刑事訴訟法昭和二十三年法律第百三十一号
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検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧する機会を与えなければならない。但し、相手方に異議のないときは、この限りでない。
2裁判所が職権で証拠調の決定をするについては、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。
検察官又は弁護人は、前条第一項の規定により証人、鑑定人、通訳人若しくは翻訳人の氏名及び住居を知る機会を与え又は証拠書類若しくは証拠物を閲覧する機会を与えるに当たり、証人、鑑定人、通訳人若しくは翻訳人若しくは証拠書類若しくは証拠物にその氏名が記載され若しくは記録されている者若しくはこれらの親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるときは、相手方に対し、その旨を告げ、これらの者の住居、勤務先その他その通常所在する場所が特定される事項が、犯罪の証明若しくは犯罪の捜査又は被告人の防御に関し必要がある場合を除き、関係者(被告人を含む。)に知られないようにすることその他これらの者の安全が脅かされることがないように配慮することを求めることができる。
検察官は、第二百九十九条第一項の規定により証人の氏名及び住居を知る機会を与え又は証拠書類若しくは証拠物を閲覧する機会を与えるに当たり、被害者特定事項が明らかにされることにより、被害者等の名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は被害者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え若しくはこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるときは、弁護人に対し、その旨を告げ、被害者特定事項が、被告人の防御に関し必要がある場合を除き、被告人その他の者に知られないようにすることを求めることができる。ただし、第二百七十一条の二第二項の規定により起訴状抄本等を提出した場合を除き、被告人に知られないようにすることを求めることについては、被害者特定事項のうち起訴状に記載された事項以外のものに限る。
検察官は、第二百九十九条第一項の規定により証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名及び住居を知る機会を与えるべき場合において、その者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるときは、弁護人に対し、当該氏名及び住居を知る機会を与えた上で、当該氏名又は住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、又は被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。
2第二百九十九条第一項の規定により証人の氏名及び住居を知る機会を与えるべき場合において、第二百七十一条の二第二項の規定により起訴状抄本等を提出した場合又は第三百十二条の二第二項の規定により訴因変更等請求書面抄本等(同項に規定する訴因変更等請求書面抄本等をいう。以下この条及び次条第二項第一号において同じ。)を提出した場合(第三百十二条第一項の請求を却下する決定があつた場合を除く。第七項において同じ。)であつて、当該氏名又は住居が起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないもの又は訴因変更等請求書面(第三百十二条第四項に規定する訴因変更等請求書面をいう。以下この条及び同号において同じ。)に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等に記載がないもの(いずれも第二百七十一条の五第一項(第三百十二条の二第四項において読み替えて準用する場合を含む。)の決定により通知することとされたものを除く。第七項及び同号において同じ。)に該当し、かつ、第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認めるときも、前項と同様とする。この場合において、同項ただし書中「証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人」とあるのは、「証人」とする。
3検察官は、第一項本文の場合において、同項本文の規定による措置によつては同項本文に規定する行為を防止できないおそれがあると認めるとき(被告人に弁護人がないときを含む。)は、その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなる場合その他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがある場合を除き、被告人及び弁護人に対し、その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名又は住居を知る機会を与えないことができる。この場合において、被告人又は弁護人に対し、氏名にあつてはこれに代わる呼称を、住居にあつてはこれに代わる連絡先を知る機会を与えなければならない。
4第二百九十九条第一項の規定により証人の氏名及び住居を知る機会を与えるべき場合において、第二百七十一条の三第三項又は第二百七十一条の四第四項(これらの規定を第三百十二条の二第四項において準用する場合を含む。第九項において同じ。)の規定により起訴状抄本等又は訴因変更等請求書面抄本等を提出した場合(第三百十二条第一項の請求を却下する決定があつた場合を除く。第九項において同じ。)であつて、当該氏名又は住居が起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないもの又は訴因変更等請求書面に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等に記載がないもの(いずれも第二百七十一条の五第一項又は第二項(これらの規定を第三百十二条の二第四項において準用する場合を含む。)の決定により通知することとされたものを除く。第九項において同じ。)に該当し、かつ、第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認めるときも、前項と同様とする。この場合において、同項中「証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の供述」とあるのは「証人の供述」と、「その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名」とあるのは「当該氏名」とする。
5第二項前段に規定する場合において、被告人に弁護人がないときも、第三項と同様とする。この場合において、同項中「証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の供述」とあるのは「証人の供述」と、「その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名」とあるのは「当該氏名」とする。
6検察官は、第二百九十九条第一項の規定により証拠書類又は証拠物を閲覧する機会を与えるべき場合において、証拠書類若しくは証拠物に氏名若しくは住居が記載され若しくは記録されている者であつて検察官が証人、鑑定人、通訳人若しくは翻訳人として尋問を請求するもの若しくは供述録取書等の供述者(以下この項及び第八項において「検察官請求証人等」という。)若しくは検察官請求証人等の親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるときは、弁護人に対し、証拠書類又は証拠物を閲覧する機会を与えた上で、その検察官請求証人等の氏名又は住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、又は被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、その検察官請求証人等の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。
7第二百九十九条第一項の規定により証拠書類又は証拠物を閲覧する機会を与えるべき場合において、第二百七十一条の二第二項の規定により起訴状抄本等を提出した場合又は第三百十二条の二第二項の規定により訴因変更等請求書面抄本等を提出した場合であつて、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないもの又は訴因変更等請求書面に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等に記載がないものが第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認めるときも、前項と同様とする。この場合において、同項中「その検察官請求証人等の氏名又は住居」とあるのは「これらに記載され又は記録されているこれらの個人特定事項」と、同項ただし書中「その検察官請求証人等」とあるのは「これらの個人特定事項に係る証人」とする。
8検察官は、第六項本文の場合において、同項本文の規定による措置によつては同項本文に規定する行為を防止できないおそれがあると認めるとき(被告人に弁護人がないときを含む。)は、その検察官請求証人等の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなる場合その他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがある場合を除き、被告人及び弁護人に対し、証拠書類又は証拠物のうちその検察官請求証人等の氏名又は住居が記載され又は記録されている部分について閲覧する機会を与えないことができる。この場合において、被告人又は弁護人に対し、氏名にあつてはこれに代わる呼称を、住居にあつてはこれに代わる連絡先を知る機会を与えなければならない。
9第二百九十九条第一項の規定により証拠書類又は証拠物を閲覧する機会を与えるべき場合において、第二百七十一条の三第三項又は第二百七十一条の四第四項の規定により起訴状抄本等又は訴因変更等請求書面抄本等を提出した場合であつて、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないもの又は訴因変更等請求書面に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等に記載がないものが第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認めるときも、前項と同様とする。この場合において、同項中「その検察官請求証人等の供述」とあるのは「これらの個人特定事項に係る証人の供述」と、「その検察官請求証人等の氏名又は住居」とあるのは「これらの個人特定事項」とする。
10第七項前段に規定する場合において、被告人に弁護人がないときも、第八項と同様とする。この場合において、同項中「その検察官請求証人等の供述」とあるのは「これらの個人特定事項に係る証人の供述」と、「その検察官請求証人等の氏名又は住居」とあるのは「これらの個人特定事項」とする。
11検察官は、前各項の規定による措置をとつたときは、速やかに、裁判所にその旨を通知しなければならない。
裁判所は、検察官が前条第一項、第三項、第六項又は第八項の規定による措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、決定で、当該措置の全部又は一部を取り消さなければならない。
2検察官が前条第二項、第四項、第五項、第七項、第九項又は第十項の規定による措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときも、前項と同様とする。
3裁判所は、第一項第二号又は第三号に該当すると認めて検察官がとつた措置の全部又は一部を取り消す場合において、同項第一号に規定する行為がなされるおそれがあると認めるときは、弁護人に対し、当該措置に係る者の氏名又は住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、又は被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、当該条件を付し、又は当該時期若しくは方法の指定をすることにより、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。
4第二項第三号から第五号までに該当すると認めて検察官がとつた措置の全部又は一部を取り消す場合において、第二百七十一条の二第一項第一号ハ(1)若しくは第二号イに規定する名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されるおそれ又は同項第一号ハ(2)若しくは第二号ロに規定する行為がなされるおそれがあると認めるときも、前項と同様とする。この場合において、同項中「者の氏名又は住居」とあるのは、「個人特定事項」とする。
5裁判所は、第一項又は第二項の請求について決定をするときは、検察官の意見を聴かなければならない。
6第一項又は第二項の請求についてした決定(第三項又は第四項の規定により条件を付し、又は時期若しくは方法を指定する裁判を含む。)に対しては、即時抗告をすることができる。
裁判所は、検察官がとつた第二百九十九条の四第一項若しくは第六項の規定による措置に係る者若しくは裁判所がとつた前条第三項の規定による措置に係る者若しくはこれらの親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認める場合において、検察官及び弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、弁護人が第四十条第一項の規定により訴訟に関する書類又は証拠物を閲覧し又は謄写するに当たり、これらに記載され又は記録されている当該措置に係る者の氏名又は住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、又は被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。
2裁判所は、検察官がとつた第二百九十九条の四第三項若しくは第八項の規定による措置に係る者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認める場合において、検察官及び弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、弁護人が第四十条第一項の規定により訴訟に関する書類又は証拠物を閲覧し又は謄写するについて、これらのうち当該措置に係る者の氏名若しくは住居が記載され若しくは記録されている部分の閲覧若しくは謄写を禁じ、又は当該氏名若しくは住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、若しくは被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。
3裁判所は、検察官がとつた第二百九十九条の四第一項若しくは第六項の規定による措置に係る者若しくは裁判所がとつた前条第三項の規定による措置に係る者若しくはこれらの親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認める場合において、弁護人から第四十六条の規定による請求があつた場合であつて、検察官及び弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、弁護人に裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本を交付するに当たり、これらに記載されている当該措置に係る者の氏名又は住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、又は被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。
4裁判所は、検察官がとつた第二百九十九条の四第三項若しくは第八項の規定による措置に係る者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認める場合において、弁護人から第四十六条の規定による請求があつた場合であつて、検察官及び弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、裁判書若しくは裁判を記載した調書の抄本であつて当該措置に係る者の氏名若しくは住居の記載がないものを交付し、又は弁護人に裁判書若しくは裁判を記載した調書の謄本若しくは抄本を交付するに当たり、当該氏名若しくは住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、若しくは被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。
5裁判所は、検察官がとつた第二百九十九条の四第一項、第三項、第六項若しくは第八項の規定による措置に係る者若しくは裁判所がとつた前条第三項の規定による措置に係る者若しくはこれらの親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認める場合において、被告人その他訴訟関係人(検察官及び弁護人を除く。)から第四十六条の規定による請求があつた場合であつて、検察官及び当該請求をした被告人その他訴訟関係人の意見を聴き、相当と認めるときは、裁判書又は裁判を記載した調書の抄本であつて当該措置に係る者の氏名又は住居の記載がないものを交付することができる。ただし、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。
6裁判所は、検察官がとつた第二百九十九条の四第一項、第三項、第六項若しくは第八項の規定による措置に係る者若しくは裁判所がとつた前条第三項の規定による措置に係る者若しくはこれらの親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認める場合において、検察官及び被告人の意見を聴き、相当と認めるときは、被告人が第四十九条の規定により公判調書を閲覧し又はその朗読を求めるについて、このうち当該措置に係る者の氏名若しくは住居が記載され若しくは記録されている部分の閲覧を禁じ、又は当該部分の朗読の求めを拒むことができる。ただし、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。
検察官は、第二百九十九条の四第一項、第二項、第六項若しくは第七項の規定により付した条件に弁護人が違反したとき、又はこれらの規定による時期若しくは方法の指定に弁護人が従わなかつたときは、弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会又は日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求することができる。
2裁判所は、第二百九十九条の五第三項若しくは第四項若しくは前条第一項から第四項までの規定により付した条件に弁護人が違反したとき、又はこれらの規定による時期若しくは方法の指定に弁護人が従わなかつたときは、弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会又は日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求することができる。
3前二項の規定による請求を受けた者は、そのとつた処置をその請求をした検察官又は裁判所に通知しなければならない。
第三百二十一条第一項第二号後段の規定により証拠とすることができる書面については、検察官は、必ずその取調を請求しなければならない。
第三百二十二条及び第三百二十四条第一項の規定により証拠とすることができる被告人の供述が自白である場合には、犯罪事実に関する他の証拠が取り調べられた後でなければ、その取調を請求することはできない。
次に掲げる事件については、検察官は、第三百二十二条第一項の規定により証拠とすることができる書面であつて、当該事件についての第百九十八条第一項の規定による取調べ(逮捕又は勾留されている被疑者の取調べに限る。第三項において同じ。)又は第二百三条第一項、第二百四条第一項若しくは第二百五条第一項(第二百十一条及び第二百十六条においてこれらの規定を準用する場合を含む。第三項において同じ。)の弁解の機会に際して作成され、かつ、被告人に不利益な事実の承認を内容とするものの取調べを請求した場合において、被告人又は弁護人が、その取調べの請求に関し、その承認が任意にされたものでない疑いがあることを理由として異議を述べたときは、その承認が任意にされたものであることを証明するため、当該書面が作成された取調べ又は弁解の機会の開始から終了に至るまでの間における被告人の供述及びその状況を第四項の規定により記録した記録媒体の取調べを請求しなければならない。ただし、同項各号のいずれかに該当することにより同項の規定による記録が行われなかつたことその他やむを得ない事情によつて当該記録媒体が存在しないときは、この限りでない。
2検察官が前項の規定に違反して同項に規定する記録媒体の取調べを請求しないときは、裁判所は、決定で、同項に規定する書面の取調べの請求を却下しなければならない。
3前二項の規定は、第一項各号に掲げる事件について、第三百二十四条第一項において準用する第三百二十二条第一項の規定により証拠とすることができる被告人以外の者の供述であつて、当該事件についての第百九十八条第一項の規定による取調べ又は第二百三条第一項、第二百四条第一項若しくは第二百五条第一項の弁解の機会に際してされた被告人の供述(被告人に不利益な事実の承認を内容とするものに限る。)をその内容とするものを証拠とすることに関し、被告人又は弁護人が、その承認が任意にされたものでない疑いがあることを理由として異議を述べた場合にこれを準用する。
4検察官又は検察事務官は、第一項各号に掲げる事件(同項第三号に掲げる事件のうち、関連する事件が送致され又は送付されているものであつて、司法警察員が現に捜査していることその他の事情に照らして司法警察員が送致し又は送付することが見込まれるものを除く。)について、逮捕若しくは勾留されている被疑者を第百九十八条第一項の規定により取り調べるとき又は被疑者に対し第二百四条第一項若しくは第二百五条第一項(第二百十一条及び第二百十六条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定により弁解の機会を与えるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、被疑者の供述及びその状況を録音及び録画を同時に行う方法により記録媒体に記録しておかなければならない。司法警察職員が、第一項第一号又は第二号に掲げる事件について、逮捕若しくは勾留されている被疑者を第百九十八条第一項の規定により取り調べるとき又は被疑者に対し第二百三条第一項(第二百十一条及び第二百十六条において準用する場合を含む。)の規定により弁解の機会を与えるときも、同様とする。
第三百二十一条乃至第三百二十三条又は第三百二十六条の規定により証拠とすることができる書面が捜査記録の一部であるときは、検察官は、できる限り他の部分と分離してその取調を請求しなければならない。
公判準備においてした証人その他の者の尋問、検証、押収(電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。)、捜索及び電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)(当該電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させることを含む。)の結果を記載した書面並びに押収した物及び電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)により提供させた電磁的記録を記録した記録媒体については、裁判所は、公判期日において証拠書類又は証拠物としてこれを取り調べなければならない。
証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人は、裁判長又は陪席の裁判官が、まず、これを尋問する。
2検察官、被告人又は弁護人は、前項の尋問が終つた後、裁判長に告げて、その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人を尋問することができる。この場合において、その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の取調が、検察官、被告人又は弁護人の請求にかかるものであるときは、請求をした者が、先に尋問する。
3裁判所は、適当と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、前二項の尋問の順序を変更することができる。
裁判所は、証人を尋問する場合において、証人が被告人の面前(第百五十七条の五第一項に規定する措置を採る場合並びに第百五十七条の六第一項及び第二項に規定する方法による場合を含む。)においては圧迫を受け充分な供述をすることができないと認めるときは、弁護人が出頭している場合に限り、検察官及び弁護人の意見を聴き、その証人の供述中被告人を退廷させることができる。この場合には、供述終了後被告人を入廷させ、これに証言の要旨を告知し、その証人を尋問する機会を与えなければならない。
検察官、被告人又は弁護人の請求により、証拠書類の取調べをするについては、裁判長は、その取調べを請求した者にこれを朗読させなければならない。ただし、裁判長は、自らこれを朗読し、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記官にこれを朗読させることができる。
2裁判所が職権で証拠書類の取調べをするについては、裁判長は、自らその書類を朗読し、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記官にこれを朗読させなければならない。
3第二百九十条の二第一項又は第三項の決定があつたときは、前二項の規定による証拠書類の朗読は、被害者特定事項を明らかにしない方法でこれを行うものとする。
4第二百九十条の三第一項の決定があつた場合における第一項又は第二項の規定による証拠書類の朗読についても、前項と同様とする。この場合において、同項中「被害者特定事項」とあるのは、「証人等特定事項」とする。
5第百五十七条の六第五項の規定により記録媒体がその一部とされた調書の取調べについては、第一項又は第二項の規定による朗読に代えて、当該記録媒体を再生するものとする。ただし、裁判長は、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、当該記録媒体の再生に代えて、当該調書の取調べを請求した者、陪席の裁判官若しくは裁判所書記官に当該調書に記録された供述の内容を告げさせ、又は自らこれを告げることができる。
6裁判所は、前項の規定により第百五十七条の六第五項に規定する記録媒体を再生する場合において、必要と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、第百五十七条の五に規定する措置を採ることができる。
検察官、被告人又は弁護人の請求により、証拠物の取調をするについては、裁判長は、請求をした者をしてこれを示させなければならない。但し、裁判長は、自らこれを示し、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記にこれを示させることができる。
2裁判所が職権で証拠物の取調をするについては、裁判長は、自らこれを訴訟関係人に示し、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記にこれを示させなければならない。
証拠物中書面の意義が証拠となるものの取調をするについては、前条の規定による外、第三百五条の規定による。
検察官、被告人又は弁護人の請求により、電磁的記録の取調べをするについては、裁判長は、証拠となる事項に応じ、その取調べを請求した者に、その内容を朗読させ、表示させ、又は再生させなければならない。ただし、裁判長は、自らこれらの措置をとり、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記官にこれらの措置をとらせることができる。
2裁判所が職権で電磁的記録の取調べをするについては、裁判長は、自ら前項に規定する措置をとり、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記官にこれらの措置をとらせなければならない。
3第三百五条第三項及び第四項の規定は、前二項の規定による措置について準用する。
第二百九十一条の二の決定があつた事件については、第二百九十六条、第二百九十七条、第三百条から第三百二条まで及び第三百四条から前条までの規定は、これを適用せず、証拠調べは、公判期日において、適当と認める方法でこれを行うことができる。
裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人に対し、証拠の証明力を争うために必要とする適当な機会を与えなければならない。
検察官、被告人又は弁護人は、証拠調に関し異議を申し立てることができる。
2検察官、被告人又は弁護人は、前項に規定する場合の外、裁判長の処分に対して異議を申し立てることができる。
3裁判所は、前二項の申立について決定をしなければならない。
証拠調を終つた証拠書類又は証拠物は、遅滞なくこれを裁判所に提出しなければならない。但し、裁判所の許可を得たときは、原本に代え、その謄本を提出することができる。
被告人は、終始沈黙し、又は個々の質問に対し、供述を拒むことができる。
2被告人が任意に供述をする場合には、裁判長は、何時でも必要とする事項につき被告人の供述を求めることができる。
3陪席の裁判官、検察官、弁護人、共同被告人又はその弁護人は、裁判長に告げて、前項の供述を求めることができる。
裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。
2裁判所は、審理の経過に鑑み適当と認めるときは、訴因又は罰条を追加又は変更すべきことを命ずることができる。
3第一項の請求は、書面を提出してしなければならない。
4検察官は、第一項の請求と同時に、被告人に送達するものとして、前項の書面(以下「訴因変更等請求書面」という。)の謄本を裁判所に提出しなければならない。
5裁判所は、前項の規定による訴因変更等請求書面の謄本の提出があつたときは、遅滞なくこれを被告人に送達しなければならない。
6第三項の規定にかかわらず、被告人が在廷する公判廷においては、第一項の請求は、口頭ですることができる。この場合においては、第四項の規定は、適用しない。
7裁判所は、訴因又は罰条の追加又は変更により被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、決定で、被告人に十分な防御の準備をさせるため必要な期間公判手続を停止しなければならない。
検察官は、訴因変更等請求書面に記載された第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第五項の規定による訴因変更等請求書面の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。
2前項の規定による求めは、裁判所に対し、訴因変更等請求書面とともに、被告人に送達するものとして、当該求めに係る個人特定事項の記載がない訴因変更等請求書面の抄本その他の訴因変更等請求書面の謄本に代わるもの(以下この条において「訴因変更等請求書面抄本等」という。)を提出して行わなければならない。
3裁判所は、前項の規定による訴因変更等請求書面抄本等の提出があつたときは、前条第五項の規定にかかわらず、遅滞なく訴因変更等請求書面抄本等を被告人に送達しなければならない。
4第二百七十一条の三から第二百七十一条の八までの規定は、第二項の規定による訴因変更等請求書面抄本等の提出がある場合について準用する。この場合において、第二百七十一条の三第三項中「前条第一項第一号ハ(1)」とあるのは「第二百七十一条の二第一項第一号ハ(1)」と、第二百七十一条の五第一項中「第二百七十一条の二第四項」とあるのは「第三百十二条の二第三項」と、第二百七十一条の六第五項及び第二百七十一条の八第一項中「同条第一項第一号」とあるのは「第二百七十一条の二第一項第一号」と読み替えるものとする。
裁判所は、適当と認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、決定を以て、弁論を分離し若しくは併合し、又は終結した弁論を再開することができる。
2裁判所は、被告人の権利を保護するため必要があるときは、裁判所の規則の定めるところにより、決定を以て弁論を分離しなければならない。
この法律の規定に基づいて裁判所若しくは裁判長又は裁判官が付した弁護人の選任は、弁論が併合された事件についてもその効力を有する。ただし、裁判所がこれと異なる決定をしたときは、この限りでない。
2前項ただし書の決定をするには、あらかじめ、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。
被告人が心神喪失の状態に在るときは、検察官及び弁護人の意見を聴き、決定で、その状態の続いている間公判手続を停止しなければならない。但し、無罪、免訴、刑の免除又は公訴棄却の裁判をすべきことが明らかな場合には、被告人の出頭を待たないで、直ちにその裁判をすることができる。
2被告人が病気のため出頭することができないときは、検察官及び弁護人の意見を聴き、決定で、出頭することができるまで公判手続を停止しなければならない。但し、第二百八十四条及び第二百八十五条の規定により代理人を出頭させた場合は、この限りでない。
3犯罪事実の存否の証明に欠くことのできない証人が病気のため公判期日に出頭することができないときは、公判期日外においてその取調をするのを適当と認める場合の外、決定で、出頭することができるまで公判手続を停止しなければならない。
4前三項の規定により公判手続を停止するには、医師の意見を聴かなければならない。
開廷後裁判官がかわつたときは、公判手続を更新しなければならない。但し、判決の宣告をする場合は、この限りでない。
第二百九十一条の二の決定が取り消されたときは、公判手続を更新しなければならない。但し、検察官及び被告人又は弁護人に異議がないときは、この限りでない。
地方裁判所において一人の裁判官のした訴訟手続は、被告事件が合議体で審判すべきものであつた場合にも、その効力を失わない。
裁判所は、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うため必要があると認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、第一回公判期日前に、決定で、事件の争点及び証拠を整理するための公判準備として、事件を公判前整理手続に付することができる。
2前項の決定又は同項の請求を却下する決定をするには、裁判所の規則の定めるところにより、あらかじめ、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。
3公判前整理手続は、この款に定めるところにより、訴訟関係人を出頭させて陳述させ、又は訴訟関係人に書面を提出させる方法により、行うものとする。
裁判所は、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うことができるよう、公判前整理手続において、十分な準備が行われるようにするとともに、できる限り早期にこれを終結させるように努めなければならない。
2訴訟関係人は、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うことができるよう、公判前整理手続において、相互に協力するとともに、その実施に関し、裁判所に進んで協力しなければならない。
公判前整理手続においては、次に掲げる事項を行うことができる。
裁判長は、訴訟関係人を出頭させて公判前整理手続をするときは、公判前整理手続期日を定めなければならない。
2公判前整理手続期日は、これを検察官、被告人及び弁護人に通知しなければならない。
3裁判長は、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、公判前整理手続期日を変更することができる。この場合においては、裁判所の規則の定めるところにより、あらかじめ、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。
公判前整理手続期日に検察官又は弁護人が出頭しないときは、その期日の手続を行うことができない。
弁護人が公判前整理手続期日に出頭しないとき、又は在席しなくなつたときは、裁判長は、職権で弁護人を付さなければならない。
2弁護人が公判前整理手続期日に出頭しないおそれがあるときは、裁判所は、職権で弁護人を付することができる。
被告人は、公判前整理手続期日に出頭することができる。
2裁判所は、必要と認めるときは、被告人に対し、公判前整理手続期日に出頭することを求めることができる。
3裁判長は、被告人を出頭させて公判前整理手続をする場合には、被告人が出頭する最初の公判前整理手続期日において、まず、被告人に対し、終始沈黙し、又は個々の質問に対し陳述を拒むことができる旨を告知しなければならない。
裁判所は、弁護人の陳述又は弁護人が提出する書面について被告人の意思を確かめる必要があると認めるときは、公判前整理手続期日において被告人に対し質問を発し、及び弁護人に対し被告人と連署した書面の提出を求めることができる。
裁判所は、合議体の構成員に命じ、公判前整理手続(第三百十六条の五第二号、第三号、第八号及び第十号から第十二号までの決定を除く。)をさせることができる。この場合において、受命裁判官は、裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。
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