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民法第九百六十二条 | LexCard
トップ›民法›第九百六十二条

民法明治二十九年法律第八十九号

第九百六十二条

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第五編 相続

第九百四十三条(財産分離の請求後の相続財産の管理)

財産分離の請求があったときは、家庭裁判所は、相続財産の管理について必要な処分を命ずることができる。

2第二十七条から第二十九条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合について準用する。

第九百四十四条(財産分離の請求後の相続人による管理)

相続人は、単純承認をした後でも、財産分離の請求があったときは、以後、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産の管理をしなければならない。ただし、家庭裁判所が相続財産の管理人を選任したときは、この限りでない。

2第六百四十五条から第六百四十七条まで並びに第六百五十条第一項及び第二項の規定は、前項の場合について準用する。

第九百四十五条(不動産についての財産分離の対抗要件)

財産分離は、不動産については、その登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

第九百四十六条(物上代位の規定の準用)

第三百四条の規定は、財産分離の場合について準用する。

第九百四十七条(相続債権者及び受遺者に対する弁済)

相続人は、第九百四十一条第一項及び第二項の期間の満了前には、相続債権者及び受遺者に対して弁済を拒むことができる。

2財産分離の請求があったときは、相続人は、第九百四十一条第二項の期間の満了後に、相続財産をもって、財産分離の請求又は配当加入の申出をした相続債権者及び受遺者に、それぞれその債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。ただし、優先権を有する債権者の権利を害することはできない。

3第九百三十条から第九百三十四条までの規定は、前項の場合について準用する。

第九百四十八条(相続人の固有財産からの弁済)

財産分離の請求をした者及び配当加入の申出をした者は、相続財産をもって全部の弁済を受けることができなかった場合に限り、相続人の固有財産についてその権利を行使することができる。この場合においては、相続人の債権者は、その者に先立って弁済を受けることができる。

第九百四十九条(財産分離の請求の防止等)

相続人は、その固有財産をもって相続債権者若しくは受遺者に弁済をし、又はこれに相当の担保を供して、財産分離の請求を防止し、又はその効力を消滅させることができる。ただし、相続人の債権者が、これによって損害を受けるべきことを証明して、異議を述べたときは、この限りでない。

第九百五十条(相続人の債権者の請求による財産分離)

相続人が限定承認をすることができる間又は相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、相続人の債権者は、家庭裁判所に対して財産分離の請求をすることができる。

2第三百四条、第九百二十五条、第九百二十七条から第九百三十四条まで、第九百四十三条から第九百四十五条まで及び第九百四十八条の規定は、前項の場合について準用する。ただし、第九百二十七条の公告及び催告は、財産分離の請求をした債権者がしなければならない。

第九百五十一条(相続財産法人の成立)

相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。

第九百五十二条(相続財産の清算人の選任)

前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。

2前項の規定により相続財産の清算人を選任したときは、家庭裁判所は、遅滞なく、その旨及び相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、六箇月を下ることができない。

第九百五十三条(不在者の財産の管理人に関する規定の準用)

第二十七条から第二十九条までの規定は、前条第一項の相続財産の清算人(以下この章において単に「相続財産の清算人」という。)について準用する。

第九百五十四条(相続財産の清算人の報告)

相続財産の清算人は、相続債権者又は受遺者の請求があるときは、その請求をした者に相続財産の状況を報告しなければならない。

第九百五十五条(相続財産法人の不成立)

相続人のあることが明らかになったときは、第九百五十一条の法人は、成立しなかったものとみなす。ただし、相続財産の清算人がその権限内でした行為の効力を妨げない。

第九百五十六条(相続財産の清算人の代理権の消滅)

相続財産の清算人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に消滅する。

2前項の場合には、相続財産の清算人は、遅滞なく相続人に対して清算に係る計算をしなければならない。

第九百五十七条(相続債権者及び受遺者に対する弁済)

第九百五十二条第二項の公告があったときは、相続財産の清算人は、全ての相続債権者及び受遺者に対し、二箇月以上の期間を定めて、その期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、同項の規定により相続人が権利を主張すべき期間として家庭裁判所が公告した期間内に満了するものでなければならない。

2第九百二十七条第二項から第四項まで及び第九百二十八条から第九百三十五条まで(第九百三十二条ただし書を除く。)の規定は、前項の場合について準用する。

第九百五十八条(権利を主張する者がない場合)

第九百五十二条第二項の期間内に相続人としての権利を主張する者がないときは、相続人並びに相続財産の清算人に知れなかった相続債権者及び受遺者は、その権利を行使することができない。

第九百五十八条の二(特別縁故者に対する相続財産の分与)

前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。

2前項の請求は、第九百五十二条第二項の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。

第九百五十九条(残余財産の国庫への帰属)

前条の規定により処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する。この場合においては、第九百五十六条第二項の規定を準用する。

第九百六十条(遺言の方式)

遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。

第九百六十一条(遺言能力)

十五歳に達した者は、遺言をすることができる。

第九百六十二条

第五条、第九条、第十三条及び第十七条の規定は、遺言については、適用しない。

第九百六十三条

遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。

第九百六十四条(包括遺贈及び特定遺贈)

遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。

第九百六十五条(相続人に関する規定の準用)

第八百八十六条及び第八百九十一条の規定は、受遺者について準用する。

第九百六十六条(被後見人の遺言の制限)

被後見人が、後見の計算の終了前に、後見人又はその配偶者若しくは直系卑属の利益となるべき遺言をしたときは、その遺言は、無効とする。

2前項の規定は、直系血族、配偶者又は兄弟姉妹が後見人である場合には、適用しない。

第九百六十七条(普通の方式による遺言の種類)

遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない。ただし、特別の方式によることを許す場合は、この限りでない。

第九百六十八条(自筆証書遺言)

自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

2前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。

3自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

第九百六十九条(公正証書遺言)

公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。

一証人二人以上の立会いがあること。
二遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。

2前項の公正証書は、公証人法(明治四十一年法律第五十三号)の定めるところにより作成するものとする。

3第一項第一号の証人については、公証人法第三十条に規定する証人とみなして、同法の規定(同法第三十五条第三項の規定を除く。)を適用する。

第九百六十九条の二(公正証書遺言の方式の特則)

口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、前条第一項第二号の口授に代えなければならない。

2公証人は、前項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に記載し、又は記録しなければならない。

第九百七十条(秘密証書遺言)

秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。

一遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
二遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
三遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
四公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。

2第九百六十八条第三項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。

第九百七十一条(方式に欠ける秘密証書遺言の効力)

秘密証書による遺言は、前条に定める方式に欠けるものがあっても、第九百六十八条に定める方式を具備しているときは、自筆証書による遺言としてその効力を有する。

第九百七十二条(秘密証書遺言の方式の特則)

口がきけない者が秘密証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、その証書は自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を通訳人の通訳により申述し、又は封紙に自書して、第九百七十条第一項第三号の申述に代えなければならない。

2前項の場合において、遺言者が通訳人の通訳により申述したときは、公証人は、その旨を封紙に記載しなければならない。

3第一項の場合において、遺言者が封紙に自書したときは、公証人は、その旨を封紙に記載して、第九百七十条第一項第四号に規定する申述の記載に代えなければならない。

第九百七十三条(成年被後見人の遺言)

成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。

2遺言に立ち会った医師は、遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記して、これに署名し、印を押さなければならない。ただし、秘密証書による遺言にあっては、その封紙にその旨の記載をし、署名し、印を押さなければならない。

第九百七十四条(証人及び立会人の欠格事由)

次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。

一未成年者
二推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人
第九百七十五条(共同遺言の禁止)

遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。

第九百七十六条(死亡の危急に迫った者の遺言)

疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人三人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。この場合においては、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、印を押さなければならない。

2口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項の口授に代えなければならない。

3第一項後段の遺言者又は他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口授又は申述を受けた者は、同項後段に規定する筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者又は他の証人に伝えて、同項後段の読み聞かせに代えることができる。

4前三項の規定によりした遺言は、遺言の日から二十日以内に、証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。

5家庭裁判所は、前項の遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを確認することができない。

第九百七十七条(伝染病隔離者の遺言)

伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所に在る者は、警察官一人及び証人一人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。

第九百七十八条(在船者の遺言)

船舶中に在る者は、船長又は事務員一人及び証人二人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。

第九百七十九条(船舶遭難者の遺言)

船舶が遭難した場合において、当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者は、証人二人以上の立会いをもって口頭で遺言をすることができる。

2口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、通訳人の通訳によりこれをしなければならない。

3前二項の規定に従ってした遺言は、証人が、その趣旨を筆記して、これに署名し、印を押し、かつ、証人の一人又は利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。

4第九百七十六条第五項の規定は、前項の場合について準用する。

第九百八十条(遺言関係者の署名及び押印)

第九百七十七条及び第九百七十八条の場合には、遺言者、筆者、立会人及び証人は、各自遺言書に署名し、印を押さなければならない。

第九百八十一条(署名又は押印が不能の場合)

第九百七十七条から第九百七十九条までの場合において、署名又は印を押すことのできない者があるときは、立会人又は証人は、その事由を付記しなければならない。

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