刑事訴訟法昭和二十三年法律第百三十一号
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控訴裁判所は、控訴趣意書に包含された事項は、これを調査しなければならない。
2控訴裁判所は、控訴趣意書に包含されない事項であつても、第三百七十七条乃至第三百八十二条及び第三百八十三条に規定する事由に関しては、職権で調査をすることができる。
控訴裁判所は、前条の調査をするについて必要があるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で事実の取調をすることができる。但し、第三百八十二条の二の疎明があつたものについては、刑の量定の不当又は判決に影響を及ぼすべき事実の誤認を証明するために欠くことのできない場合に限り、これを取り調べなければならない。
2控訴裁判所は、必要があると認めるときは、職権で、第一審判決後の刑の量定に影響を及ぼすべき情状につき取調をすることができる。
3前二項の取調は、合議体の構成員にこれをさせ、又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。この場合には、受命裁判官及び受託裁判官は、裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。
4第一項又は第二項の規定による取調をしたときは、検察官及び弁護人は、その結果に基いて弁論をすることができる。
第一審において証拠とすることができた証拠は、控訴審においても、これを証拠とすることができる。
控訴の申立が法令上の方式に違反し、又は控訴権の消滅後にされたものであるときは、判決で控訴を棄却しなければならない。
第三百七十七条乃至第三百八十二条及び第三百八十三条に規定する事由がないときは、判決で控訴を棄却しなければならない。
第三百七十七条乃至第三百八十二条及び第三百八十三条に規定する事由があるときは、判決で原判決を破棄しなければならない。
2第三百九十三条第二項の規定による取調の結果、原判決を破棄しなければ明らかに正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。
不法に、管轄違を言い渡し、又は公訴を棄却したことを理由として原判決を破棄するときは、判決で事件を原裁判所に差し戻さなければならない。
不法に管轄を認めたことを理由として原判決を破棄するときは、判決で事件を管轄第一審裁判所に移送しなければならない。但し、控訴裁判所は、その事件について第一審の管轄権を有するときは、第一審として審判をしなければならない。
前二条に規定する理由以外の理由によつて原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所に差し戻し、又は原裁判所と同等の他の裁判所に移送しなければならない。但し、控訴裁判所は、訴訟記録並びに原裁判所及び控訴裁判所において取り調べた証拠によつて、直ちに判決をすることができるものと認めるときは、被告事件について更に判決をすることができる。
被告人の利益のため原判決を破棄する場合において、破棄の理由が控訴をした共同被告人に共通であるときは、その共同被告人のためにも原判決を破棄しなければならない。
被告人が控訴をし、又は被告人のため控訴をした事件については、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできない。
控訴裁判所は、拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴されている被告人であつて、保釈又は勾留の執行停止をされているものが判決を宣告する公判期日に出頭しないときは、次に掲げる判決以外の判決を宣告することができない。ただし、第三百九十条の二ただし書に規定する場合であつて、刑の執行のためその者を収容するのに困難を生ずるおそれがないと認めるときは、この限りでない。
2拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴されている被告人であつて、保釈又は勾留の執行停止を取り消されたものが勾留されていないときも、前項本文と同様とする。ただし、被告人が逃亡していることにより勾留することが困難であると見込まれる場合において、次に掲げる判決について、速やかに宣告する必要があると認めるときは、この限りでない。
即決裁判手続においてされた判決に対する控訴の申立ては、第三百八十四条の規定にかかわらず、当該判決の言渡しにおいて示された罪となるべき事実について第三百八十二条に規定する事由があることを理由としては、これをすることができない。
2原裁判所が即決裁判手続によつて判決をした事件については、第三百九十七条第一項の規定にかかわらず、控訴裁判所は、当該判決の言渡しにおいて示された罪となるべき事実について第三百八十二条に規定する事由があることを理由としては、原判決を破棄することができない。
拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた被告人について、次に掲げる裁判の告知があつたときは、当該被告人に対しては、第三百四十二条の二の規定は、適用しない。
2前項第一号に掲げる判決の宣告があつた場合(第四百条ただし書の規定により更に第三百四十五条に規定する裁判をした場合を除く。)には、第三百四十二条の八第一項(第一号に係る部分に限り、第四百四条において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る勾留状は、その効力を失う。
3拘禁刑以上の刑に処する判決に対する控訴が棄却されたときは、第三百四十二条の二(第四百四条において準用する場合を含む。)の許可は、その効力を失う。
次に掲げる裁判の告知があつたときは、第三百四十五条の二(次条において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による決定は、その効力を失う。
2前項第一号に掲げる判決の宣告があつた場合(第四百条ただし書の規定により更に第三百四十五条に規定する裁判をした場合を除く。)には、第三百四十五条の三(次条において準用する場合を含む。)において読み替えて準用する第三百四十二条の八第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定による決定に係る勾留状は、その効力を失う。
第二編中公判に関する規定は、この法律に特別の定のある場合を除いては、控訴の審判についてこれを準用する。
高等裁判所がした第一審又は第二審の判決に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。
最高裁判所は、前条の規定により上告をすることができる場合以外の場合であつても、法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件については、その判決確定前に限り、裁判所の規則の定めるところにより、自ら上告審としてその事件を受理することができる。
上告趣意書には、裁判所の規則の定めるところにより、上告の申立の理由を明示しなければならない。
上告裁判所は、上告趣意書その他の書類によつて、上告の申立の理由がないことが明らかであると認めるときは、弁論を経ないで、判決で上告を棄却することができる。
上告審においては、公判期日に被告人を召喚することを要しない。
上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由があるときは、判決で原判決を破棄しなければならない。但し、判決に影響を及ぼさないことが明らかな場合は、この限りでない。
2第四百五条第二号又は第三号に規定する事由のみがある場合において、上告裁判所がその判例を変更して原判決を維持するのを相当とするときは、前項の規定は、これを適用しない。
上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。
不法に管轄を認めたことを理由として原判決を破棄するときは、判決で事件を管轄控訴裁判所又は管轄第一審裁判所に移送しなければならない。
前条に規定する理由以外の理由によつて原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所若しくは第一審裁判所に差し戻し、又はこれらと同等の他の裁判所に移送しなければならない。但し、上告裁判所は、訴訟記録並びに原裁判所及び第一審裁判所において取り調べた証拠によつて、直ちに判決をすることができるものと認めるときは、被告事件について更に判決をすることができる。
第一審裁判所が即決裁判手続によつて判決をした事件については、第四百十一条の規定にかかわらず、上告裁判所は、当該判決の言渡しにおいて示された罪となるべき事実について同条第三号に規定する事由があることを理由としては、原判決を破棄することができない。
前章の規定は、この法律に特別の定のある場合を除いては、上告の審判についてこれを準用する。
上告裁判所は、その判決の内容に誤のあることを発見したときは、検察官、被告人又は弁護人の申立により、判決でこれを訂正することができる。
2前項の申立は、判決の宣告があつた日から十日以内にこれをしなければならない。
3上告裁判所は、適当と認めるときは、第一項に規定する者の申立により、前項の期間を延長することができる。
訂正の判決は、弁論を経ないでもこれをすることができる。
上告裁判所の判決は、宣告があつた日から第四百十五条の期間を経過したとき、又はその期間内に同条第一項の申立があつた場合には訂正の判決若しくは申立を棄却する決定があつたときに、確定する。
抗告は、特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合の外、裁判所のした決定に対してこれをすることができる。但し、この法律に特別の定のある場合は、この限りでない。
裁判所の管轄又は訴訟手続に関し判決前にした決定に対しては、この法律に特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合を除いては、抗告をすることはできない。
2前項の規定は、勾留、保釈、押収(電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。)、押収物の還付、電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)又は第百二十三条の二第一項(第五百十三条第十項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による複写に関する決定及び鑑定のためにする留置に関する決定については、これを適用しない。
3勾留に対しては、前項の規定にかかわらず、犯罪の嫌疑がないことを理由として抗告をすることはできない。
抗告は、即時抗告を除いては、何時でもこれをすることができる。但し、原決定を取り消しても実益がないようになつたときは、この限りでない。
即時抗告の提起期間は、三日とする。
抗告をするには、申立書を原裁判所に差し出さなければならない。
2原裁判所は、抗告を理由があるものと認めるときは、決定を更正しなければならない。抗告の全部又は一部を理由がないと認めるときは、申立書を受け取つた日から三日以内に意見書を添えて、これを抗告裁判所に送付しなければならない。
抗告は、即時抗告を除いては、裁判の執行を停止する効力を有しない。但し、原裁判所は、決定で、抗告の裁判があるまで執行を停止することができる。
2抗告裁判所は、決定で裁判の執行を停止することができる。
即時抗告の提起期間内及びその申立があつたときは、裁判の執行は、停止される。
抗告の手続がその規定に違反したとき、又は抗告が理由のないときは、決定で抗告を棄却しなければならない。
2抗告が理由のあるときは、決定で原決定を取り消し、必要がある場合には、更に裁判をしなければならない。
抗告裁判所の決定に対しては、抗告をすることはできない。
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