態をいう。
3水位流量観測所を新たに設置した場合において、前二項の規定によりこヽうヽ水の水位又は流量を定むべき資料を有しない時には、当該観測所と関連を有する既存の観測所の既存資料等から推定して定めるものとする。
水位及び流量調査を行う者は、観測心得を定め、これを観測員に交付しなければならない。
2観測員は、観測に際して、常に観測心得を携行しなければならない。
3観測心得には、左に掲げる事項を定めなければならない。
水位観測員は、第六条の規定により設置した水位標(自記水位標を除く。以下次条において同じ。)によつて水位を観測する。
2観測は、原則として毎日六時及び十八時に行う。但し、こヽうヽ水の場合には、毎正時観測を行うものとする。
3水位の読み取りの単位は、原則として一センチメートルとする。
自記水位標による観測においては、自記水位標に併置された水位標による観測の結果に基き、自記紙の水位又は時刻を補正し、毎正時における数値を自記紙に記入しておくものとする。
2自記紙の読み取りの単位は、前条第三項の規定を準用する。
水位観測員は、天気、風向及び風力を、左の区分に従つて観測するものとする。この場合、天気は観測日におけるものとし、風向及び風力は、その日の観測時におけるものとする。
水位観測員は、左に掲げる条件を有する者のうちから、水位及び流量調査を行う者が委嘱する。
2水位観測員を委嘱した時は、その旨を観測所に公示するとともに、委嘱書を本人に交付するものとする。
3水位及び流量調査を行う者は、水位観測員の不測の事故による欠測を防止するため、あらかじめこれにかわる水位観測員を選定しておかなければならない。
流量は、水深測量によつて通水断面を測定し、当該断面における流速を計り、その結果によつて求めるものとする。この場合において、流量観測の結果の数値は、有効数字三位までとする。
各種の流量観測は、良好な流量曲線が作成できるように、水位と流量との時点を考慮して行わなければならない。この場合において、第一種水位流量観測所は、少くとも年間三十六回以上の観測を行うものとする。
流速計測法により流量観測を行う場合は、第十二条第一項の規定による横断線に沿つて水深測量を行い、横断面図を作成するものとする。
2水深測量の方法については、第十条各号の規定を準用する。
流速計測法により流速を測定しようとする場合には、あらかじめ流速測線を選定するものとする。
2流速測線は、前条第一項の横断線を含む垂直面上において、横断方向に、前条の規定により行つた水深測量の測線のうちから、原則として等間隔になるように選定する。
3水面幅と流速測線数との割合の標準は、原則として左の表のとおりとする。但し、横断面の形状により測線数を増加することができる。
前条の規定により流速測線を選定したときは、当該流速測線において垂直の方向に測点(以下「流速測点」という。)を選定するものとする。
2流速測点の選定は、原則として二点法による。但し、水深が浅いために二点法により難い場合には、一点法によることができる。
3前項の流速測点の位置は、各流速測線において、水面から、二点法にあつては水深の十分の二及び十分の八、一点法にあつては十分の六の位置とする。但し、精密法による測定をする場合には、原則として二十センチメートルごとの位置とする。
流速計による測定は、流量観測所の状況に応じて、河川を渡渉し、又は第十四条の規定により設置してある舟、橋りヽよヽうヽ、つり箱等を使用して、流速測点の位置において、流線に直角の方向を保つように保持し、原則として連続二回の測定を行うものとする。
2流速は、流速計の回転数とその所要時間に当該流速計の係数を乗じて求める。
3前項の所要時間は、一回につき少くとも二十秒以上でなければならない。
流速計の種類及びその使用範囲の標準は、別表第五に定めるところによるものとする。
平均流速は、流速測点における流速を測定した結果によつて算定する。
2前項の平均流速は、左の各号に掲げる数値をもつて、それぞれの流速測線の平均流速とする。
流量値は、それぞれの流速測線における平均流速に、その平均流速と同一の流速を示すと認める小断面(以下「区分断面」という。)の断面積を乗じて得た数値を、全断面について合計して求めるものとする。
2前項の区分断面相互の境界は、特別の場合を除く外、一つの流速測線と相隣る他の流速測線との中央を通る垂直線とする。
流量観測所においては、随時、精密測定を行い、測定の精度を保持するように努めなければならない。
2前項の精密測定による流量値及びその精密測定と同時に行つた前条の規定による流量値との差異は、第五十条及び第五十一条に規定する流量測定年表及び水位流量曲線図にそれぞれ記入しておくものとする。
浮子測法により流量観測を行う場合には、第十二条第一項の規定により設定した二箇以上の横断線に沿つて、それぞれ水深測量を行い、横断面図を作成するものとする。
2水深測量の方法については、第十条各号の規定を準用する。
浮子測法により流速を測定しようとする場合には、あらかじめ浮子流速測線を選定するものとする。
2浮子流速測線は、前条の規定により水深測量を行つた横断線間において、上流に位置する横断線から流身方向に選定する。
3水面幅と浮子流速測線との割合の標準は、原則として左の表のとおりとする。
浮子流速測線におけるそれぞれの平均流速の測定は、浮子が横断線間を流下するに要した時間を測定して、これに更正係数を乗じて求める。この場合において、更正係数を決定するのに使用した公式又は実験式等は、流量測定年表に明示しておかなければならない。
流量値は、それぞれの浮子流速測線における平均流速に、第三十四条の規定により水深測量を行つた各横断面における相対する区分断面の断面積の平均値を乗じて得た値を、全断面について合計して求めるものとする。
2前項の区分断面相互の境界については、第三十二条第二項の規定を準用する。
堰測法においては、第十六条の規定により設置した堰の水位標によつて水面を測定し、左の公式を用いて流量を求める。
2堰の上流部において流速に接近速度の影響があると認める場合には、前項の規定にかかわらず、左の公式を用いて流量を求める。
3前項の規定により流量を求めた場合において、特に精密を要する場合には、前項の規定により得た流量を再び河川の横断面積で除して流速の加速度を求め、これを用いて前項の公式により流量を求める。
こヽうヽ水(第十八条参照)時の流量観測は、特に敏速なる観測を必要とするため、次条から第四十五条までに規定する方法により行う。この場合において、流量を求める方法については第二十四条の規定を準用する。
こヽうヽ水流量を観測しようとする観測所は、あらかじめこヽうヽ水流量観測班を編成しておかなければならない。
こヽうヽ水流量を観測しようとする観測所は、こヽうヽ水時における水位上昇時の観測回数を多くし、特にこヽうヽ水の峰附近と認める時期の観測については、なるべく毎時観測を行うよう努めるものとする。この場合において、一回の観測に要する時間は一時間をこえないものとし、観測した時刻は、これを明確に記録しておかなければならない。
こヽうヽ水流量観測の方法は、原則として浮子測法によるものとし、次項から第五項までの規定による外、第三十四条から第三十八条までの規定を準用する。
2流速測線の位置の選定は、原則として左の表の標準による。
3前項の規定における浮子流速測線数は、水位の変化に応じて変化する水面幅に応じ、前項の規定に従い設定する。この場合において、当該測線数は、当該観測所における既往の最高水位又は計画高水位を想定してその時の水面幅においてなるべく等間隔になるように設定するものとする。
4浮子は、やむをえない場合を除き、原則として桿浮子を用いるものとする。この場合において、桿浮子の吃水は、浮子流速測線における水深に応じ、左の表の標準による。
5こヽうヽ水時における平均流速算出の際の更正係数は、左の表の数値による。
こヽうヽ水が終了したときは、横断面の変化の状況を調査するため、すみやかにそれぞれの横断線に沿つて横断測量を行い、横断面図を作成しなければならない。この場合における横断測量の方法については、第十条各号の規定を準用する。
第十五条の規定により水面勾配を測定する場合には、水面勾配測定のための二個の水位標により、浮子を投下したときにおけるそれぞれの水位を同時に観測し、その水位差と二個の水位標区分間の距離によつて、水面勾配を測定するものとする。
この章の第二節から前節までの規定により水位及び流量の観測を行つた場合は、その都度、観測日時、流量値、観測の方法、当該流量値の算出基礎その他必要な事項を、野帳に記載するものとする。
2野帳の様式については、国土交通大臣が定める。
第六条から第十六条までの規定により水位流量観測所を設置した場合及び第三条第一項但書の規定により既存の水位流量観測所に観測を委嘱した場合には、水位及び流量調査を行う者は、水位流量観測所台帳及び附図を作成しなければならない。
2前項の台帳の様式については、別表第六に定めるところによる。
水位及び流量調査を行う者は、水位観測所ごとに、第二十条及び第二十一条の規定により観測した観測値を一箇月ごとにとりまとめ、水位月報を作成し、これを一年ごとにとりまとめて日水位年表及び時水位年表を作成しなければならない。
2日水位年表及び時水位年表の様式については、別表第七及び別表第八に定めるところによる。
3水位年表は、調査単位の区域ごとに、水基本調査準則第三十条の規定による観測所の一連番号順に編さヽんヽして常に整備しておかなければならない。
水位流量観測所は、毎年一回以上、別表第十に定める様式により、水位を縦距とし流量を横距とする座標上に、前条の流量測定年表に記載した水位及び流量のすべての値を表示し、最小自乗法等により求めた水位流量曲線式により水位流量曲線を求め、水位流量曲線図を作成するものとする。
2前項の水位流量曲線式及び水位流量曲線図の作成の要領は、国土交通大臣が定める。
水位流量観測所は、第四十九条の規定により作成した水位年表及び前条の規定により作成した水位流量曲線図に基いて、毎日の流量を求め、流量年表を作成しなければならない。
2流量年表の様式については、別表第十一に定めるところによる。
3流量年表は、調査単位の区域ごとに、水基本調査準則第三十条の規定による観測所の一連番号順に編さヽんヽして常に整備しておかなければならない。
水位流量観測所は、こヽうヽ水時の流量値を算定したときは、これに基き当該観測を行つたこヽうヽ水ごとに、こヽうヽ水流量曲線図を作成しなければならない。但し、算定した流量値がこヽうヽ水流量曲線図を作成するに適当でない場合は、この限りでない。
水位流量観測所は、第二十条第二項但書の規定又は第二十一条第一項の規定による毎正時の水位観測及び第四十二条に規定する観測時期における流量観測の結果並びに前条の規定によるこヽうヽ水流量曲線図に基いて、こヽうヽ水表を作成しなければならない。但し、前条但書の規定によりこヽうヽ水流量曲線図を作成しない場合は、毎正時の流量は算出しないものとする。
2こヽうヽ水表は、調査単位の区域ごとに、水基本調査準則第三十条の規定による観測所の一連番号順に編さヽんヽして常に整備しておかなければならない。
3こヽうヽ水表の様式については、別表第十二に定めるところによる。
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