この府令において「信用取引」とは、金融商品取引業者(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号。以下「法」という。)第二条第九項に規定する金融商品取引業者をいう。以下同じ。)が顧客(金融商品取引業者が顧客である場合における金融商品取引業者を含む。以下同じ。)に信用を供与して行う有価証券の売買その他の取引をいう。
2この府令において「発行日取引」とは、金融商品取引業者が顧客のために行う未発行の有価証券の売買その他の取引(新株予約権(当該新株予約権を行使することができる期間の初日が到来していないものを除く。)の目的である株式(法第二十九条の四の四第八項第一号に規定する有価証券に該当するものに限る。)の売買の媒介を除く。)であつて、当該有価証券の発行日(当該有価証券を引換えに取得することができる証書が作成された場合には、当該証書の最初の作成の日。以下同じ。)から一定の日を経過した日までに当該有価証券又は当該証書をもつて受渡しをするものをいう。
3この府令において「未決済勘定」とは、信用取引について顧客が金融商品取引業者から供与された信用に係る債務をいう。
4この府令において「対当売買」とは、発行日取引による買付けに係る有価証券の受渡しの終了前において、当該有価証券と同一銘柄の対当する数量の有価証券を売付けし、又は発行日取引による売付けに係る有価証券の受渡しの前において、当該有価証券と同一銘柄の対当する数量の有価証券を買付けする売買をいう。
法第百六十一条の二第一項に規定する取引及び同項の規定により当該取引に係る有価証券の時価に乗ずべき率は、次の各号に掲げる取引及び率とする。
2前項第一号に掲げる信用取引に係る有価証券の時価に乗ずべき率の規定は、信用取引が株券に係る法第二条第二十一項第三号に掲げる取引に係る権利行使によるものであり、当該信用取引を当該株券と同一銘柄の対当する数量の反対売買により決済するもの(受渡日が当該信用取引と同一日となる場合に限る。)である場合における当該信用取引については、これを適用しない。
3第一項第二号に掲げる発行日取引に係る有価証券の時価に乗ずべき率の規定は、発行日取引が対当売買又は有価証券等清算取次ぎによるものである場合における当該発行日取引については、これを適用しない。
金融商品取引業者が法第百六十一条の二第一項の規定により前条第一項各号に掲げる取引について顧客から預託を受けるべき金銭(以下「保証金」という。)の額は、当該取引に係る有価証券の約定価額に当該各号に掲げる率を乗じた額(以下「通常の最低限度額」という。)を下らない額とする。ただし、信用取引に係る保証金については、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該各号に掲げる額を下らない額とする。
金融商品取引業者は、その顧客のために信用取引又は発行日取引を行つたときは、その行つた日から起算して三日(休業日があるときは、その日数を加算した日数。)以内に、当該顧客から当該取引に係る保証金の預託を受けなければならない。
金融商品取引業者が、前条の規定により顧客から保証金として預託を受ける金銭の額については、信用取引について、当該顧客に対し当該信用取引に係る有価証券の約定価額に相当する額の信用供与以外に信用を供与したときは、その信用供与額、発行日取引について当該顧客に対し信用を供与したときは、その信用供与額を控除して、計算するものとする。
金融商品取引業者がその預託を受けるべき保証金の全部又は一部が法第百六十一条の二第二項の規定により有価証券をもつて代用される場合におけるその代用価格(第八条第二項において「代用価格」という。)は、預託する日の前日の時価(次の各号に掲げる市場においては、当該各号に定める時価をいう。第八条第二項及び第三項において同じ。)に株券については百分の八十、その他の有価証券については金融庁長官の認可を得て定める率(次の各号に掲げる市場においては、当該各号に定める率)を乗じた額を超えない額とする。
2金融商品取引業者は、その預託を受けるべき保証金の全部又は一部が法第百六十一条の二第二項の規定により社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する社債等で同条第二項に規定する振替機関が取り扱うもの(以下この項において「振替社債等」という。)をもつて代用される場合であつて、当該金融商品取引業者の口座における保有欄(同法に規定する保有欄をいう。)に当該振替社債等に係る記載又は記録を受けるときは、当該金融商品取引業者の取引のための欄と区分しなければならない。
金融商品取引業者は、顧客から信用取引に係る保証金として預託を受けた金銭又は有価証券については、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を控除した額に対応する範囲内において、これを引き出させることができる。
2前項の規定によるもののほか、金融商品取引業者は、顧客から信用取引に係る保証金として預託を受けた金銭又は有価証券については、次に掲げる場合に限り、これを引き出させることができる。
3金融商品取引業者は、その顧客のために新たな信用取引を行つたときは、第一号に掲げる額から第二号及び第三号に掲げる額の合計額を控除した額に対応する範囲内において、当該顧客から信用取引に係る保証金として預託を受けた金銭又は有価証券を第四条の規定により当該新たな信用取引に係る保証金として預託を受けるべき金銭の額に充当することができる。
4第一項第二号、第二項第一号ロ及び第二号ロ、前項第二号並びに次条第三項の約定価額は、信用取引に係る一切の有価証券のうち権利落ち後の有価証券があり、権利の価額を当該有価証券の売付代金又は買付代金から控除することにより未決済勘定の決済を行う場合(第一項第二号、第二項第一号ロ及び第二号ロ並びに前項第二号の約定価額(当該権利落ちに伴い顧客が有価証券を引き受ける場合において、権利の価額に相当する金銭の交付を受けていないときを除く。)並びに同条第三項の約定価額は、顧客が金融商品取引業者と当該決済を行うことを約している場合を含む。)には、権利の価額を控除した価額とする。
5金融商品取引業者は、顧客から発行日取引に係る保証金として預託を受けた金銭又は有価証券については、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を控除した額に対応する範囲内において、これを引き出させることができる。
6前項の規定によるもののほか、金融商品取引業者は、顧客から発行日取引に係る保証金として預託を受けた金銭又は有価証券については、次に掲げる場合に限り、これを引き出させることができる。
7金融商品取引業者は、その顧客のために新たな発行日取引を行つたときは、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を控除した額に対応する範囲内において、当該顧客から発行日取引に係る保証金として預託を受けた金銭又は有価証券を第四条の規定により当該新たな発行日取引に係る保証金として預託を受けるべき金銭の額に充当することができる。
第三条第二号並びに前条第一項第一号、第二項第一号イ及び第二号イ並びに第三項第一号に規定する受入保証金の総額又は同条第五項第一号、第六項第一号イ及び第二号イ並びに第七項第一号に規定する受入保証金の総額については、次に掲げる額のうち信用取引に係るもの又は発行日取引に係るものをそれぞれ差し引いて、計算するものとする。ただし、同条第二項第一号イ又は第六項第一号イに規定する受入保証金の総額については、決済をする未決済勘定に係る信用取引の第一号に掲げる額又は受渡しをする発行日取引の第二号に掲げる額を差し引かないものとする。
2前項に規定する受入保証金の総額の計算については、当該顧客の信用取引又は発行日取引に係る保証金の全部又は一部が有価証券をもつて代用されている場合におけるその代用価格は、第六条の規定にかかわらず、計算する日の前日の当該有価証券の時価に同条に規定する率を乗じた額によるものとする。
3第一項の当該顧客の信用取引又は発行日取引に係る有価証券の相場の変動に基づく損益は、当該有価証券の約定価額と計算する日の前日の時価(前日の時価がないときは、その直近の日の時価)により評価した価額との差損益とする。
4反対売買による利益額が生じた場合において、当該利益額に相当する金銭を当該反対売買による未決済勘定の決済の時に顧客から信用取引に係る保証金として預託を受けることとしているときは、第三条第二号並びに前条第一項第一号、第二項第一号イ及び第二号イ並びに第三項第一号に規定する受入保証金の総額については、当該利益額に相当する額を加えて計算することができる。
5前項の規定により同項の利益額に相当する額を加えて前条第三項第一号に規定する受入保証金の総額を計算する場合においては、当該利益額に相当する金銭を顧客から信用取引に係る保証金として預託を受けた金銭とみなして、同項の規定を適用する。
金融商品取引業者は、その顧客の信用取引又は発行日取引に係る有価証券の相場の変動により利益計算となる額を生じた場合において、その利益計算となる額に相当する金銭又は有価証券を、当該顧客に対し交付し、又は第四条の規定により保証金として預託を受けるべき金銭の額に充当してはならない。
2金融商品取引業者は、その顧客が対当売買を行つた場合において当該対当売買を行つたことにより利益計算となる額に相当する金銭又は有価証券を、当該顧客に対し当該売買及び当該対当売買の受渡しの終了前に交付し、又は第四条の規定により保証金として預託を受けるべき金銭の額に充当してはならない。
金融商品取引業者は、顧客が信用取引を行うことを有価証券の売買の注文と同時に明示しない取引については、当該顧客が当該取引による買付け又は売付けに係る有価証券について、これと対当する有価証券の売付け又は買付けにより、これを決済する取引を行つてはならない。
2前項の規定は、第二条第二項に規定する場合については、これを適用しない。
この府令は、商法等の一部を改正する等の法律の施行の日(平成十三年十月一日、以下「施行日」という。)から施行する。
この府令は、会社法の施行の日から施行する。
この府令は、平成十九年九月三十日から施行する。
この府令は、金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)の施行の日(令和七年五月一日)から施行する。
この府令の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの府令の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。