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土地収用法第百八条から第百十五条まで | LexCard
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土地収用法昭和二十六年法律第二百十九号

第百八条から第百十五条まで

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第六章 損失の補償

第九十二条(事業の廃止又は変更等に因る損失の補償)

第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた後、起業者が事業の全部若しくは一部を廃止し、若しくは変更し、第二十九条若しくは第三十四条の六の規定によつて事業の認定が失効し、又は第百条の規定により裁決が失効したことに因つて土地所有者又は関係人が損失を受けたときは、起業者は、これを補償しなければならない。

2前条第二項の規定は、前項の場合に準用する。

第九十三条(収用し、又は使用する土地以外の土地に関する損失の補償)

土地を収用し、又は使用(第百二十二条第一項又は第百二十三条第一項の規定によつて使用する場合を含む。)して、その土地を事業の用に供することにより、当該土地及び残地以外の土地について、通路、溝、垣、さくその他の工作物を新築し、改築し、増築し、若しくは修繕し、又は盛土若しくは切土をする必要があると認められるときは、起業者は、これらの工事をすることを必要とする者の請求により、これに要する費用の全部又は一部を補償しなければならない。この場合において、起業者又は当該工事をすることを必要とする者は、補償金の全部又は一部に代えて、起業者が当該工事を行うことを要求することができる。

2前項の規定による損失の補償は、事業に係る工事の完了の日から一年を経過した後においては、請求することができない。

第九十四条(前三条による損失の補償の裁決手続)

前三条の規定による損失の補償は、起業者と損失を受けた者(前条第一項に規定する工事をすることを必要とする者を含む。以下この条において同じ。)とが協議して定めなければならない。

2前項の規定による協議が成立しないときは、起業者又は損失を受けた者は、収用委員会の裁決を申請することができる。

3前項の規定による裁決を申請しようとする者は、国土交通省令で定める様式に従い、左に掲げる事項を記載した裁決申請書を収用委員会に提出しなければならない。

一裁決申請者の氏名及び住所
二相手方の氏名及び住所
三事業の種類
四損失の事実
五損失の補償の見積及びその内訳
六協議の経過

4第十九条の規定は、前項の規定による裁決申請書の欠陥の補正について準用する。この場合において、「前条」とあるのは「第九十四条第三項」と、「事業認定申請書」とあるのは「裁決申請書」と、「国土交通大臣又は都道府県知事」とあるのは「収用委員会」と読み替えるものとする。

5収用委員会は、第三項の規定による裁決申請書を受理したときは、前項において準用する第十九条第二項の規定により裁決申請書を却下する場合を除くの外、第三項の規定による裁決申請者及び裁決申請書に記載されている相手方にあらかじめ審理の期日及び場所を通知した上で、審理を開始しなければならない。

6第五十条及び第五章第二節(第六十三条第一項を除く。)の規定は、収用委員会が前項の規定によつて審理をする場合に準用する。この場合において、第五十条、第六十一条第一項、第六十三条第二項から第五項まで、第六十四条第二項及び第六十六条第三項中「起業者、土地所有者及び関係人」とあり、及び第五十条第二項中「収用し、又は使用しようとする土地の全部又は一部について起業者と土地所有者及び関係人の全員」とあるのは「裁決申請者及びその相手方」と、同条第二項及び第三項中「第四十八条第一項各号又は前条第一項各号に掲げるすべての事項」とあるのは「損失の補償及び補償をすべき時期」と、同条第五項中「権利取得裁決又は明渡裁決」とあるのは「第九十四条第八項の規定による裁決」と、第六十三条第三項中「前二項」とあるのは「前項」と、同条第四項中「第四十条第一項の規定による裁決申請書の添付書類により、若しくは第四十三条第一項の規定による意見書により申し立てた事項又は第一項若しくは第二項」とあるのは「第九十四条第三項の規定による裁決申請書により申し立てた事項又は第二項」と、第六十五条第一項第一号中「起業者、土地所有者若しくは関係人」とあるのは「裁決申請者若しくはその相手方」と、第六十五条の二第一項、第二項及び第七項中「土地所有者又は関係人」とあるのは「裁決申請者又はその相手方(これらの者のうち起業者である者を除く。)」と読み替えるものとする。

7収用委員会は、第二項の規定による裁決の申請がこの法律の規定に違反するときは、裁決をもつて申請を却下しなければならない。

8収用委員会は、前項の規定によつて申請を却下する場合を除くの外、損失の補償及び補償をすべき時期について裁決しなければならない。この場合において、収用委員会は、損失の補償については、裁決申請者及びその相手方が裁決申請書又は第六項において準用する第六十三条第二項の規定による意見書若しくは第六項において準用する第六十五条第一項第一号の規定に基いて提出する意見書によつて申し立てた範囲をこえて裁決してはならない。

9前項の規定による裁決に対して不服がある者は、第百三十三条第二項の規定にかかわらず、裁決書の正本の送達を受けた日から六十日以内に、損失があつた土地の所在地の裁判所に対して訴えを提起しなければならない。

10前項の規定による訴えの提起がなかつたときは、第八項の規定によつてされた裁決は、強制執行に関しては、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第二十二条第五号に掲げる債務名義とみなす。

11前項の規定による債務名義についての執行文の付与は、収用委員会の会長が行う。民事執行法第二十九条後段の送達も、同様とする。

12前項の規定による執行文付与に関する異議についての裁判は、収用委員会の所在地を管轄する地方裁判所においてする。

第七章 収用又は使用の効果

第九十五条(権利取得裁決に係る補償の払渡し又は供託等)

起業者は、権利取得裁決において定められた権利取得の時期までに、権利取得裁決に係る補償金、加算金及び過怠金(以下「補償金等」という。)の払渡、替地の譲渡及び引渡又は第八十六条第二項の規定に基く宅地の造成をしなければならない。

2起業者は、次に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、権利取得の時期までに補償金等を供託することができる。

一補償金等の提供をした場合において、補償金等を受けるべき者がその受領を拒んだとき。
二補償金等を受けるべき者が補償金等を受領することができないとき。
三起業者が補償金等を受けるべき者を確知することができないとき。ただし、起業者に過失があるときは、この限りでない。
四起業者が収用委員会の裁決した補償金等の額に対して不服があるとき。
五起業者が差押え又は仮差押えにより補償金等の払渡しを禁じられたとき。

3前項第四号の場合において補償金等を受けるべき者の請求があるときは、起業者は、自己の見積金額を払い渡し、裁決による補償金等の額との差額を供託しなければならない。

4起業者は、第四十八条第五項の規定による裁決があつた場合においては、第一項の規定にかかわらず、権利取得の時期までに、その裁決においてあるものとされた権利に係る補償金等(その裁決において併存し得ない二以上の権利があるものとされた場合においては、それらの権利に対する補償金等のうち最高額のもの)を供託しなければならない。裁決手続開始の登記前に仮登記又は買戻しの特約の登記がされた権利に係る補償金等についても、同様とする。

5起業者は、次に掲げる場合においては、第一項の規定にかかわらず、権利取得の時期までに替地を供託することができる。

一替地の提供をした場合において、替地を受けるべき者がその受領を拒んだとき。
二替地を受けるべき者が替地の譲渡又は引渡しを受けることができないとき。
三起業者が差押え又は仮差押えにより替地の譲渡又は引渡しを禁じられたとき。

6起業者は、裁決で定められた工事を完了すべき時期までに、権利取得裁決に係る第八十三条第二項の規定に基く耕地の造成をしなければならない。

第九十六条(差押え又は仮差押えがある場合の措置)

裁決手続開始の登記前にされた差押えに係る権利(先取特権、質権、抵当権その他当該差押えによる換価手続において消滅すべき権利を含むものとし、以下この条において、単に「差押えに係る権利」という。)について権利取得裁決又は明渡裁決があつたとき(明渡裁決にあつては、第七十八条又は第七十九条の規定による請求があつた場合に限る。)は、起業者は、前条の規定にかかわらず、権利取得の時期又は明渡しの期限までに、当該差押えに係る権利に対する補償金等を当該差押えによる配当手続を実施すべき機関に払い渡さなければならない。ただし、強制執行若しくは競売による代金の納付又は滞納処分による売却代金の支払があつた後においては、この限りでない。

2前項の規定により配当手続を実施すべき機関が払渡しを受けた金銭は、配当に関しては、強制執行若しくは競売による代金又は滞納処分による売却代金(使用の裁決に係るときは、それらの一部)とみなし、収用の裁決に係る場合におけるその払渡しを受けた時が強制競売又は競売に係る配当要求の終期の到来前であるときは、その時に配当要求の終期が到来したものとみなす。

3強制競売若しくは競売に係る売却許可決定後代金の納付前又は滞納処分による売却決定後売却代金の支払前に第一項本文の規定による払渡しがあつたときは、売却許可決定又は売却決定は、その効力を失う。

4起業者は、収用委員会の裁決した補償金等の額に対して不服があるときは、第一項の規定による払渡しをする際、自己の見積り金額を同項に規定する配当手続を実施すべき機関に通知しなければならない。

5第一項及び前項の規定は、裁決手続開始の登記前にされた仮差押えの執行に係る権利に対する補償金等の払渡しに準用する。

6起業者に第一項又は前項に規定する権利に対する補償金等の支払を命ずる判決が確定したときは、その補償金等の支払に関しては、第一項の規定による補償金等の例による。この場合において、起業者が補償金等を配当手続を実施すべき機関に払い渡したときは、補償金等の支払を命ずる判決に基づく給付をしたものとみなす。

7第一項又は前二項の規定による補償金等の裁判所への払渡し及びその払渡しがあつた場合における強制執行、仮差押えの執行又は競売に関しては、最高裁判所規則で民事執行法又は民事保全法(平成元年法律第九十一号)の特例その他必要な事項を、その補償金等の裁判所以外の配当手続を実施すべき機関への払渡し及びその払渡しがあつた場合における滞納処分に関しては、政令で国税徴収法の特例その他必要な事項を定めることができる。

第九十七条(明渡裁決に係る補償の払渡し又は供託等)

起業者は、明渡裁決で定められた明渡しの期限までに、明渡裁決に係る補償金の払渡し、第八十五条第二項の規定に基づく物件の移転の代行又は第八十六条第二項の規定に基づく宅地の造成をしなければならない。

2第九十五条第二項から第四項まで及び第六項の規定は、前項の場合に準用する。この場合において、同条第二項中「権利取得の時期」とあるのは「明渡しの期限」と、同条第四項中「第四十八条第五項」とあるのは「第四十九条第二項において準用する第四十八条第五項」と、「権利取得の時期」とあるのは「明渡しの期限」と、同条第六項中「権利取得裁決に係る第八十三条第二項の規定に基く耕地の造成」とあるのは「明渡裁決に係る第八十四条第二項の規定に基づく工事の代行」と読み替えるものとする。

第九十八条(担保の供託)

権利取得裁決又は明渡裁決に係る第八十三条第四項(第八十四条第三項において準用する場合を含む。以下第九十九条において同じ。)の規定に基く金銭又は有価証券の供託は、権利取得の時期又は明渡しの期限までにしなければならない。

第九十九条(供託の方法)

第八十三条第四項及び第九十五条第二項から第四項までの規定による金銭又は有価証券の供託は、収用し、又は使用しようとする土地の所在地の供託所にしなければならない。

2民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百九十五条第二項並びに非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第九十四条及び第九十八条の規定は、第九十五条第五項の規定による替地の供託について準用する。

3起業者は、前二項に規定する供託をしたときは、遅滞なく、その旨を補償金等、替地又は担保を取得すべき者(その供託が第九十五条第四項の規定によるものであるときは、土地所有者及び関係人)に通知しなければならない。

第百条(収用又は使用の裁決の失効)

起業者が権利取得裁決において定められた権利取得の時期までに、権利取得裁決に係る補償金等の払渡若しくは供託、替地の譲渡及び引渡若しくは供託、第八十六条第二項の規定に基く宅地の造成の提供又は第八十三条第四項の規定に基く金銭若しくは有価証券の供託をしないときは、権利取得裁決は、その効力を失い、裁決手続開始の決定は、取り消されたものとみなす。

2起業者が、明渡裁決において定められた明渡しの期限までに、明渡裁決に係る補償金の払渡し若しくは供託、第八十五条第二項の規定に基づく物件の移転の代行の提供、第八十六条第二項の規定に基づく宅地の造成の提供又は第八十四条第三項において準用する第八十三条第四項の規定に基づく金銭若しくは有価証券の供託をしないときは、明渡裁決は、その効力を失う。この場合において、第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた日から四年を経過していないときは、その期間経過前に限り、なお明渡裁決の申立てをすることができるものとし、その期間を経過しているときは、裁決手続開始の決定及び権利取得裁決は、取り消されたものとみなす。

第百条の二

起業者が、権利取得裁決において定められた権利取得の時期までに払渡しをすべき補償金等の全部を現金又は小切手等(銀行が振り出した小切手その他これと同程度の支払の確実性があるものとして国土交通省令で定める支払手段をいう。次項において同じ。)により書留郵便(国土交通大臣が定める方法によるものに限る。同項において同じ。)又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務のうち書留郵便に準ずるものとして国土交通大臣が定めるもの(次項において「書留郵便等」という。)に付して、当該権利取得の時期から国内において郵便物が配達されるために通常要する期間を勘案して政令で定める一定の期間前までに、補償金等を受けるべき者の住所(国内にあるものに限る。)にあてて発送した場合における前条第一項の規定の適用については、当該補償金等の全部は、当該権利取得の時期までに払い渡されたものとみなす。

2起業者が、明渡裁決において定められた明渡しの期限までに払渡しをすべき補償金の全部を現金又は小切手等により書留郵便等に付して、当該明渡しの期限から前項の政令で定める一定の期間前までに、補償金を受けるべき者の住所(国内にあるものに限る。)にあてて発送した場合における前条第二項の規定の適用については、当該補償金の全部は、当該明渡しの期限までに払い渡されたものとみなす。

3第九十四条第十項から第十二項までの規定は、前二項の場合において、権利取得裁決において定められた権利取得の時期又は明渡裁決において定められた明渡しの期限が経過した後に補償金等を受けるべき者がその払渡しを受けていないときに準用する。この場合において、同条第十項中「前項の規定による訴えの提起がなかつたときは、第八項の規定によつてされた裁決」とあるのは、「権利取得裁決又は明渡裁決」と読み替えるものとする。

第百一条(権利の取得、消滅及び制限)

土地を収用するときは、権利取得裁決において定められた権利取得の時期において、起業者は、当該土地の所有権を取得し、当該土地に関するその他の権利並びに当該土地又は当該土地に関する所有権以外の権利に係る仮登記上の権利及び買戻権は消滅し、当該土地又は当該土地に関する所有権以外の権利に係る差押え、仮差押えの執行及び仮処分の執行はその効力を失う。但し、第七十六条第二項又は第八十一条第二項の規定に基く請求に係る裁決で存続を認められた権利については、この限りでない。

2土地を使用するときは、起業者は、権利取得裁決において定められた権利取得の時期において、裁決で定められたところにより、当該土地を使用する権利を取得し、当該土地に関するその他の権利は、使用の期間中は、行使することができない。但し、裁決で認められた方法による当該土地の使用を妨げない権利については、この限りでない。

3第一項本文の規定は、第七十八条又は第七十九条の規定によつて物件を収用する場合に準用する。この場合において、同項中「権利取得裁決において定められた権利取得の時期」とあるのは、「明渡裁決において定められた明渡しの期限」と読み替えるものとする。

第百一条の二(占有の継続)

前条第一項の規定により起業者が土地の所有権を取得した際、同項の規定により失つた権利に基づき当該土地を占有している者及びその承継人は、明渡裁決において定められる明渡しの期限までは、従前の用法に従い、その占有を継続することができる。ただし、第二十八条の三及び第八十九条の規定の適用を妨げない。

第百二条(土地若しくは物件の引渡し又は物件の移転)

明渡裁決があつたときは、当該土地又は当該土地にある物件を占有している者は、明渡裁決において定められた明渡しの期限までに、起業者に土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転しなければならない。

第百二条の二(土地若しくは物件の引渡し又は物件の移転の代行及び代執行)

前条の場合において次の各号の一に該当するときは、市町村長は、起業者の請求により、土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者に代わつて、土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転しなければならない。

一土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者がその責めに帰することができない理由に因りその義務を履行することができないとき。
二起業者が過失がなくて土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者を確知することができないとき。

2前条の場合において、土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者がその義務を履行しないとき、履行しても充分でないとき、又は履行しても明渡しの期限までに完了する見込みがないときは、都道府県知事は、起業者の請求により、行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)の定めるところに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。物件を移転すべき者が明渡裁決に係る第八十五条第二項の規定に基づく移転の代行の提供の受領を拒んだときも、同様とする。

3前項前段の場合において、都道府県知事は、義務者及び起業者にあらかじめ通知した上で、当該代執行に要した費用に充てるため、その費用の額の範囲内で、義務者が起業者から受けるべき明渡裁決に係る補償金を義務者に代わつて受けることができる。

4起業者が前項の規定に基づき補償金の全部又は一部を都道府県知事に支払つた場合においては、この法律の適用については、起業者が都道府県知事に支払つた金額の限度において、起業者が土地所有者又は関係人に明渡裁決に係る補償金を支払つたものとみなす。

5第二項後段の場合においては、物件の移転に要した費用は、行政代執行法第二条の規定にかかわらず、起業者から徴収するものとし、起業者がその費用を支払つたときは、起業者は、移転の代行による補償をしたものとみなす。

第百三条(危険負担)

権利取得裁決又は明渡裁決があつた後に、収用し、若しくは使用すべき土地又は収用すべき物件が土地所有者又は関係人の責に帰することができない事由に因つて滅失し、又はきヽ損したときは、その滅失又はきヽ損に因る損失は、起業者の負担とする。

第百四条(担保物権と補償金等又は替地)

先取特権、質権若しくは抵当権の目的物が収用され、又は使用された場合においては、これらの権利は、その目的物の収用又は使用に因つて債務者が受けるべき補償金等又は替地に対しても行うことができる。但し、その払渡又は引渡前に差押をしなければならない。

第百四条の二(起業者が返還を受ける額に係る債務名義)

第九十四条第十項から第十二項までの規定は、権利取得裁決中第九十条の三第一項第二号に掲げる起業者が返還を受けることができる額に関する部分について、第百三十三条第二項及び第三項の規定による訴えの提起がなかつた場合に準用する。この場合において、第九十四条第十項中「第八項の規定によつてされた裁決」とあるのは、「第九十条の三第一項第二号の規定によつて起業者が返還を受けることができる額についてされた裁決」と読み替えるものとする。

第百五条(返還及び原状回復の義務)

起業者は、土地を使用する場合において、その期間が満了したとき、又は事業の廃止、変更その他の事由に因つて使用する必要がなくなつたときは、遅滞なく、その土地を土地所有者又はその承継人に返還しなければならない。

2起業者は、前項の場合において、土地所有者の請求があつたときは、土地を原状に復しなければならない。但し、当該土地が第八十条の二第一項の規定によつて補償されたものであるときは、この限りでない。

第百六条(買受権)

第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示の日から二十年以内に、事業の廃止、変更その他の事由に因つて起業者が収用した土地の全部若しくは一部が不用となつたとき、又は事業の認定の告示の日から十年を経過しても収用した土地の全部を事業の用に供しなかつたときは、権利取得裁決において定められた権利取得の時期に土地所有者であつた者又はその包括承継人(以下「買受権者」と総称する。)は、当該土地が不用となつた時期から五年又は事業の認定の告示の日から二十年のいずれか遅い時期までに、起業者が不用となつた部分の土地又は事業の用に供しなかつた土地及びその土地に関する所有権以外の権利に対して支払つた補償金に相当する金額を当該収用に係る土地の現在の所有者(以下「収用地の現所有者」という。)に提供して、その土地を買い受けることができる。但し、第七十六条第一項の規定によつて収用した残地は、その残地とともに収用された土地でその残地に接続する部分が不用となつたときでなければ買い受けることができない。

2前項の規定は、第八十二条の規定によつて土地所有者が収用された土地の全部又は一部について替地による損失の補償を受けたときは、適用しない。

3第一項の場合において、土地の価格が権利取得裁決において定められた権利取得の時期に比して著しく騰貴したときは、収用地の現所有者は、訴をもつて同項の金額の増額を請求することができる。

4第一項の規定による買受権は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)の定めるところに従つて収用の登記がされたときは、第三者に対して対抗することができる。

第百七条(買受権の消滅)

前条第一項に規定する不用となつた土地又は事業の用に供しなかつた土地があるときは、起業者(当該土地を収用した事業が関連事業であるときは、当該関連事業を行なう者。以下この項において同じ。)は、遅滞なく、その旨を買受権者に通知しなければならない。但し、起業者が過失がなくて買受権者を確知することができないときは、その土地が存する地方の新聞紙に、通知すべき内容を少くとも一月の期間をおいて三回公告しなければならない。

2買受権者は、前項の規定による通知を受けた日又は第三回の公告があつた日から六月を経過した後においては、前条第一項の規定にかかわらず、買受権を行使することができない。

第八章 収用又は使用に関する特別手続

第百八条から第百十五条まで

削除

第百十六条(協議の確認の申請)

起業地の全部又は一部について起業者と土地所有者及び関係人の全員との間に権利を取得し、又は消滅させるための協議が成立したときは、起業者は、第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた日以後収用又は使用の裁決の申請前に限り、当該土地所有者及び関係人の同意を得て、当該土地の所在する都道府県の収用委員会に協議の確認を申請することができる。

2起業者は、前項の規定による申請をしようとするときは、国土交通省令で定める様式に従い、土地所有者及び関係人の同意を得たことを証する書面を添えて、左に掲げる事項を記載した確認申請書を収用委員会に提出しなければならない。

一協議が成立した土地の所在、地番、地目及び面積
二前号の土地の土地所有者及び関係人の氏名及び住所
三協議によつて取得し、又は消滅させる権利の種類及び内容
四権利を取得し、又は消滅させる時期及び土地若しくは物件の引渡し又は物件の移転の期限
五対償
第百十七条(確認申請書の欠陥の補正)

第十九条の規定は、前条第二項の規定による確認申請書の欠陥の補正について準用する。この場合において、「前条」とあるのは「第百十六条第二項」と、「事業認定申請書」とあるのは「確認申請書」と、「国土交通大臣又は都道府県知事」とあるのは「収用委員会」と読み替えるものとする。

第百十八条(協議の確認)

収用委員会は、第百十六条第二項の規定による確認申請書を受理したときは、前条において準用する第十九条第二項の規定により確認申請書を却下する場合を除くの外、市町村別に当該市町村に関係のある部分の写を当該市町村長に送付しなければならない。

2市町村長は、前項の規定による書類を受け取つたときは、直ちに、確認の申請があつた旨を公告し、公告があつた日から二週間その書類を公衆の縦覧に供しなければならない。

3市町村長は、前項の規定による公告をしたときは、遅滞なく、公告の日を収用委員会に報告しなければならない。

4第二項の規定による公告があつたときは、利害関係人は、同項の縦覧期間内に、収用委員会に、協議の成立及び内容について、書面により、異議を申し出ることができる。

5収用委員会は、第百十六条の規定による協議の確認の申請が法令の規定に違反せず、前項の規定による異議の申出がなく、又は異議の申出があつた場合においてその異議の申出が同項の規定に違反し、若しくは理由のないことが明らかであり、且つ、協議の内容が第七章の規定に適合するときは、第百十六条第二項各号に掲げる事項について確認をしなければならない。

第百十九条(確認の拒否)

収用委員会は、第百十六条の規定による協議の確認の申請があつた場合において、その申請が前条第五項の規定に該当しないときは、確認を拒否しなければならない。但し、異議の申出が申請に係る土地の一部に関するものであつて、他の部分に影響がないときは、その影響のない部分について、確認をしなければならない。

第百二十条(確認処分の方式及び確認書の送達)

第六十六条の規定は、第百十八条第五項若しくは前条但書の規定による確認又は前条本文の規定による確認の拒否に準用する。この場合において、「裁決」とあるのは「確認又は確認の拒否」と、「裁決書」とあるのは「確認書及び確認拒否書」と、「起業者、土地所有者及び関係人」とあるのは「起業者、土地所有者、関係人及び第百十八条第四項の規定によつて異議を申し立てた利害関係人」と読み替えるものとする。

第百二十一条(確認の効果)

第百十八条第五項又は第百十九条但書の規定による確認があつたときは、この法律の適用については、同時に権利取得裁決と明渡裁決があつたものとみなす。この場合において、起業者、土地所有者及び関係人は、協議の成立及び内容を争うことができない。

第百二十二条(非常災害の際の土地の使用)

非常災害に際し公共の安全を保持するために第三条各号の一に規定する事業を特に緊急に施行する必要がある場合においては、起業者は、事業の種類、使用しようとする土地の区域並びに使用の方法及び期間について市町村長の許可を受け、直ちに、他人の土地を使用することができる。但し、起業者が国であるときは当該事業の施行について権限を有する行政機関又はその地方支分部局の長が、起業者が都道府県であるときは都道府県知事が、事業の種類、使用しようとする土地の区域並びに使用の方法及び期間を市町村長に通知することをもつて足り、許可を受けることを要しない。

2前項の規定によつて使用する土地の区域並びに使用の方法及び期間は、公共の安全を保持するために必要且つやむを得ないと認められる範囲をこえてはならない。

3市町村長は、第一項本文の規定による許可をしたとき、又は同項但書の規定による通知を受けたときは、直ちに、起業者の名称、事業の種類、使用しようとする土地の区域並びに使用の方法及び期間を土地の所有者及び占有者に通知しなければならない。

4第一項の規定による使用の期間は、許可があつた日(同項但書の場合にあつては、市町村長に通知をした日)から六月をこえることができない。

第百二十三条(緊急に施行する必要がある事業のための土地の使用)

収用委員会は、第三十九条の規定による裁決の申請に係る事業を緊急に施行する必要がある場合で、明渡裁決が遅延することによつて事業の施行が遅延し、その結果、災害を防止することが困難となり、その他公共の利益に著しく支障を及ぼす虞があるときは、起業者の申立により、土地の区域及び使用の方法を定め、起業者に担保を提供させた上で、直ちに、当該土地を使用することを許可することができる。

2前項の規定による使用の期間は、六月とする。使用の許可の期間の更新は、行うことができない。

3収用委員会は、第一項の規定による許可をしたときは、直ちに、起業者の名称、事業の種類、使用しようとする土地の区域並びに使用の方法及び期間を土地の所有者及び占有者に通知しなければならない。

4起業者は、第一項の場合において、土地所有者及び関係人の請求があるときは、自己の見積つた損失補償額を払い渡さなければならない。

5第一項の規定による使用の許可があつた後、明渡裁決があつたときは当該明渡裁決において定められた明渡しの期限において、第四十七条の規定によつて却下の裁決があつたときはその裁決の時期において、第一項の規定による使用の許可は、第二項の規定にかかわらず、その効力を失う。

6第八十三条第四項から第七項までの規定は、第一項の規定によつて提供すべき担保並びにその取得及び取りもどしについて準用する。この場合において、同条第四項中「前項」とあるのは「第百二十三条第一項」と、同条第五項及び第六項中「工事を完了」とあるのは「補償の支払を」と、同条第五項中「耕地の造成による損失の補償」とあるのは「損失の補償」と読み替えるものとする。

第百二十四条(前二条の使用に因る損失の補償)

起業者は、第百二十二条第一項の規定によつて土地の使用の許可を受け、若しくは市町村長に通知した場合、前条第二項の規定による使用の期間が満了した場合又は同条第五項の規定によつて使用の許可が失効した場合においては、土地を使用することに因つて生ずる損失を第六章第一節(第七十二条、第七十三条、第七十四条第二項、第七十八条、第七十九条、第八十条の二第二項及び第八十一条を除く。)の規定によつて補償しなければならない。この場合において、損失の補償は、使用の時期の価格(土地又は土地に関する所有権以外の権利に対する損失の補償については、その土地及び近傍類地の地代及び借賃等を考慮して算定した使用の時期の価格)によつて算定しなければならない。

2第九十四条(第六項を除く。)の規定は、前項の場合に準用する。この場合において、同条第一項中「前三条」とあるのは「第百二十四条第一項」と、同条第八項中「第六項」とあるのは「第百二十四条第三項において準用する第六項」と読み替えるものとする。

3第九十四条第六項の規定は、収用委員会が前項において準用する第九十四条第五項の規定によつて審理をする場合に準用する。この場合において「第九十四条」とあるのは、「第百二十四条第二項において準用する第九十四条」と読み替えるものとする。

第九章 手数料及び費用の負担

第百二十五条(手数料)

第十八条の規定によつて国土交通大臣に対して事業の認定を申請する者は、国に実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。ただし、その者が国又は都道府県であるときは、この限りでない。

2都道府県が次に掲げる者から手数料を徴収する場合においては、その額は、第一号又は第四号に掲げる者であるときは実費の範囲内において当該事務の性質を考慮して政令で定める額を、第二号に掲げる者であるときは実費を勘案して政令で定める額を、第三号又は第五号に掲げる者であるときは実費の範囲内において当該事務の性質を考慮して損失補償の見積りの額に応じ政令で定める額を、それぞれ標準として、条例で定めなければならない。

一第十五条の二第一項又は第十五条の七第一項の規定によつてあつせん又は仲裁に付することを申請する起業者
二第十八条の規定によつて都道府県知事に対して事業の認定を申請する者
三第三十九条第一項又は第九十四条第二項(前条第二項において準用する場合を含む。)の規定によつて収用若しくは使用又は損失の補償の裁決を申請する者
四第百十六条の規定によつて収用委員会の協議の確認を申請する者
五他の法律の規定によつて収用委員会の裁決を求める者
第百二十五条の二(仲裁の手続に要する費用の負担)

仲裁の手続のうち第十五条の七第一項に規定する関係当事者の申出に基づいて行うものに要する費用は、当該申出をした者の負担とする。

第百二十六条(鑑定人等の旅費及び手当の負担)

第六十五条第六項(第九十四条第六項又は第百二十四条第三項において準用する第九十四条第六項において準用する場合を含む。)の規定による鑑定人及び参考人の旅費及び手当は、起業者の負担とする。

第百二十七条(手続費、義務履行費その他の費用の負担、徴収等)

起業者、土地所有者及び関係人がこの法律又はこの法律(第九十六条第七項を除く。)に基く命令に規定する手続その他の行為をし、又は義務を履行するために要する費用は、それぞれの者が自ら負担しなければならない。

第百二十八条

市町村長は、第百二条の二第一項の規定により市町村長が土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転するに要した費用を、第百二条の規定により土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者から徴収するものとする。

2第百二条の二第三項及び第四項の規定は、市町村長が前項の規定によつて費用を徴収する場合に準用する。この場合において、同条第三項中「前項前段」とあるのは「第百二十八条第一項」と、「当該代執行に要した費用」とあるのは「第一項の規定により市町村長が土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転するに要した費用」と、同項及び同条第四項中「都道府県知事」とあるのは「市町村長」と読み替えるものとする。

3市町村長は、第一項に規定する費用を前項において準用する第百二条の二第三項の規定によつて徴収することができないとき、又は徴収することが適当でないと認めるときは、第一項に規定する者に対し、あらかじめ納付すべき金額、納付の期限及び場所を通知して、これを納付させるものとする。

4市町村長は、前項の規定によつて通知を受けた者が同項の規定によつて通知された期限を経過しても同項の規定により納付すべき金額を完納しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。

5前項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに第三項の規定により納付すべき金額を納付しないときは、市町村長は、国税滞納処分の例によつて、これを徴収することができる。この場合における徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

第九章の二 行政手続法の適用除外

第百二十八条の二

この法律の規定により収用委員会がする処分(第六十四条の規定により会長又は指名委員がする処分を含む。)については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。

第十章 審査請求及び訴訟

第百二十九条(収用委員会の裁決についての審査請求)

収用委員会の裁決に不服がある者は、国土交通大臣に対して審査請求をすることができる。

第百三十条(審査請求期間)

事業の認定についての審査請求に関する行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十八条第一項本文の期間は、事業の認定の告示があつた日の翌日から起算して三月とする。

2収用委員会の裁決についての審査請求に関する行政不服審査法第十八条第一項本文の期間は、裁決書の正本の送達を受けた日の翌日から起算して三十日とする。

第百三十一条(審査請求に対する裁決)

国土交通大臣の事業の認定に関する処分又は収用委員会の裁決についての審査請求に対する裁決は、公害等調整委員会の意見を聴いた後にしなければならない。

2国土交通大臣又は都道府県知事は、事業の認定又は収用委員会の裁決についての審査請求があつた場合において、事業の認定又は裁決に至るまでの手続その他の行為に関して違法があつても、それが軽微なものであつて事業の認定又は裁決に影響を及ぼすおそれがないと認めるときは、裁決をもつて当該審査請求を棄却することができる。

第百三十一条の二(事業の認定又は収用委員会の裁決の手続の省略)

審査請求に対する裁決により事業の認定又は収用委員会の裁決が取り消された場合において、国土交通大臣若しくは都道府県知事が再び事業の認定に関する処分をしようとするとき、又は収用委員会が再び裁決をしようとするときは、事業の認定又は裁決につき既に行つた手続その他の行為は、法令の規定に違反するものとして当該取消しの理由となつたものを除き、省略することができる。

第百三十二条(審査請求の制限)

次に掲げる処分については、審査請求をすることができない。

一都道府県知事がした事業の認定の拒否
二第百二十二条第一項又は第百二十三条第一項の規定による処分

2収用委員会の裁決についての審査請求においては、損失の補償(第九十条の三の規定による加算金及び第九十条の四の規定による過怠金を含む。次条において同じ。)についての不服をその裁決についての不服の理由とすることができない。

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