刑事訴訟法昭和二十三年法律第百三十一号
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裁判所は、証人の重要性、年齢、職業、健康状態その他の事情と事案の軽重とを考慮した上、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、必要と認めるときは、裁判所外にこれを召喚し、又はその現在場所でこれを尋問することができる。
2前項の場合には、裁判所は、あらかじめ、検察官、被告人及び弁護人に、尋問事項を知る機会を与えなければならない。
3検察官、被告人又は弁護人は、前項の尋問事項に附加して、必要な事項の尋問を請求することができる。
裁判所は、検察官、被告人又は弁護人が前条の証人尋問に立ち会わなかつたときは、立ち会わなかつた者に、証人の供述の内容を知る機会を与えなければならない。
2前項の証人の供述が被告人に予期しなかつた著しい不利益なものである場合には、被告人又は弁護人は、更に必要な事項の尋問を請求することができる。
3裁判所は、前項の請求を理由がないものと認めるときは、これを却下することができる。
証人が正当な理由がなく宣誓又は証言を拒んだときは、決定で、十万円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。
2前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
正当な理由がなく宣誓又は証言を拒んだ者は、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
裁判所は、必要があるときは、決定で指定の場所に証人の同行を命ずることができる。証人が正当な理由がなく同行に応じないときは、これを勾引することができる。
裁判所外で証人を尋問すべきときは、合議体の構成員にこれをさせ、又は証人の現在地の地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。
2受託裁判官は、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に転嘱することができる。
3受託裁判官は、受託事項について権限を有しないときは、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に嘱託を移送することができる。
4受命裁判官又は受託裁判官は、証人の尋問に関し、裁判所又は裁判長に属する処分をすることができる。但し、第百五十条及び第百六十条の決定は、裁判所もこれをすることができる。
5第百五十八条第二項及び第三項並びに第百五十九条に規定する手続は、前項の規定にかかわらず、裁判所がこれをしなければならない。
証人は、旅費、日当及び宿泊料を請求することができる。但し、正当な理由がなく宣誓又は証言を拒んだ者は、この限りでない。
2証人は、あらかじめ旅費、日当又は宿泊料の支給を受けた場合において、正当な理由がなく、出頭せず又は宣誓若しくは証言を拒んだときは、その支給を受けた費用を返納しなければならない。
裁判所は、学識経験のある者に鑑定を命ずることができる。
鑑定人には、宣誓をさせなければならない。
被告人の心神又は身体に関する鑑定をさせるについて必要があるときは、裁判所は、期間を定め、病院その他の相当な場所に被告人を留置することができる。
2前項の留置は、鑑定留置状を発してこれをしなければならない。
3第一項の留置につき必要があるときは、裁判所は、被告人を収容すべき病院その他の場所の管理者の申出により、又は職権で、司法警察職員に被告人の看守を命ずることができる。
4裁判所は、必要があるときは、留置の期間を延長し又は短縮することができる。
5勾留に関する規定は、この法律に特別の定のある場合を除いては、第一項の留置についてこれを準用する。但し、保釈に関する規定は、この限りでない。
6第一項の留置は、未決勾留日数の算入については、これを勾留とみなす。
勾留中の被告人に対し鑑定留置状が執行されたときは、被告人が留置されている間、勾留は、その執行を停止されたものとする。
2前項の場合において、前条第一項の処分が取り消され又は留置の期間が満了したときは、第九十八条の規定を準用する。
鑑定人は、鑑定について必要がある場合には、裁判所の許可を受けて、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り、身体を検査し、死体を解剖し、墳墓を発掘し、又は物を破壊することができる。
2裁判所は、前項の許可をするには、被告人の氏名、罪名及び立ち入るべき場所、検査すべき身体、解剖すべき死体、発掘すべき墳墓又は破壊すべき物並びに鑑定人の氏名その他裁判所の規則で定める事項を記載した許可状を発して、これをしなければならない。
3裁判所は、身体の検査に関し、適当と認める条件を附することができる。
4鑑定人は、第一項の処分を受ける者に許可状を示さなければならない。
5前三項の規定は、鑑定人が公判廷でする第一項の処分については、これを適用しない。
6第百三十一条、第百三十七条、第百三十八条及び第百四十条の規定は、鑑定人の第一項の規定によつてする身体の検査についてこれを準用する。
裁判所は、合議体の構成員に鑑定について必要な処分をさせることができる。但し、第百六十七条第一項に規定する処分については、この限りでない。
検察官及び弁護人は、鑑定に立ち会うことができる。この場合には、第百五十七条第二項の規定を準用する。
前章の規定は、勾引に関する規定を除き、鑑定について準用する。この場合において、第百五十七条の六第二項中「ときは、」とあるのは、「とき、又は鑑定人を尋問する場合(鑑定の経過及び結果に関する尋問をする場合を除く。)において、相当と認めるときは、」と読み替えるものとする。
身体の検査を受ける者が、鑑定人の第百六十八条第一項の規定によつてする身体の検査を拒んだ場合には、鑑定人は、裁判官にその者の身体の検査を請求することができる。
2前項の請求を受けた裁判官は、第十章の規定に準じ身体の検査をすることができる。
鑑定人は、旅費、日当及び宿泊料の外、鑑定料を請求し、及び鑑定に必要な費用の支払又は償還を受けることができる。
2鑑定人は、あらかじめ鑑定に必要な費用の支払を受けた場合において、正当な理由がなく、出頭せず又は宣誓若しくは鑑定を拒んだときは、その支払を受けた費用を返納しなければならない。
特別の知識によつて知り得た過去の事実に関する尋問については、この章の規定によらないで、前章の規定を適用する。
国語に通じない者に陳述をさせる場合には、通訳人に通訳をさせなければならない。
耳の聞えない者又は口のきけない者に陳述をさせる場合には、通訳人に通訳をさせることができる。
国語でない文字又は符号は、これを翻訳させることができる。
前章の規定は、通訳及び翻訳について準用する。この場合において、第百七十一条において準用する第百五十七条の六第二項中「場合において、次に掲げる場合であつて」とあるのは「場合において」と、「方法に」とあるのは「方法(当該方法による通訳又は翻訳が著しく困難であるときにあつては、音声の送受信により同時に通話をすることができる方法)に」と読み替えるものとする。
被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収(電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。)、捜索、電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。
2前項の請求を受けた裁判官は、その処分に関し、裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。
検察官及び弁護人は、裁判所において、前条第一項の処分に関する書類及び証拠物を閲覧し、及び謄写することができる。ただし、弁護人が証拠物の謄写をするについては、裁判官の許可を受けなければならない。
2前項の規定にかかわらず、第百五十七条の六第五項に規定する記録媒体は、謄写することができない。
3被告人又は被疑者は、裁判官の許可を受け、裁判所において、第一項の書類及び証拠物を閲覧することができる。ただし、被告人又は被疑者に弁護人があるときは、この限りでない。
刑の言渡をしたときは、被告人に訴訟費用の全部又は一部を負担させなければならない。但し、被告人が貧困のため訴訟費用を納付することのできないことが明らかであるときは、この限りでない。
2被告人の責に帰すべき事由によつて生じた費用は、刑の言渡をしない場合にも、被告人にこれを負担させることができる。
3検察官のみが上訴を申し立てた場合において、上訴が棄却されたとき、又は上訴の取下げがあつたときは、上訴に関する訴訟費用は、これを被告人に負担させることができない。ただし、被告人の責めに帰すべき事由によつて生じた費用については、この限りでない。
4公訴が提起されなかつた場合において、被疑者の責めに帰すべき事由により生じた費用があるときは、被疑者にこれを負担させることができる。
共犯の訴訟費用は、共犯人に、連帯して、これを負担させることができる。
告訴、告発又は請求により公訴の提起があつた事件について被告人が無罪又は免訴の裁判を受けた場合において、告訴人、告発人又は請求人に故意又は重大な過失があつたときは、その者に訴訟費用を負担させることができる。
2告訴、告発又は請求があつた事件について公訴が提起されなかつた場合において、告訴人、告発人又は請求人に故意又は重大な過失があつたときも、前項と同様とする。
検察官以外の者が上訴又は再審若しくは正式裁判の請求を取り下げた場合には、その者に上訴、再審又は正式裁判に関する費用を負担させることができる。
裁判によつて訴訟手続が終了する場合において、被告人に訴訟費用を負担させるときは、職権でその裁判をしなければならない。この裁判に対しては、本案の裁判について上訴があつたときに限り、不服を申し立てることができる。
裁判によつて訴訟手続が終了する場合において、被告人以外の者に訴訟費用を負担させるときは、職権で別にその決定をしなければならない。この決定に対しては、即時抗告をすることができる。
裁判によらないで訴訟手続が終了する場合において、訴訟費用を負担させるときは、最終に事件の係属した裁判所が、職権でその決定をしなければならない。この決定に対しては、即時抗告をすることができる。
公訴が提起されなかつた場合において、訴訟費用を負担させるときは、検察官の請求により、裁判所が決定をもつてこれを行う。この決定に対しては、即時抗告をすることができる。
訴訟費用の負担を命ずる裁判にその額を表示しないときは、執行の指揮をすべき検察官が、これを算定する。
無罪の判決が確定したときは、国は、当該事件の被告人であつた者に対し、その裁判に要した費用の補償をする。ただし、被告人であつた者の責めに帰すべき事由によつて生じた費用については、補償をしないことができる。
2前項に定めるもののほか、再審開始の決定が確定した事件について、無罪の判決が確定したときは、国は、当該再審開始の決定に係る再審の請求をした者(検察官を除く。以下この章において「開始決定再審請求者」という。)に対し、その再審の請求の手続に要した費用の補償をする。ただし、開始決定再審請求者の責めに帰すべき事由によつて生じた費用については、補償をしないことができる。
3被告人であつた者又は開始決定再審請求者が、捜査又は審判を誤らせる目的で、虚偽の自白若しくは供述をし、又は他の有罪の証拠を作ることにより、被告人であつた者が公訴の提起を受けるに至つたものと認められるときは、前二項の補償の全部又は一部をしないことができる。
4第百八十八条の五第一項の規定による補償の請求がされている場合には、第百八十八条の四の規定により補償される費用については、第一項の補償をしない。
次の各号に掲げる補償は、当該各号に定める者の請求により、無罪の判決をした裁判所が、決定をもつてこれを行う。
2前項の請求は、無罪の判決が確定した後六月以内にこれをしなければならない。
3補償に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
検察官のみが上訴をした場合において、上訴が棄却され又は取り下げられて当該上訴に係る原裁判が確定したときは、これによつて無罪の判決が確定した場合を除き、国は、当該事件の被告人又は被告人であつた者に対し、上訴によりその審級において生じた費用の補償をする。ただし、被告人又は被告人であつた者の責めに帰すべき事由によつて生じた費用については、補償をしないことができる。
前条の補償は、被告人又は被告人であつた者の請求により、当該上訴裁判所であつた最高裁判所又は高等裁判所が、決定をもつてこれを行う。
2前項の請求は、当該上訴に係る原裁判が確定した後二箇月以内にこれをしなければならない。
3補償に関する決定で高等裁判所がしたものに対しては、第四百二十八条第二項の異議の申立てをすることができる。この場合には、即時抗告に関する規定をも準用する。
次の各号に掲げる費用の範囲は、当該各号に定めるものに限るものとし、その額に関しては、刑事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十一号)の規定中、被告人若しくは被告人であつた者又は開始決定再審請求者については証人、弁護人であつた者については弁護人に関する規定を準用する。
2裁判所は、公判準備若しくは公判期日又は前項第二号の審判の手続に出頭した弁護人が二人以上あつたときは、事件の性質、審理の状況その他の事情を考慮して、同項各号の弁護人であつた者の旅費、日当及び宿泊料を主任弁護人その他一部の弁護人に係るものに限ることができる。
補償の請求その他補償に関する手続、補償と他の法律による損害賠償との関係、補償を受ける権利の譲渡又は差押え及び被告人若しくは被告人であつた者又は開始決定再審請求者の相続人に対する補償については、この法律に特別の定めがある場合のほか、刑事補償法(昭和二十五年法律第一号)第一条に規定する補償の例による。
警察官は、それぞれ、他の法律又は国家公安委員会若しくは都道府県公安委員会の定めるところにより、司法警察職員として職務を行う。
2司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする。
森林、鉄道その他特別の事項について司法警察職員として職務を行うべき者及びその職務の範囲は、別に法律でこれを定める。
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